Competence vs Competency

いずれもフランス語の competence が語源であるが、中英語期には competencecompetency という2つの単語に分岐し、それぞれの意味もかなり違ったようだ。近代になると、一般的な用途では、両者の意味にはほとんど違いがなくなったが、専門的な分野では使い分けられる。
competence については、やや古い用法であるが、「生活に困らない収入、十分に足りる量」といった意味もあり、法律分野では「法的な権限」などの意味がある。
ビジネス分野では、特定のことがらを行うための総合的な能力competence といい、「彼には情報収集の competence がある」といった使い方をする。それに対して、competency特定のことがらを行うための具体的な能力や特性をさし、competencies と複数で使われることも多く、competencies が集まって competence を形成することができるという定義もある。
一方で、別の定義では、competence は「決められたことを決められた通りに行うために必要とされる能力」を問題にするのに対して、competency は「何をどのようにやるべきかを見極め、それを成功させる能力」を表す。つまり、前者は「一般的に求められる十分な能力」であるのに対して、後者は「他との差別化につながる特性的な能力」でもあるとしている。
いずれにしろ、異なる定義があるため、これらの単語を使うときには、こちらの意図する定義を文書内のどこかで説明しておくなどの工夫が必要である。

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