人間が自然をコントロールしようだなんて(IN YOU Market の出品者)

自然栽培では、もちろん肥料も何もあげないので、種撒いたりとか、植物が育ちやすくするために、周りの環境の整備にフォーカスをしています。
なんというか、僕自身農業の栽培一つとっても「方法」などということはおこがましいと考えています。
実際北海道で農業をやっていると、たくさんの動物がいて、鹿などもしょっちゅうやってきます。
せっかく作っても彼らに作物を食べられてしまうことも少なくなくありません。
本来、人間の手で、人工的に操作してコントロールしたり、自然の摂理を変えたりすることは、やってはいけないし、やるべきではない。
険しい環境の中で「自分たちが後から入り込んできて、農業をやらせてもらっている」、
そういう感覚を忘れずに、自然の前では常に謙虚さを大切にしたいと思っています。

One thought on “人間が自然をコントロールしようだなんて(IN YOU Market の出品者)

  1. shinichi Post author

    人間が自然をコントロールしようだなんて甚だおこがましい。自然栽培の農業を山奥で始めて、わかったこと

    IN YOU Market
    出品者の声
    2020年4月17日
    https://inyoumarket.com/shops/voice-of-vendors/nocontroloverthemothernature/

    オーガニックファームをはじめて7年ほど経過しました。

    その前は音楽業界にいてオリジナルで楽曲を制作したり、オーダーを受けた曲を作ったり、ということに従事していました。

    元々は新規就農なので、全く業界でのしがらみのない状態で始めました。

    農業を始める前から、自然栽培という概念を知っていたのですが、自然栽培で作られた人参を食べた時に、すごく美味しくて。

    調べていくうち、「こういうものなんだ」ということが次第に、わかりました。

    農業研修した際に、自然栽培一択だなと、直感的に思い、自然栽培で農業を始めました。

    もちろん体への影響という要素もあるのですが、僕自身は、自然栽培へのつくり方そのものに興味があったんですよね。

    数年間やってみて、「どうやればうまくいくのか」というのが、ある程度わかるようになってからは、色々なことがスムーズに運びました。

    最初の方はよくわからず、たくさんの量を作れないこともありましたけれどね。

    栽培が難しいというよりは、僕は普段北海道の山奥にいるので、必然的に個人で販売することに対しての方が、難しさを感じています。

    自然に対して思うこと:自然はいつも脅威。コントロールすることはおこがましく「やらせていただいている」と思う謙虚さが大事。

    あまり、いいこととか言えないんですが、「とにかく自然にかなわないな」というのがやってみての、印象です。

    自然の中で生きていると、いつも脅威を感じます。

    冬の間、僕は自然の中で、スキーをやるんです。

    北海道で雪国なので厳しい環境のシーズンもあります。

    スキー場にあるようなリフトとかも特に使わず、自分の足で山に登ってそのまま滑ったりするタイプのワイルドなスキーをやっていまして、僕にとっての自然はいつも強烈で。

    自然栽培では、もちろん肥料も何もあげないので、種撒いたりとか、植物が育ちやすくするために、周りの環境の整備にフォーカスをしています。

    なんというか、僕自身農業の栽培一つとっても「方法」などということはおこがましいと考えています。
    実際北海道で農業をやっていると、たくさんの動物がいてしかなどもしょっちゅうやってきます。

    せっかく作っても彼らに作物を食べられてしまうことも少なくなくありません。

    本来、人間の手で、人工的に操作してコントロールしたり、自然の摂理を変えたりすることは、やってはいけないし、やるべきではない。

    険しい環境の中で「自分たちが後から入り込んできて、農業をやらせてもらっている」、
    そういう感覚を忘れずに、自然の前では常に謙虚さを大切にしたいと思っています。

    世間に対して思うこと:「みんながオーガニックをわかってくれない」というよりは「伝えきれていない」と感じる。

    オーガニック業界について思うことですが、「オーガニックについてわかってくれない」とか、「理解されたりていない」という感覚よりはむしろ、こちら側が十分に伝えきれていない、紹介しきれていない、という気持ちが強いですね。

    作ってはいるけれど、多くの人に知ってもらって・・、という大切なステップが欠如しがちな人が多いのではないかと思います。

    地元のマルシェなどに来るとだいたい、食材に詳しかったりオーガニックについてもわかっている人たちが来ます。でもそうじゃないところではまだまだ知らせる機会は少ないです。

    ただし、これからの時代、どんどんオーガニックな流れがきて、日本でも世界でもいよいよ当たり前になったりと、時間とともに勝手に広まるようなものではあるとも、感じています。

    オーガニックという言葉自体も、伝え方次第で、言葉はなんとなくポップなので、より多くの人に価値を理解してもらえるポテンシャルがあるんじゃないかなって。

    自分がやっている自然栽培などの領域はちょっとまたさらに一方踏み込んだ、難しい分野というか、あまりキャッチーではないので、中には、敬遠する方々もいるように思いますが・・。

    ただ、僕自身堅苦しいのは苦手なので、伝え方に工夫が必要になってくるなと思っていますね。

    自然栽培の日常が当たり前になりすぎた今「これじゃないとダメ」という考え方ではなく「選ぶのはお客様」という考え方に変わった

    誤解を恐れず言いますと、かれこれ七年以上やっているので、自然栽培が、自分にとって当たり前になりすぎていて、世間とのギャップを感じています。

    なんというか最初の数年は、すごく意気込んでやっていて自然栽培に対してとても強い志と意思がありました。

    むしろそうではない栽培方法に対し、批判するくらいの思想があった時期もありましたが、今ではもう自然になりすぎていて、選んだ理由が、だんだん薄れてきたような気もします。

    けれどあまりにも日常的な光景になったので、もちろん今更農薬を使った慣行栽培など、他の選択肢は一切ありません。

    たまたま自然栽培を選んでそれが、当然になっていた・・という、ただそれだけです。

    かつてのように絶対これじゃないとダメ!とか、批判的な気持ちも消えて、
    今は「選ぶのは、お客様」という考えになりました。

    だから自然栽培を語る上で、特に格好いいフレーズとかは出てこないですね。

    あくまでもごく普通の日常作業として農作業をしていますし、それが自然栽培と言われているだけであって、何か特別自覚してやっている感じではありません。

    ただ、作る上で健康のことも大事ですが、やっぱり一番は味にはこだわりたい、というのはありますね。純粋に美味しいものを作りたい意欲は強いかな。

    この前メロンを自然栽培で作ったのですが、慣行栽培のものと比べてみると一目瞭然で、全然違います。

    聞き飽きたフレーズかもしれないですが、自然栽培で作ると、雑味がなくて食材本来の味わいを楽しめるんです。

    慣行栽培と自然栽培したもので、同じ品種を食べれば圧倒的な味の違いが素人の方でも、わかると思います。

    農薬を使わない栽培において、健康や環境への配慮も、もちろん大事。

    しかし、それ以前に僕自身のモチベーションとしては自然栽培で、「美味しいものを作っていきたい」という感覚が、あります。

    ぜひあなたも自然栽培の商品を楽しんでみてください。

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