日本人類学会

人類の進化、遺伝、生態、変異、文化、言語、社会組織、宗教、物質文化などについて研究する学問のことを広く人類学といいます。一般的には、生物としてのヒトを対象とする自然人類学と、ヒトの作り出した文化や社会構造などを対象とする文化人類学に区分されます。
自然人類学は人類を生物学的に研究する学問で、ヒトの系統的な発生から、進化、変異、生態、環境などを古人骨、石器、遺物、人体、霊長類、歯、食物などを研究対象とし解明してゆく分野です。学問分野としては先史学、考古学、古生物学、年代学、霊長類学、遺伝学、生態学、解剖学、生理学などと境界を接しています。
一方、文化人類学とは、世界の民族の文化・社会を言語、習慣、社会構造、家族、道具、芸術などを研究対象として、解明してゆくことを目指しています。かつては民族学と呼んでいましたが、最近では文化人類学とか社会人類学とよばれることが多くなりました。民族学、民俗学、考古学、言語学、心理人類学、医療人類学、経済人類学、など、やはり多くの学問領域と境界を接しています。
ちなみに、日本人類学会は発足時、総合的人類学を目指しましたが、時代とともに人類学が細分化され、現在では主に自然人類学を対象とする研究者の学会となっています。

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