Author Archives: shinichi

良い夢

ベッドの上でこれを書いていて ふっと横を見たら 君がすやすや眠っている これが夢だとしたら とってもいい夢だ これがうつつだとしたら とってもいい夢だ 幻はどこにもない みんな夢 うつつも夢 ピアノの音が 微かに聞こえる それにしても なんていい夢なんだろう

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悪い夢

高いところに上って街を眺めていたら なにもかもが おかしく思えてきて うつつがこんななら いっそのこと夢に行ってしまおう とか うつつと夢を入れ替えてしまおう とか ろくでもないことを考え始めてしまった うつつと夢を行き来している夢を見て 夢のなかで見た夢のことを思い出す 求められもしないで見た夢と 求めもしないで見た夢のなかの夢は 交わることがなさそうで でも同じ夢なのかもしれないと思って それで 何がおかしいのかを少し整理してみた 海や川や運河と陸との間には堤防があって 水のところと そうでないところとが あまりにもきっちりと分けられていて 整然としていて 窮屈で 直線ばっかりで 道路も 直線ばっかりで 建物の敷地は 四角くて 見ていて うんざりしてきた 山や丘や崖や海や川や湖や池が 森や林や木や葉や根や草や花と 一緒になって作ってきた景色には 直線はなかったから 直線ばかりの街を見ていると おかしくて この直線がなくなってしまったらいいのにと 思ってしまったのだ 墓石のようなビルが 整然と並ぶ街は まるで巨大な霊園のようだ 人が作るものはどうしていつも こんなにも醜いのだろう 機能美とかなんとか 言いつくろってみても 優しさが消えたのは 隠すことができない 動きが消えてしまった街を 車だけがゆっくりと動いてゆく 土を耕す人が見えるわけもなく 種を蒔く人も見えるわけがない 見えるわけのない たき火の煙が なぜか なつかしい 下に見える景色は うつつなのか夢なのか 夢のなかのうつつなのか 夢のなかの悪い夢なのか これはうつつではないよね と言う うつつの君が微笑む やっぱりこれはみんな 夢なのかもしれない

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アルヴォ・ペルト

子守唄を聴きながら眠る 昼なのに眠る 音がないみたいなのに 静かな音が聞こえてきて 鈴の音はしないのに 鈴が鳴り続けているように感じる 飾らない音符と簡素な和音が 簡素な音と飾らない声を生む リズムはいつまでも単純だけれど 飽きることはない まるで昔の音楽が よみがえったみたいだ 懐かしい君を 抱いているみたいだ 子守唄がいつまでも聞こえる ずっと聞こえる

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やめられない

偉いお坊さんは 悪性さらにやめがたし と言い 昭和のヒーローは わかっちゃいるけどやめられない と言った 考えてみれば やめられないことばかり なにが悲しいって やめるなんて 考えることもできない 飲む打つ買うがやめられないなんて 一昔前のはなし 宵越しの銭は持たないなんて 今はもう流行らない マトモなやつらは偉そうに そんなことを言うけれど まわりを見渡してみれば マトモでないやつばかり 時代は変わったと言いながら みんなリアルなことを続け やめられない止まらない と口ずさんでいる 飲みさえしなければいいやつなんだけどなあ とか ギャンブルとなると人が変わっちゃうんだよな とか 女のことさえなければ悪い人ではないんだけど とか そんなことで世の中はまわっていく すごくもないのにすごいと言われ やればできるとおだてられ それが手だとは露ほども知らず 騙されたのにも気付かずに 気がついてみれば やめられないことばかり どうしたらやめられるのか わからないことばかり 飲む打つ買うまでバーチャルの バカどもよりはマシだよと 今日もリアルな飲む打つ買うで 少ないカネがゼロになる 作り話に涙を流し 騙されることを喜びながら 詐欺に騙される老人を バカじゃないかとバカにする あなたの国のために何ができるのか なんていう国に騙され 幸せはあなたの心の中にある という宗教に騙され あなただけが生きがいなの という甘い言葉に騙されて 信じる者は救われると 騙されることを肯定する 信じることができないなんて なんて可哀想な人なんでしょう そう言われるのは僕が 異邦人だからだろうか それとも一緒に騙されないからだろうか 騙されるのが嫌だといっても やめられないことがないわけではない やめられないことがいくつもあって それで人を傷つける 悪性さらにやめがたし という言葉が胸に刺さる わかっちゃいるけどやめられない も心に沁みる やめられないものはやめられない 今日もやっぱりやめられない やめられないものをやめてしまえば それはもう自分でない そんなふうに開き直って なにもやめない自分が見える やめられないために塀の中に行く人や 病院のベッドに繋がれる人がいるけれど 僕はひとりで のたれ死ぬ それが卑怯でも のたれ死ぬ やっぱり やめられない どうにも やめられない 君も やめられない 君は やめたくない

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そのまま言う

考えたことをそのまま言ってしまうことがある  見たものや感じたことを素直に表現できる といえば聞こえはいいけれど それでは物事はうまくまわっていかない 供された料理がどんなに美味しくなくても 美味しいと言わなければ感謝は伝わらない どんなに口に合わなくても たとえ嫌いでも  おいしかった の一言が作ってくれた人への感謝になる 借りたものが古くて使うのが大変だったとしても  貸してくれて ありがとう という気持ちがあれば  ボロで使うのに苦労した とは言えないはずだ 他人の評価はしないにこしたことはない  あなたは中の下ですね なんていうのはもちろんのこと  あなたはトップテンに入りますね なんていうのも言わないほうがいい なにかに感動して素直にそれを表現しても その感動を共有していない人からは  何言ってるの? という反応しか返ってこない それでも人は 考えたことを言いたい とか 感じたことを共有したい とか思っていて それで 考えたことをそのまま言ってしまったり 感じたことをそのまま表現したりして 孤独を感じ やりきれない気持ちになったりする 考えたことをそのまま言うのは 君にだけにしよう 君も僕にだけは 何を言ってもいい 心を許していい 信じてくれていい

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川に沿って歩いていたら 突然雨が降り出してきて さっきまで見えていた山が見えなくなり 川の両脇の街も灰色に霞んでしまった 足元にはあっという間に水溜りができて ここは水が流れるはずの河原なのかな とか ここは堤防の内側だから河川敷かな とか 人が決めた どうでもいい定義 を思い出そうとする 目の前の大きな橋を渡れば駅に出るのだと てのひらのなかの画面が教えてくれるけど 橋に上がれる道がなかなか見つからないので 仕方なく橋の下で雨宿りをする 生い茂る雑草のなか 小さな花が咲いている 大雨が降れば川になってしまうのだろうに どうしてここで咲いているのか ふと見回すと 花の周りは灰色の塊ばかり 鉄にアスファルトにコンクリート あの鉄の橋を取っ払って アスファルトの道路を取っ払って コンクリートを取っ払ってあげたい 堤防の外の住宅もぜんぶどけて 川を自由にしてあげたい 思うように流れを変えて 好きなように流れたらいい 小さな流れもたくさん作って たくさんの生き物に水を与えたらいい 川を川に戻してあげたい 川は何も言わず 戻ることなく 流れて行く

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宝くじのような社会

宝くじは買わなければ当たらない という でも 宝くじは買っても当たらない 宝くじの売り上げのうち 当選者に支払われるのは 46.5% だから 確率論からいえば 5億円当てるためには 10億7500万円以上の宝くじを買わなければならない でも実際には 1等と前後賞との5億円を当てるには 10億7500万円では十分でない 宝くじの番号は組と番号でできていて 組は01~100組までの100通りで 番号は100000~199999番までの10万通りで 01組100000番から100組199999番までの1ユニットは1000万枚 1枚300円だからもし全部の番号を買ったら30億円かかる 1等と前後賞との5億円を当てるのに 23組130916番と23組130915番と23組130917番の3枚の宝くじを買うために 30億円も用意しなければならないのだ こんなに割の悪い話なのに 街中の宝くじ売り場に行列ができて みんなが一攫千金を夢見る 当たらないのに当たると信じて 宝くじは買わなければ当たらないと言いながら 宝くじを買う 考えてみれば 私たちの社会も似たようなもので 働きに出て行った人の一年間の売上高は2000万円 そのうち給与やボーナスで貰えるのが500万円 こんなに割の悪い話なのに 学校を卒業した人たちは先を争って就職し 仕事を失えばハローワークに列を作る 働かなければ生きていけないという社会で 仕事はどんどん AI に奪われて 働きたくても仕事はなくて 仕事がないと生きていけなくて 2000万円売り上げて貰えるのは 500万円から400万円になって 400万円から300万円になって それでも私たちは生きていく 宝くじには 買わないという選択もあるけれど 就職は しないという選択はなかった これからはきっと かすめ取られるために働くことはなくなって 就職をしないのも変でなくなって 宝くじのような社会はなくなって とここまで書いて そんなことは起きないだろうなあと思っている私がいる

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ハマる

ぴったりした大きさの穴に入ってしまい なかなか抜け出せない 気づきもしなかった溝に落ちて 抜けようにも抜けられない 何かに夢中になって どうやっても抜け出せない そもそも 抜け出したいかどうか 定かでない はまる 嵌る 填る ハマる いろいろな人が いろいろなものに そして いろいろなことに ハマる 家系図にハマる 紙飛行機にハマる 裁判傍聴にハマる Googleストリートビューにハマる マイナーな趣味に夢中になって やめられなくなる 豆かんにハマる パンケーキにハマる コーヒーにハマる ワインにハマる 食べ物や飲み物にのめり込んで やめられなくなる 誰かにハマる 君にハマる 誰かに夢中になる 君に夢中になる 誰かでない君のことを思う

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炒飯

そこの店の炒飯は エビ炒飯でもカニ炒飯でもなく 叉焼入り炒飯でもほうれん草炒飯でもなく 広東生菜炒飯とか揚州炒飯とかでもなく 五目炒飯でも特製炒飯でもない ただの炒飯だった カタカナのチャーハンではない 前になんにも付かない ただの炒飯 なんの変哲もない炒飯 それなのに 心が揺さぶられるほどおいしくて 他の皿がぜんぶ翳んでしまうほどおいしくて 普通のものがおいしいと 贅沢なものがおいしいのとは違った感激がある 普通のことやあたりまえのことで心を動かされると なんとも言えないくらい 嬉しい

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五感

静かな場所は好きだけれども 音のない世界は いやだ 母の耳が老いてから聞こえなくなったせいもあるけれど 水の音も風の音も聞こえないのを想像すると つらい 落ち着いた照明の場所は好きだけれども 光のない世界は いやだ 真っ暗な闇の中に閉じ込められた夢を見たせいもあるけれど 君の目も君の唇も見えないのを想像すると つらすぎる 五感がなんだったかは すぐには思い出せないけれど 君の声を聞いて 君の顔を見て 君の匂いを嗅いで 君とのキスを味わって 君の肌に触れるのを想像してたら 五感だけでなく 他の感覚も欲しくなってきた 五感以上の感覚を持って森に入って 木や石とわかり合えたら 五感以上の感覚を持って山に登って 鳥や水とわかり合えたら 五感以上の感覚を持って君を抱きしめて 君とわかり合えたら どんなにいいだろう 五感以上の感覚がきっとある 想像するのよりずっとたくさんの感覚がある そんな感覚を研ぎ澄まして眠れば きっといい夢を見ることができる でも今夜は五感だけでいい 五感をぜんぶ使って君と眠ろう きっといい夢を見ることができる そう思う

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なんにもできない

認められたいとか、好かれたいとか、愛されたいとか思うのは、変なことじゃない。嫌われたくないというのも、不安になるのも、自然のことじゃないかしら。 うん。僕にはそういうところがあるかもしれない。 いい男だと思われたい、いい女だと思われたい、いい子だと思われたい、いい親だと思われたい、いい部下だと思われたい、いい上司だと思われたい、いい友達だと思われたい、いい同僚だと思われたい…  それは、いけないことだろうか? いけなくはないけど、でも、そんなことばかり考えていたら、なんにもできなくなってしまう。 なんにもできない? 子どものために自分のしたいこともしないで生きる。子どもが大きくなって、またその子どものために生きる。そんなことが繰り返されて、いったい誰が自分のために生きるのかって。よく、そう思うの。 人のために生きるのって、大切なことだと思うけど。 余計なことは考えないでいいんじゃない? 余計なこと? まずは、自分のために生きる。自分を大事にする。自分の気持ちに素直になる。そうすれば、不安はなくなるわ。 そういうものかな? ええ。人は必ず死ぬでしょ。生きているあいだは、認められたいとか、愛されたいとか、いろいろなことを思うけれど、そしていろいろなことをするけれど、最後にはみんな死ぬ。だから、なにをしてもいいの。どうせ死ぬのだから。 どうせ死ぬ? 違う? なにをしてもいい? そう。好きな人には好きだって言えばいい。好きな人に思いが通じなかったら、泣けばいいじゃない。好き合った人の気持ちが変わったら、悲しめばいい。それでいいじゃないの? それでいい? ええ。いいこともあれば、悪いこともある。それでいいじゃない?

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蜃気楼

蜃気楼は 見に行って見られるものでない  何月頃に  どこで  どんなものが見えるのか なんていう情報がインターネット上にたくさんあるけれど 行ったからといって 見られるとは限らない 虹も オーロラも 見に行って 見られるとは 限らない 蝶を探して山の奥深く踏み入っても 虫を探して森の奥深く分け入っても 痕跡すら見つからないことが多いという 景色だって 天気ひとつで大きく変わる 見たいものが見られるとは限らない ある日 どこまでも伸びる道をドライブしていたら 森が見えてきて あの森は本当の森なのか それとも蜃気楼の森なのかと考えていたら あっというまに森が湖に変わった 森は蜃気楼だったのだろうか 湖は蜃気楼なのだろうか そんなことを考えていたら 湖は砂漠に変わった 砂漠が蜃気楼なわけはないと考えていたら 水をたっぷり湛えた湖に着いた なにが実際に見えたのか なにが蜃気楼だったのか わからなくなった僕は 自分のいるところが 実際にあるのかどうかさえわからなくなって あたりを見回した 君がこっちを向いている あっ やっぱりここは夢の中だ そう思った瞬間に 君は消えた

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英雄か犯罪者か

信長は城を焼いたり捕虜を処刑したりして何万人もの人々を殺害したとか 秀吉は女や子供を串刺しにしたり磔にしたりして残虐の限りを尽くしたとか 首を城の周りを取り囲むように並べさせた信玄のほうが残虐だったとか いやいや利家のほうが残虐だったとか 実のところ光秀のほうが残虐だったとか まったく状況が違う今になって みんないろいろ言うけれど そんなことはすべて想像でしかない ヒットラーやポルポトは虐殺者として記憶されているが 毛沢東やスターリンは虐殺者ではなかったのか トルーマンやルーズベルトを虐殺者と呼んではいけないのか エンヴェル・パシャやレオポルト2世を忘れてもいいのか コロンバスやコルテスは残虐だったではないか ジンギスカンやティムールや洪武帝はどうなのか そしてアレクサンドロス大王は英雄なのか 歴史には数多くのリーダーが登場するが 今の価値観からはその多くが残虐で その多くが人道に反する命令を下したということになる でもその人たちが生きている時には その人たちは支持され 英雄と見なされていたのだ 英雄は敵から見れば犯罪者で 結局は 勝ったもののが英雄で 負けたものが犯罪者ということになる とんでもない数の人たちが 英雄と呼ばれ 犯罪者と呼ばれ 死んでいった 歴史に登場するのはほんの一握りで ほとんどは歴史に名を残すことなく消えてゆく その人たちをどう呼ぶのかは残った人たちのすることで 当人たちには関係のないこと 名誉のために死んだとしても 誰も名誉を理解しない 死んだら消える それだけのことだ 文字にして残しても 映像にしてとっておいても それだけのこと 私たちには判断のつかないこと だから見えることだけを信じて 自分が信じられることだけを信じて 君を思って生きる それでいい すべてのことが宇宙のなかの 小さな小さな点なのだ そして長い長い時間のなかでの ほんの一瞬のことなのだ

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空には   空(く)   空(くう)   空(こう)   空(そら)   空(から)   空(うろ)   空(あな)   空(こぉん)   空く(あく)   空く(すく)   空ろ(うつろ)   空ける(あける)   空しい(むなしい)   空ける(うつける) などの読み方があって どれもが大事な意味を持つ 見上げると 空(そら)は いつもそこにある 朝が日の出とともに光を取り戻すと 空(そら)は刻々と色を変え 日の入りとともに光を失うと 空(そら)は暗闇に包まれる 空(くう)は 幻みたいで 焔みたいで 水中の月みたいで 虚空みたいで 響きみたいで 蜃気楼みたいで 夢みたいで 影みたいで 変化みたいで 鏡中の像みたいだという 空(そら)と 空(くう)は 同じようでいて 同じでない 空(そら)は 誰にとっても空(そら)で 広くて 大きい 空(くう)は 何もなく 空(から)で 広さも大きさもない 森のなかには神がいて 私たちは畏れを持って接してきた 石も木も水も神で 丘も山も海も神で 社だって空(から)にして 清らかにしておけば 神がやって来てくれる 自分自身も空(から)にしておけば 神がやって来てくれる やって来た神に しばらくのあいだ いてもらうには 神に幸せでいてもらわなければならず 神に幸せでいてもらうには 自分が幸せでなければならない 自分が幸せでいれば 空(から)は神で満たされて 森のなかの神々にも出会えて 空(くう)は零でなくなり 空(くう)は無でもなくなる もしかしたら君は 神なのかもしれない だって僕は 移ろいゆくなかで こんなにも満たされている

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進歩

進歩が望ましい方向へ進んでいくことだとしたら 私たちがしているのは進歩ではないのかもしれない そんな疑問を持ったとしても 私たちには何も変えられない 病気を治すことができるようになれば それは進歩 脅威から身を守ることができれば それは進歩 エネルギーを使えるようになれば それは進歩 食糧の生産を増やすことができれば それは進歩 そういうことが進歩だと思うしかなくなっていて 新しいことを考えるのは進歩のため 新しいことを見つけるのも進歩のためと 勉強したり働いたりを続けてきた 進歩はいいことだと信じていたら 進歩に加速度がついてしまい もう誰にも 進歩を止めることができない 進歩して私たちの役割が変わって 神を演じるようになったときに いったいどんな神を演じたらいいのか わからずに戸惑っている 越えてはいけない一線を越えた 相変わらず哀れな動物は 神になってはいけないのに神になり 生命を弄ぶことを覚えてしまった 植物の品種を改良し 動物の品種を改良し 微生物の品種を改良し 挙句の果て 遺伝子を組み替え ゲノムを編集する それらはどれもいいこととされ 誰も悪いことだとは言わない このまま行けば 人に手を付けるのも時間の問題だ 父の心臓が止まりかけたとき 病院の先生のすすめに従って ペースメーカーの埋め込み手術の申請書類に署名して おかげで父は長生きした 父の心臓は止まりかけていた それなのに私は神の代理になって 自分がなにをしているのかわからないままに 父の心臓を動かし続けることに同意した 神になるなんてことに加担はしていないと 何度も自分に言い聞かせ 父の穏やかな日々を眺めながら 鈍感な自分に安堵する 時間とともにすべてを忘れ 何か問題が起きれば反省はする でも 進歩はいけないっていう話とは 少し違うと思う 進歩するのは仕方がない 進歩しちゃうんだから そんなことを言いながら 進歩についていけない私たちは なんだかおかしいと思ったりもする 進歩を生み出している私たちが 進歩についていけない それはおかしくはないか 私たちが作り出すものはどんどん複雑化して 間違いの少ないものになっていく それなのに 作り出している私たちはいつまでも変わらず 間違いだらけのまま どうしたらいいのか 誰にも答えはない 私たちは競争の中に投げ込まれたようなもの 何をしても競争相手は世界中にいて 何かで上手くやったとしても すぐに追い付かれ追い越されてしまう 選手が元選手になるのは一瞬のこと 右を見ても左を見ても いるのは元選手ばかり 昔の栄光はどれも素晴らしい 通信技術の発達で 好むと好まざるとにかかわらず 世界中の多様な情報にさらされる でもひとりの人間にとって 意味を持つことの情報の量は限られていて それを超えれば情報の意味はなくなり 単なるノイズになってしまう でもノイズはお構いなしにやってきて 感知の機能は消耗させられ 感知能力は麻痺していって 大切な情報にが来ても反応できなくなる 自分の生きる世界が拡がって 拡がった分だけ自分は不安定になって 店に並ぶ食べものも道具さえも 遥か遠くの国から運ばれて来ていることに 愕然とする 自分を支える世界が拡がった分だけ 自分が生まれ育った場所がかすみ もう故郷という言葉には 何の意味もない なじみのないものはあたりまえで 毎日が新しい遭遇で 会ったことのない人 見たことのない物 知らない技術 信じられない情報 理解できない状況 なじみのないものへの恐れから 人は誰も疲れ果て 気づかずに溺れかけている 誰だって人を好きになる とても深く愛してるって思うこともある … Continue reading

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君を感じながら

人は死ぬ どうして死ななければならないんだ とか どうしても今死ぬわけにはいかない とか 延命できないことが理解できない とか いろいろ言ってみたところで 人は死ぬ 死を受け入れられても 受け入れられなくても 抵抗しても しなくても 治療を受けても 受けられなくても 戦争があっても なくても パンデミックが来ても 来なくても 災害に遭っても 遭わなくても 医者の言うことを聞いても 聞かなくても 人は死ぬ だから いい景色を見ながら 好きな音楽を聴きながら 君を感じながら 死にたい いや いい景色を見ながら 好きな音楽を聴きながら 君を感じながら 残りの時間を 生きたい

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現実のモデル

DNAモデルに細胞モデル 太陽系モデルに原子モデル いつのまにか科学は モデルのデパートになっていた モデルは 時に 本質を捉えるためといって現実から遠く離れ 限りなく単純化されて ひとり歩きする 現実とモデルの類似性を表すだとか わかりやすく簡潔にするのだとか いろいろなことを言いながら 見た目だけがきれいになってゆく 現実はこみ入っているからと見向きもされなくなり いつのまにかモデルだけが 現実になる 人はモデルに慣れすぎて 現実を見ると間違っていると思い 現実が現実だと言う人を モデルに合わないことを言うといって批判する モデルはいつも不正確で 現実からかけ離れているというのに 現実を想像するのに役立つからと もてはやされ使われ続ける 不正確なモデルは 現実を表す象徴となり より正確なモデルは 不正確なものとして疎んじられる 現実のある側面にあらゆる記述を与えることでモデルは現実を超えたのだ なんて言う人も現れて モデルだけに陽が当たり 現実に目を向ける人はもういない 勝ち残ったモデルが 現象の理解を目指すことはない 本質の追求は忘れられ 現実から生まれた影だけが ゆらゆらとあたりを漂う モデルは 抽象的な概念をより具体的に表現しているだとか コンピュータグラフィックスのおかげで別次元に突入したとかいって わけのわからないものになり 現実を知るものは もうどこにもいない モデルは結局はまやかしで モデルが通用する科学は思いのほか少ない モデルばかりを使っていれば本質を忘れ 迷路に迷い込んだ人たちに明日はない そうは言っても 現実を見ようとしても なにも見えてこない まるで はじめから 現実がなかったかのようだ

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風のにおい

春の風のにおいは 春を感じるにおい 気持ちのいい 若葉や花のにおい 生き物が身近に感じられる春に 土の上を歩くのが気持ちいい 春の真ん中で二人で目を閉じて 鮮やかで爽やか 春なのに秋を感じる日に なにも終わらないでと願う 夏の風のにおいは 夏を感じるにおい むわっとした 暑く湿ったにおい 空の高さと深さを感じる夏に 暑い砂の上を裸足で走る 夏の夜に砂浜の上で二人だけになって とても嬉しい 夏なのに冬を感じる日に 風の冷たさが気持ちいい 秋の風のにおいは 秋を感じるにおい 爽やかな土の香りと 枯葉のにおい 木の肌触りがとてもいとしい秋に 落ち葉を踏んで音を楽しむ 枯葉にかくれた穴に落ちた二人は とても運がよくて 秋なのに春を感じる日に 与えられた時が有難い 冬の風のにおいは 冬を感じるにおい 透き通っていて 冷たく乾いたにおい 流れる水がどこまでも清らかな冬に 霜柱を踏んで感触を楽しむ 冬の寒さのなかでからだを寄せ合って とても近くて 冬なのに夏を感じる日に 陽の暖かさが気持ちいい 君がいる四季の風は たくさんの香りを運んでくる たくさんの違ったにおいがする たくさんの君がいる

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あるはずのないもの

山道で気づく水の音 山頂で聞く風の音 そして 沈黙の音 夜道を照らす月の光 夜闇に見るマッチの光 そして ブラックホールの光 終わりのない円の無限 永遠の愛という無限 そして 有限の淵にある無限 聞こえるはずのない音 見えるはずのない光 そして あるはずのない永遠 いるはずのない君 でも いつまでもきれいな君が そこにいる

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飲水思源の美がある 水を飲むときに水源のことを思う美 基本を忘れない美 なんでも想像できるやさしい思いやり 流れる水の源の まだずっと先 インパーフェクトな美がある 完璧でないな美 欠点のある美 傷のある美 傷を見て美しいと思う心 パーフェクトな インパーフェクト インコンプリートな美がある 完成していない美 不十分の美 中途半端な美 完成したら終わってしまうということへの理解 コンプリートな インコンプリート インパーマネントな美がある 永遠でない美 無常の美 永続しない美 いつかは終わってしまうということへの覚悟 パーマネントな インパーマネント インエレガントな美がある 執着のない美 柔らかな考えという美 持たないことの美 不便とか不確実性を受け入れる優雅さ エレガントな インエレガント 無の淵にある美がある かすかな美 繊細な美 見過ごされがちな美 取るに足らないと誤解されても構わない心持ち 無の淵からこぼれ落ちる しずく アグノスティックの美がある 知らないことを知らないと言える美 認めることの美 他人と違うことを怖れない勇気 どんなに知っても 満ちることのない知 美しいものを美しいと言うことができれば 美は近い 君は美しい 君は近い

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記録

心に残った記憶は 物語になり 紙の上に残った記録は 歴史になる 物語には 想像が混じり 歴史には 嘘が混じる 記憶のなかで 存在していなかった化学兵器が 記録のなかでは 存在していたことになる 物語のなかの収容所の景色は どこまでも透き通っているのに 歴史のなかの収容所の景色は ただただ冷たい 記憶のなかで みんなに慕われていた人が 記録のなかでは 嫌われていた人になる 記憶はあやふやで 記録は間違いだらけ 物語は脚色され 歴史は書かれる 誰もほんとうのことを知らない どこにもほんとうのことはない

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雨の滴

雪の結晶が 天からの手紙 なら 雨の滴は 天からの語らい 雪の結晶が 地の装い なら 雨の滴は 地の沐浴 雪の結晶が 木々の宝石 なら 雨の滴は 木々のささやき 雪の結晶が 君の夢 なら 雨の滴は 君の涙 じゃなくて 君の愛

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記憶

初めて会ったのは いつのことだろう もうずいぶん前のことのようだし つい昨日のことのようでもあるし その時に 初めて会った時に 君に心を揺り動かされたのは 記憶の奥底に眠っていた懐かしい感情が 目覚めたからに違いない 心が静かになった時に 記憶の奥底に分け入ってみたら そこには君に似た人が いや 君がいて 僕に向かって微笑んだ 僕の記憶の奥底に なぜ君がいたのか なぜ いたのか 時間が経って 僕が消えた後で 君も消えた後で 僕のような人が 君のような人を見て 記憶の奥底に眠っていた懐かしい感情が目覚め 心を揺り動かされたら その時 僕のような人は 君のような人に なにをするのだろう 僕が君にしたようなことを するのだろうか それとも 懐かしさに負けて なにもせずにいるのだろうか 君の記憶の奥底にも 僕がいるのだろうか それとも いないのか

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初恋

初恋って、いいものじゃないの? つらいとかじゃなくて、病気とか傷とかじゃなくて、もっと暖かくて、もっと大きくて、ずっといいものだと思うけど。 いいもの? そう、いいもの。初恋って、不思議なのよね。相手はどこにいても、どんなときにも浮かんでくる。林檎の皮をむいているとき、お湯が沸くのを待っているとき、停留所でバスを待っているとき、お茶を飲んでいるとき。そんなときに、ふって浮かんでくる。 そして消える。 ううん、消えない。お茶を飲んでいるときに浮かんで来たら、お茶を前にゆっくりと目を閉じるの。すると、瞼の裏に涙を感じて、あの人の顔がぼやけてきて、ああ幸せだなあって。 顔がぼやけてきて、幸せ? ええ、そう。 初恋っていうと、不安しか思い出せないのだけれど。初恋のとき、不安ってなかったの? 不安? うん。 この幸せがなくなったらどうしようって、そういうの? そう、そういう不安。 そうね、あの人がいなくなったらって、私を残して行ってしまったらって、そういう不安はあったかも。 ねえ、それって、つらくなかった? あの頃は、恋がいつかは終わるものだって、そんなことも知らなかったから。恋はいつまでも続くものだって思っていたから、不安はそんなには大きくならなかった。あなたは? 不安? 大きかったよ。もっとも僕の初恋ってぜんぶ僕の妄想かもしれなくて。だからそこに恋があったかどうかは定かではないんだけれど、でもなくなるのはとっても不安だったんだ。はじめからないものが、なくなるというのも変な話だけどね。でも、いつも不安だった。 ふーん。幸せっていう感じはなかったの? 不安ばかりだったかな。なくなるかもっていう不安。そしてなくしてからのつらさ。いずれにしても、幸せからはほど遠い感じがする。 そうなの? 私はね、うーん、不安とかつらさとかがあったとしても、それを含めての幸せだったから。それも含めて初恋っていいなって思ってたから。

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過去 未来 現在

過去を思い出しても 懐かしさは何もない あの時ああすればよかったと考えても 何も変わらない あると思っていた可能性は ひとつひとつ消えていったし 思い描いていた生活が 手に入ることはなかった 未来を思ったとしても 希望は湧いてこない これからのことを考えたとしても その通りにはならない 誰かを見てそうなりたいと思っても その人になれるわけもなく 自分を変えようと思っても 自分は変わらない 現在を思っても考えても 何にもなりはしない 現在に住む 現在に生きる ただそれだけを繰り返す 後ろを振り返らず すべての痕跡を消し 前を見ることなく 無益な願望は持たない  ** そんなことを書いた人がいて そんなことを読んでいる僕がいて その人にはその人の現在があって 僕には僕の現在がある 現実を見るのが下手だから ありえないことを夢に見る 住みたい家を描いては そこで暮らす君を思う 旅程を紙切れに書きつけて 旅する君に憧れる 過去も未来も現在も ありえない夢にはかなわない 僕はこりずに夢を見て 何もしないで生きている 時を無駄にして生きている 君は静かに微笑んで 今を上手に生きている 毎日を豊かに生きている 失敗ばかりの過去の先には 失敗ばかりの未来があって 笑ってしまうような現在だけど 君の隣で笑ってみる 君の隣でわらってしまう

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そこにいるから

窓辺に座り 暗い木々の上に降る雨を見ながら 熱いコーヒーに砂糖を入れて飲む 立ち上がり窓を開け 暖房で火照った顔に 心地よい風を感じる 壁にもたれて座り アルヴォ・ペルトの子守唄を 目を閉じて聴く 本棚の前に立ち まだ読んでいない本を見つけ 手に取って読み始める 君は手を休めず働いている 僕は椅子で うとうとする 本が手からこぼれ落ちる 狭い部屋のなかに 静かな時間が 流れる DNAのせいで幸せなのではなく 起きたことのせいで幸せなのでもなく 考え方のせいで幸せなのでもない ただ君がいるから 君がそこにいるから この静かな時間がある

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新しい社会の仕組み

中国では QRコード決済システムの健康コードを使って すべての人の接触履歴が簡単に掌握されてしまった QRコード決済システムのビッグデータと 移動や健康に関する行政のビッグデータが組み合わされ スマートフォンに緑黄赤のいずれかの色が表示される 緑が表示されれば安全な人物 黄なら要注意人物として7日間の隔離 赤ならば濃厚接触者として14日間の隔離 という仕組みがあっという間に導入されたのだ 自分で確認できるだけでなく 検問所でも健康コードがチェックされている 行動の自由や移動の自由は保障されているものの 個人の行動や移動はすべてシステムから見えてしまう スマートフォンを持たなければいいというものの 持たなければ買い物もできず社会生活が営めない 行動や移動がすべてわかってしまう社会 それは驚くべきことではないか テクノロジーの利用には目を見張るものがあって 個人の情報やプライバシーのことは問題にならず オンラインでの買物が生活インフラの一部となり オンラインとオフラインの融合が現実になってしまった 新型コロナウイルスのことがあって 人間が長いあいだかかって獲得してきたはずの 移動の自由とか 人に会うことの自由とかが あっという間に取り上げられ 自由とか民主主義とか人権とかが 一瞬にして意味を失ってしまった 残念とか悲しいとか言ってもなにも始まらない 新しい状況のなかでも大事なことには声を上げ いい景色のなかで君の横顔を見る 社会がどんなに変わっても 君はきっと微笑んでいる そう信じている

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考えないということ

ソ連が崩壊した時にロシア人の同僚は 壁に飾ってあったレーニンの像を外し 代わりにイエスキリストの像を飾った フランス革命の時に人々は王政を倒し カトリック教会の権威を否定したけれど 作り出したのはなんと理性の祭壇だった 自由が責任と組み合わされて規範になった後に じゃあ自由は人間の譲れない原則かと聞いても まともに答えられるる人はどこにもいない 人権が普遍的だって言っていた人たちは その根拠を問われると答えに窮して 自然権などといってごまかそうとした 真理として機能している自由や人権が 真理かどうか問われることはなく 自明の理としてみんなが受け入れる 民主主義とか人道主義と言ってみても 受け入れる人がひとりもいなければ ただの理想論でしかなくなってしまう AIの限界を知る人がいなかったことで 論理のすべてが失われることになり 多くの生物の命が救われることになった AIが神に取って代わろうとする時に 人間が作り上げたシステムは緑に覆われ 高層ビルや鉄道網は砂のなかに埋まる 鳥は飛び 魚は泳ぎ 獣は走る ウイルスや細菌やカビが悪者でなくなり 空も海も陸もそして君も 明るく輝いている 誰も余計なことを考えなくなったら 地球の寿命は少しだけ延びた そんなまぼろしがぼんやり見える

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並べ替え

字が並んでいたら はじめの一字を読み 次に二字目を読み そして三字目を読む 道可道非常道と並んでいたら 道 可 道 非 常 道 というふうに読めばいい それなのに 道 可 道 非 常 道 を 道 道 可 常 道 非 という順番に並べ替え 道の道とす可きは常の道に非ず と読むなんて 簡単なものを難しくしているだけのこと Life is a tragedy when seen in closeup, but a comedy in long-shot. を Life closeup in seen when a tragedy is but in long-shot a comedy . と並べ替え 人生はクロースアップで見ると悲劇だが、ロングショットで見ると喜劇だ。と読むのは 簡単なものを難しくしていて まさに喜劇であり 悲劇だ ただの言葉を学問にするから わからなくなる だれでも話している言葉を 並び替え こねくり回しているうちに なにがなんだかわからなくなってしまうのだ 道可道非常道と読めばいい Life is a tragedy when seen in closeup, but a comedy in long-shot. と読めばいい そして 君を見るときに 君を見るときに 並べ替えたりしてしまうと ほんとうの君が 見えなくなってしまう 君は君のまま 見ればいい 君らしい君を 見ればいい

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根は地中に広がり 植物を土に固定し 地上の部分を支え 水や養分を吸収する どんなものにも根があって どこかに行ってしまうものを固定し 目に見えている部分を陰から支え 成長の基になるものを吸収する 文化の地下の根は あらゆるところに広がり 消えるものを繋ぎ留め 花開くのを陰から支える 文化の地下の根は 人の心のなかにも広がり ばらばらになるのを防ぎ 言葉や歴史を吸収する 文化の地下の根は 見ることも触ることもできないが 心を澄ませて触れてみれば 形をなぞることができる この街の根も あの街の根も 同じ文化の地下の根に繋がっていて 同じ言葉と同じ歴史が 街を文化の色に染める 文化特有の色の嗜好や 生活習慣や考え方が 私のなかにも根づき 私を私の文化でいっぱいにする 文化は見ることができず 触ることもできないけれど 街を満たし 人々を満たす 根を絶やしてはいけない 根を育てなければならない そして そう 君を支える根を 忘れないでほしい 君を支える根は ずっとここにいるから

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77年間

1483年(文明15年)から1560年(永禄3年)までの77年間 東山殿の造営から桶狭間の戦いまで 足利義政から織田信長まで 敷きつめられた畳、障子、床の間など、 現在に至る和のすべてがこの時に始まった 1560年(永禄3年)から1637年(寛永14年)までの77年間 桶狭間の戦いから島原の乱まで 織田信長から徳川家光まで 情報戦、神仏を恐れない振舞い、安土城の築城、楽市楽座令など、近代が始まった 1637年(寛永14年)から1714年(正徳4年)までの77年間 島原の乱から江島生島事件まで 徳川家光から徳川家継まで キリスト教の弾圧、鎖国体制の確立、参勤交代など、江戸幕府の体制が確立された 1714年(正徳4年)から1791年(寛政3年)までの77年間 江島生島事件から寛政の改革まで 徳川家継から松平定信まで 家継の死で吉宗が将軍になり、増税、新田開発、目安箱など、江戸幕府が再興された 1791年(寛政3年)から1868年(慶応4年)までの77年間 寛政の改革から明治維新まで 松平定信から明治天皇まで 緊縮財政、学問・風俗の取り締まり、備荒政策など、江戸幕府の終わりが始まった 1868年(明治元年)から1945年(昭和20年)までの77年間 明治維新から大東亜戦争終結まで 明治天皇から昭和天皇まで 強引な近代化を行い、軍事大国になっていったが、敗戦ですべてが水泡に帰した 1945年(昭和20年)から2022年(令和4年)までの77年間 大東亜戦争終結から今日まで 昭和天皇から今上天皇まで 敗戦から立ち上がり、経済大国になったが、その後、ゆっくりと衰退していった

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恋愛

*-- 「親しみ」という言葉で表されるのは異性の仲の良い友達  友達ではなくても精神的な繋がりが強い -*- 「ときめき」という言葉で表されるのは恋人  恋人ではなくても肉体的な繋がりが強い --* 「ちぎり」という言葉で表されるのは結婚の相手  結婚はしてなくても誓い合った繋がりが強い ✕✕✕ 林檎 無実(むなしさ) 「親しみ」と「ときめき」と「ちぎり」のどれもがないと  片想いの初恋だったり 終わりかけた恋への不実だったりで  どうにも こうにも つらい 〇✕✕ 檸檬 純心(とまどい) 「親しみ」だけがあって「ときめき」も「ちぎり」もないと  仲良くて 純真で 近くて 親密で 身近で 親しくて 気やすくて  なにか どこか せつない ✕〇✕ 木苺 情熱(ときめき) 「ときめき」だけがあって「親しみ」も「ちぎり」もないと  ときめいていて どきどきして 期待して 思って 狂おしくて  喜びと不安が 入り混じる ✕✕〇 柘榴 不信(やくそく) 「ちぎり」だけがあって「親しみ」も「ときめき」もないと  誓い合っていて 信頼していて 約束があって 心配がないけれど  なにか もの足りない ✕〇〇 葡萄 熱愛(それだけ) 「ときめき」と「ちぎり」があって「親しみ」だけがないと  望まない愛に魅せられ抱き合って ふたりで見ている短い夢は  もう帰れない悲しみのよう 〇✕〇 蜜柑 慈愛(やさしさ) 「親しみ」と「ちぎり」があって「ときめき」だけがないと  穏やかな愛がいいと言いながら 激しい気持ちは内に抑えて  静かな愛を貫こうとする 〇〇✕ 苺  純愛(ゆめかも) 「親しみ」と「ときめき」があって「ちぎり」だけがないと  いつまでも子どもみたいじゃダメだと涙ぐみながら  純愛の奇跡に感謝する 〇〇〇 桃  流転(そのあと) 「親しみ」と「ときめき」と「ちぎり」が全部揃っていると  変わらぬ愛を願っても 昨日の水は もう遠く川下に流れゆき  永遠はないと知る 君はこれらのうちのどれだろうと考えてみたら ぜんぶだって気がついた ぜんぶって万華鏡みたいで いいね

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外来種

人間の健康を守ることは 自然の環境を守ることと 多くの場合 相反する 人間の健康のためにゴミを人から遠ざければ 自然は少なからず汚染される 人間のため 健康のためというのは 自然のため 環境のためというのと 違う 人がいると生態系は崩れる でも人がいなくても生態系は変わり続ける 外来種が外国からやってくるというが なにが外来種かは人間が決める 外来種という名前からして変で 生き物は自分を外来種とは思っていない 動物が外国からやってくると 外来種といって問題にされるのに 野菜や果物がやって来ても 誰も問題にしない 生物の世界には 人間が引いた国境の線はない 外来種などどこにもいない 生存競争はどこにでもあって バランスが崩れるのは 特別なことではない 人間が外来種の動物を捕獲して駆除する 自然のためとか環境のためとかいうけれど 自分たちが嫌いな種を殺戮しているだけ 人間はいつでも 自分たちのためだけを思う 人間の言うことは いつもおかしい

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人権

1948年12月10日の第3回国際連合総会で Universal Declaration of Human Rights (世界人権宣言) が採択された 「Universal」は「世界」と訳されているが 「普遍的」と訳したほうが 人権宣言の持つ意味が正確に伝わるように思う この宣言が人類にとって普遍的だというのだ 人権という言葉は フランス革命の頃からよく使われてきてはいたが 頻繁に使われるようになったのは 第二次世界大戦後のこと それも国連での宣言の採択以降のことと言っていいだろう 第二次世界大戦後の人権の台頭は 戦争直前のキリスト教会での「人間の尊厳の擁護」の議論に始まる カトリック教会とプロテスタントサークルは キリスト教の信仰にとって最後の黄金時代となりうる議論に熱中した そして人間の尊厳がキリスト教の政治的言説の中心になっていった 戦時中にローマ法王は 世界の原則としての普遍的人権の基本的な考え方が発表し 第二次世界大戦後の西欧の政府やキリスト教民主党の勢力は 信心深い信仰の公の表現に真剣に向き合って 人権は 冷戦の初期に 西側にとっての強力な武器となっていった キリスト教の流れをくむ政党が統治する戦後の民主主義のなかでは 人権は最大限に利用され 個人に道徳的制約を課す役割も負った イスラム教徒の移民はキリスト教の人権という考えに同化させられ 人権はじわじわと世界中の普遍的な価値へと変貌していった 日本では人権は独自の発展をとげ 部落解放をはじめとした役割を果たしてきたが グローバル化が進むなかで 世界中の人権が日本になだれ込み いつのまにか人権が普通に話されるようになった 人権は日本には馴染まないなどと言っていた人たちも 海外の人と同じように人権を口にする いいか悪いかは別として 日本だけが特別だという時代は終わった これからは世界のみんなと同じ人権が 日本の隅々にまで入り込む でも 権利を主張するのが不得意な私たちには 少しばかりの思いやりとか気遣いのほうが似合っている 自分のことを考えるよりも 他人のことを考えたほうがいい 外から来た人権に頼るよりも もとからある情を大切にして おもんばかって暮らした方が 私たちには似合っている もっとも やられたらやり返すという気質とか 武士という殺人集団の思考とかが 私たちの核なのだとしたら 人権など必要ないけれど

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統計データ

統計データのなかには    Not Available (利用できない) と    Not Applicable (該当なし) がある    Not Available (利用できない) は例えば    まだデータが届いていないとかで手に入らない なんていう感じで    Not Applicable (該当なし) は例えば    日本から日本への輸出 のようにあるわけがないという感じだ その他にも    Less than half of the unit (単位の半分未満) と    Absolute zero (ゼロ) がある    Less than half of the unit (単位の半分未満) は例えば    単位が「1」で実際のデータが「0.1」 だと 表の上では「0」ということになってしまうのだけれど その「0」は なにもない「0」とはちがうので わざわざ    Less than half of the unit (単位の半分未満) なんていう表記をする それに対し 本当の「0」 つまりなにもない「0」は    Absolute zero (ゼロ) と表記する データが揃って 統計表を印刷するときには    Null (無) と    Space (空) の違いに悩まされる    Null (無) は    なにもない そして    Space (空) は    スペースがある ということなので明らかに違うのだが わかったつもりでいてもたまに間違える Null と Space の違いは 無と空の違いに似ている 無は    Nothing 空は    Empty 老子とか道元とかが 統計表のなかに顔を出す なかなか興味深い

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民主主義

今から2500年くらい前に古代ギリシャの哲学者プラトンが  普通の人は国家という船をどうやって操縦したらいいのか知らない  だから多数決による民主主義は成り立たない というようなことを書き残した 驚いたことに 書いてあることの殆どが 今になっても何も変わらずに続いている 他の何もかもが大きく変わったというのに 人も仕組みも変わらないのだ 普通の人は誰も 戦略とか経済とか軍事とか法律とか倫理とか外国のことに つまりは わかりにくい複雑な問題に 精通してはいない そういった知識を得たいとも思っていない 努力とか自制とかいったものにも興味を示すこともない 無知のせいで 外見や弁舌で騙すような政治家を選び なにが起きているかもわからないままに 見えないトリックに騙され続ける 注意深い分析もせずに不合理な感情に揺り動かされ 言葉だけの冒険的な方向に突き進み 抜け出せない泥沼に足を踏み入れる 誰もがが異常に忙しく 考える時間すら持つことができない 情報は溢れ どの情報が信頼できるものなのかも定かでない いい加減なことを信じ もっともらしく見える単純さを選ぶ すべての変化が正しく見えて 変わらないことは軽く扱われ 隣国とわかり合い仲良くするよりは 仲違いするほうを選び あらゆる判断が危ういものになっても 誰にも変えられない それでいいのかと自問しても いい方法ななにもない 民主主義がそんなに素晴らしいのかと言っても 民主主義に代わるものはなんなのかと言われる 代わるものがなければ 変えることもできない 自由 平和 愛 人権 人道 博愛 そんな言葉に惑わされて 隠れたものを見ないでいると いつのまにか暗闇に突き落とされる 権力の周りに群がっている人たちは 自分たちにカネがまわるようにと ありとあらゆる手段を尽くす 自分たちの策略がうまくいかずに 他の人たちにカネがまわりだすと その人たちを陥れ 賄賂に使った以上のものを必ず手に入れる 複雑な問題に精通する人たちは 邪魔だと言って遠ざけられ 長期的な目を持っている人たちは 危険なので口を封じられる やがてひとつの時代が終わり 新しい時代には新しい人が現れて 新しい仕組みと新しい言葉が 人々に希望を抱かせる でも 人のやることは なにからなにまで繰り返し ペテン師はいつになってもペテン師で 人の好い人たちはいつも割を食う みんなの意見が反映されるとされる社会と みんなの意見が反映されないと批判される社会とで いったい何が違うのか 何も違わないじゃないか 違いを生むのはそこにいる人 人ひとりひとりが違いを生む 制度もなにも関係ない 大事なのは人なのだ 王様は 人々が王様だと敬うから王様で 偉い人も 人々が偉い人と思うから偉いわけで もし人々が敬わず 人々が偉い人だと思わなければ 王様も偉い人もただの人でしかない 民主主義も人々がいいと思うからいいのであって いいと思わなければ なんの価値もない 大事なのは仕組みではなくて 人が大事なのだ

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観測

約30億年前に 太陽の30倍と19倍の質量をもつ2つのブラックホールが 衝突したという 衝撃は大きく巨大なエネルギーが放出されたが 約30億年後に地球に到達した重力波は かろうじて知覚できるほどの弱さにまで減衰していた 何千人もの科学者が 観測し 討論し 論文を書いて その物語が正しいことを証明する でもだからといって そんなことを素直に信じるわけにはいかない 科学の作った物語は 宗教が作ってきた物語に似て 信じることがその基本にある 科学者は科学と宗教の違いを口にする 科学は道徳的な判断も美学的な判断もしない 知識の使い方を示さないし 超自然的な説明もしない だから科学は正しいのだと でも 科学の信奉者が科学が正しいと言うのと 宗教の信奉者が宗教が正しいと言うのとで なにが違うというのか 想像もできないような昔に 想像もできないようなことが起きて 想像もできないような長い時間のあと 想像もできないような小さなエネルギーが観測される そんな物語を素直に信じている人たちのことを にわかには信じられない

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うつつと夢 夢とうつつ うつつの夢 ゆめうつつ うつつと夢の境目は はっきりしていれば 迷うこともないけれど あいまいになると 本当かどうか不確かになり うつつが夢と思えてきたり 夢がうつつを飲み込んでしまったり すべての存在が うつつか夢かわからなくなる あるものはないように思え ないものがあるように思える でもいずれにしても すべてがいつかはなくなる なくなるものは 初めから なかったのかもしれないと そう思って君を見たら 君が目の前から消えた 君はうつつ 君は夢 でも 君はいる 確かにそこにいる

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忘れる

忘れたいことは 忘れられず 忘れたくないことは 忘れてしまう 思い出さないようにしても よみがえってくるし 思い出そうとしても なにも浮かんでこない 忘れたと思っていても 夢のなかで見て 覚えていると思っていても 記憶はどこにもない 君は 僕のしたことを 忘れようとしない 忘れてしまえば 穏やかな日が来るのに 君はまるで 忘れたくないのかのように いやな記憶の 上塗りをする なぜそんなことをしたのか なぜあんなことが起きたのか なぜ なぜ なぜ どうして どうして どうして でも いや でも 忘れたいことは 忘れてしまおう 忘れたくないことも 忘れてしまおう そして一緒に海を見に行こう 潮風に吹かれて歩こう もう見た海はすべて忘れて まだ見ぬ海に出かけよう

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恨という感情は なかなか理解できない そもそも感情を 感じることなしに 言葉で理解しようというのが 間違っているのだろう だいたい憎むとか恨むなどという感情は ネガティブなだけでなく個人的なもので 言葉にすると どの説明も間違っているように思えてしまう ましてや違う文化の人の感情って わからないのがあたりまえではないか 憎むと攻撃する 恨むと呪う 憎むって嫌い 恨むって許さない 憎むというのは争いからくる 恨むというのはずっと心に留めてという感じ わかったような わからないような 恨は他人に向かうのではなく 自分に向かい 望んでいるようにならないので 心に積もってゆく そんなことを言われても わかるわけはない 恨という感情を理解しようと思ったけれど それを理解することなく 感じることもなく 生きていけたらと思う そう 恨とはずっと無縁でいたい

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負ける

戦争に負ける 戦闘に負ける 競争に負ける 喧嘩に負ける 勝負に負ける 賭けに負ける 試合に負ける 圧力に負ける 脅迫に負ける 情熱に負ける 権威に負ける 裁判に負ける 人情に負ける 自分に負ける 感情に負ける 弱さに負ける 誘惑に負ける 恐怖に負ける 不安に負ける 弱点に負ける 好奇心に負ける 困難に負ける 病気に負ける 生活に負ける 才能に負ける 貧困に負ける 他人に負ける 坊主に負ける 酒に負ける 色に負ける 陰謀に負ける 気持に負ける 執拗さに負ける 誰にも負ける わざと負ける 必ず負ける きっと負ける なんにでも負ける 誰にだって負ける トーナメントの決勝で負けた人は決勝の負けを忘れない 準決勝で負けた人は準決勝の負けを忘れない 準々決勝で負けた人は準々決勝の負けを忘れない 決勝で勝った人以外はみんな負ける 決勝で勝った人も もしかしたら次は負けるかもしれない その次は たぶん負ける その次は きっと負ける 勝ち続けても いつかは負ける 競争は勝者と敗者が生む 生存競争は敗者の存在を認めない 敗者は殺され食べられてしまう 戦国時代の覇者は少なく 見渡せば敗者ばかり 資本主義も敗者を生み 勝者は少なく 敗者は驚くほど多い 勝者が敗者を思いやることはなく 敗者が勝者を称えることもない 人は死ぬ 死ぬのは一度だけ 人は死ぬまで生きる 死ぬまで負け続ける

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原因と結果

どんなことにも原因がある 原因があれば結果がある 自分に起きたことの原因は もちろん自分にある 人のせいにはできない 幸せの原因も不幸せの原因も 自分の考え方にある 自分の考え方が 自分の人生を素晴らしいものにしたり 自分の人生を破壊したりする でも あまり自分自分と言っていると 何も動かない 自分が自分以上になれるわけはないから 自分は自分でいたほうがいい なにものかになれるなんていう幻想は はやく捨てたほうがいい 他の人のことを考えて 自分を忘れるのがいい たいしたことのない自分のことは忘れ すべてを大きな流れに任せてみる その結果は人のせいではない 大きな流れのせいでもない 自分のせいでもない 誰のせいでもない 自分はそんなに大したものではない

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流れる水の音

私たちは 水がなければ生きてはいけない 水は 私たちの暮しに欠かせない でも 目に見える水だけが水ではない 雲になって空に浮かび 雪になって山を白く飾り 木に覆われた山の地下深くを流れ 崖の下から湧き出てくる水 その水が ここを流れていたはずなのに 水の流れは どこに行ったのか 水の音は まるで人の声のように 耳元で私に 待てと囁きかけた 何を 私は待てばいいのか 水の流れが戻るのを 待てばいいのか 流れは戻ってくるのか アスファルトの下に 流れていた水が戻ろうとしている 音が聞こえる 戻ろうとしている水の音が コンクリートをすり抜けて 消えていた水が帰ってこようとしている 音が聞こえる 帰ろうとしている水の音が

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民族

近代になってから民族は国家に取り込まれ 人々は国家の枠組みにはめ込まれていった 国家は国歌や国旗や物語や法律を作り 人々に忠誠心を求めた 戦争で敵の正義を信じるものはなく スポーツで敵を応援しようとする人はいない 連帯の感情で出来上がった国民は かきたてられた愛国心を疑ったりしない 連帯にはなんの根拠もなく 愛国心も郷土愛の延長にはない どの枠組みからもこぼれ落ちた人たちは 民族にも国家にも属することができず 流浪する民を演ずるしかなかったが 流浪の果ての無国籍の不自由は 時間と共に消えてゆき 気づけば自由人になっていた 国家にはめ込まれた人たちは 心から自由人を憐れんで 自由人の自由に気づくことはなかった

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面倒な遺伝子

こちらの人々のほうがあちらの人々より走るのが速いと言うのは差別だろうか 短距離走の優勝者は国籍はともかく祖先を辿れば西アフリカの出身だ そう言ったら僕は人種種別主義者ということになってしまうのだろうか こちらの人々のほうがあちらの人々より高地に慣れていると言うのは差別だろうか 高地ではチベットの人やアンデスの人のほうが断然有利じゃないか そういう僕は間違っているのだろうか こちらの人々のほうがあちらの人々より知能指数が高いと言うのは差別だろうか 知能検査が万能なわけではなくひとつの目安でしかないのだから 高かろうが低かろうが構わないじゃないか こちらの人々のほうがあちらの人々より金持ちだと言うのは差別だろうか 貧富の差が生まれた原因には差別もあるけれど 金持ちだというのは事実だから 言ったっていいんじゃないか こちらの人々のほうがあちらの人々より社会的に成功していると言うのは差別だろうか 社会的な成功は生まれや育ちに影響されるのかもしれないけれど あくまで個人の違いだと言わなければならないのだろうか こちらの人々のほうがあちらの人々より学歴が高いと言うのは差別だろうか 地域で学歴が違ってくるのは たくさんの地域格差のせいだ 事実を言うのが悪いとは思わないけれど 差別があるのは認めなければならない こちらの人々のほうがあちらの人々より道徳的に優れていると言うのは差別だろうか こちらの道徳で優れていてもあちらの道徳では劣っているかもしれないのだから 道徳的に優れているなんて言う人のことは無視していればいい こちらの人々のほうがあちらの人々より美しいと言うのは差別だろうか こちらでは美しくてもあちらでは美しくないというのはよくあることで 美しいというのは主観だから美しくないと言われても気にしなければいい こちらの人々のほうがあちらの人々より優れていると言うのは差別だろうか 誰かは優れているから他の人たちを支配する権利を持っているなんて そんな考えは絶対に間違いだと思いたい ポリティカル・コレクトネスばかり気にして 言いたいことを言わなかったり 心にもないことを言ってしまったりしたら とても残念だ 本質は言葉とは他のところにある 言葉を変えたからといって本質は変わらない 人は平等に生まれてこない  同じ遺伝子を持ってうまれてはこない 人は平等に育ってこない  恵まれた環境とそうでない環境とがある 人は平等に扱われない  差別や偏見はいつになってもなくならない でも人が平等に扱われる社会がくると信じたい 人は平等だと信じたい

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死なない

学者や役人やジャーナリストは 正確な資料や統計をもとに発言しているという だから正しいと だから耳を傾けろと でも私の唇は そんな専門家による議論はほとんど当てにならないと その通りにしていたらろくなことはないと そうささやく だから 自分の実感を信じ 自分の判断を信じ 自分の行動は自分で決める そして 自分で決めたことは自分で責任を持つ もしそれでシベリアに送られてしまったら 塀のなかに閉じ込められてしまったら そこでの生活を楽しみ 死なない 少なくとも心は死なせない

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からだ

情とか心とかは 頭の中だけでなく 腹にも胸にも指先にも存在し それぞれ勝手なことをする 頭に来て 頭が真っ白になり 頭が切れ 頭に入れ 頭を痛め 頭を悩ませ 頭を抱え 頭を冷やす 胸にこたえ 胸を痛め 胸に響き 胸に穴が空き 胸を衝き 胸に刻み 胸に浮かび 胸に納める 腹にこたえ 腹が立ち 腹ができ 腹が居て 腹が据わり 腹が癒え 腹を抱えて笑い 腹が決まる 指を指し 指を噛み 指を折り 指を弾き 指がふるえ 指を出し 指を立て 指をあて 指で示す 背を追い 背を向け 背にして 背伸びして 背が見えず 背に眼はなく 背に腹はかえられない 尻に火が付き 尻に帆を掛け 尻を落ち着け 尻を拭い 尻が重く 尻が軽く 尻を叩き 尻に敷く 手が離せず 手が出て 手を切り 手が空き 手が焼け 手が塞がり 手が出ず 手が後ろに回る 足を引っ張り 足を運び 足を延ばし 足を棒にし 足を掬い 足を洗い 足を向けて寝られない 口を開き 口を封じられ 口を挟み 口を慎み 口を出し 口を閉ざし 口を滑らす 口を結ぶ 耳にし 耳を塞ぎ 耳を澄まし 耳に挟み 耳に残り 耳に障り 耳に入れ 耳を疑い 耳を傾ける 唇を噛み 唇を尖らせ 唇を押さえ 唇を翻し 唇を封じ 唇を寄せ 唇を噛み 唇を噛みしめる 首を傾げ 首を横に振り 首を賭け 首を縦に振り 首を刎ね 首が据わり 首が飛び 首になる 情や心も負けじとばかり それぞれ勝手なことをする 情に触れて 情を知り 情が湧き 情を増し 情を通じ 情に燃え 情にすがって 情に打たれる … Continue reading

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人が作った川

遠い昔にひとりの男が大きな荷物を担いでやってきて 崖線の下の水が湧き出ているところをねぐらにした ねぐらからそう遠くないところには川が流れていて 川を泳ぐ魚や川辺の草むらにいる動物を獲ったり 木の実や草を採っての暮らしは 快適なものだった 洪水があるたびに川は流れを変え 男も度々ねぐらを変えた しばらくするとねぐらは増えて ある者は畑を作り ある者は田んぼを作り 道具を作るものや 物売りまでもが住み着いた 神社ができ 役所ができ 集会所ができ 川に沿って花の咲く木を植えるものまであらわれた 水は大切にされていて 川はみんなのものだった 不思議な時代がやってきて 水道が完備し 電線が張り巡らされ 水は蛇口から流れ あかりが家々に灯された 川は変わらず流れていたが 人との距離は遠くなり 水は有難いものから管理するものへと変わった とはいっても利益を得るために管理したのではなく 人に害を及ぼさないように管理したのだ 岸はコンクリートで固められ 時に川は地下に埋められた 川は汚染し臭うようになり 誰も川に近づかなくなった 公害をなくそうと立ち上がった人たちがいて 自然を取り戻すのだと頑張って コンクリートの岸は岩のような見かけになり 自然の川よりずっと川らしく見えるようになった 自然のように見えても自然ではなく 川のように見えても川でない 洪水はこないし 川は流れを変えない 崖線の斜面だけに木々の緑が残り 崖線の上も下も住宅で埋まる 男のねぐらはもうどこにもない 湧水が作られ 水の流れが作られ 鯉が放たれ 遊歩道が作られ 階段を降りれば水に近づけ 木は伐られ 若い木が植えられた 計画通りに作られた水の流れは 自然の川と呼ばれ 運ばれてきた花が咲き 写真を撮りに人が来る 人は人らしく川に関わればいいものを 川を管理しようなんて大それたことを考えて 川を自然に戻すと言いながら 自然から遠ざけ 川を人に近づけると言いながら 人から遠ざけた 洪水の起きない川は 流れを変えることがなく 100年経っても流れを変えない川は もう川とは呼べない 人が作った川は 人が作った四季を纏い 安全なだけの つまらない場所になる それはまるで水道水の流れる川で 濁ることも汚れることもない 川が昔のようになることは もうない

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ユーカリ

オーストラリアの森林火災は予想される範囲を超えて 大きく広がった すべての山火事が鎮火したというタイミングでドライブに出かけ 両脇のまる焦げになったユーカリの木々を見た いつまでも黒い木々が続く景色は異様だった 交通標識が溶けてしまうようななかで 真っ黒に焼けているのに目にも鮮やかな緑の芽を出しているユーカリ なんという生命力だろうと感動した ただ調べてみると感動するようなことではない 山火事が大きくなった原因のほとんどがユーカリなのだ ユーカリの葉はテルペンを放出するのだがテルペンは引火性なので 何かの原因で発火したら燃え広がって大きな山火事になる ユーカリの樹皮は燃えやすく火がつくと幹から剥がれ落ちるのだが 幹の内側は燃えずに守られる ユーカリの根は栄養をたくわえていて 火事の後も成長し続けることができ 新しい芽を出す 美しい花をつけ かぐわしい香りを放ち 鳥や動物を惹きつけ続けてきたユーカリが 長年にわたって邪魔に思ってきた下草や低木を焼き尽くし 焼畑農業のように土壌を良くする そんなことを何百年何千年何万年も繰り返してきたユーカリ まさに恐るべしだ 自分たちが快適に生きるためならなんでもやるっていうことを 人がやって来る前からずっと長いあいだ続けてきたのだと思うと ユーカリに対してなんともいえない気分になった

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日本にあったもの

古のむかしから影響を与えてきた 中国文明と 近代になって影響を与えはじめた 欧州文明のはざまで 私たちは元々あった大事なものを いつのまにかなくしてしまった あらゆる生き物を思いやる心とか ちょっとしたことへの気遣いとか そんな諸々を忘れてしまったのだ 所作とか言葉遣いとか 身だしなみ 調和を乱さないための 慎みぶかさ もてなすときの こころの有りよう もてなされるときの 感謝の気持ち 自然の微かな動きを 見逃さない目 季節の変化を 美しいと思える感性 季節に合った言葉を 選びとる感覚 月を見上げる習慣や 暦を貴ぶ知恵 言葉に心を込め 思いを込める能力 そんな諸々を 古くさいものと思い 見向きもしない人たちは 中国文明の真似に 時間をついやし 欧州文明の吸収を 学ぶことと思い 無駄なエネルギーを使ってきた 見向きをしないだけでなく 避けたり嫌ったりする人も多く 日本的なものは もうどこにもない あるのは ビジネスのための日本と 日本ではない日本ばかり 季節のない都会にいるのは パスポートが日本国なだけの日本人と カタカナばかりの日本語を話す人たち 僕もそのなかのひとりなのが なんとも腹立たしいけれど なにかというと日本という言葉を口にする人たちに比べれば まだましなのかもしれない

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老人の言葉

散歩をしていたら畑を耕していた老人が  この辺りは海だった と言った。 海になる前には人が住んでいたみたいで その頃の遺跡があるという 海だった頃には人が住んでいなかったから その頃の遺跡はないという 老人は  遺跡を発掘に来た人たちに聞いた話だから  間違いはない と言った 研究者たちの論文より その老人の言葉のほうが 本当のように聞こえるのはなぜだろう

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深い顔

いつか深い顔になるのだと思っていたら ある日深い顔になっているのに気がついた でもそれは決していい顔なんかじゃなくて 嘘とごまかしが刻まれた醜い顔だった

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永遠でなくても

感じられないかもしれないけれど 愛を感じてください 信じられないかもしれないけれど 愛を信じてください

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人が作ったもの

古地図を見れば陸と海が絶えず動いているのがよくわかる 陸地が盛り上がったり沈み込んだり海の位置が変わったり 強固な岩盤だって大きな大陸だって動かないわけじゃない 6000年前には江東区はもちろん墨田区も葛飾区も足立区も そして草加市や川口市や越谷市やまでもが海だったという 気温が上がって氷河が融けて 海面が100mも上昇したのだ 1万8000年前には東京湾は隅から隅まで陸だったというし それよりも前には日本は大陸と陸続きだったみたいだから 将来の日本が動かないなどと思うのは科学的とはいえない 盛り上がったり沈み込んだり動きまわっている陸地の上に 橋やトンネルやダムや堤防や高層ビルや発電所など作って それでそれらがいつまでも壊れないで役に立つわけもなく それでも僕たちは陸地が動かないと信じているフリをして 何が起きても原子力発電所は絶対に安全だって嘘をついて 想定外の事故があるとそれを自分でない誰かのせいにする 作ったものはいつかは壊れて築いたものはいつかは崩れる そんなあたり前のことをみんなまるで知らないふりをして 今日もどこかで完成を祝い竣工式や落成式が執り行われる 神に感謝しても仏に祈っても作ったものはいつかは壊れる 構造計算をどれだけやっても築いたものはいつかは崩れる 完璧なことなどありえないし永遠のものなどどこにもない 人が作ったものなんかが 自然が作ったものよりも すごいなんてわけはない

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人がいる場所

真理とか正義とかが必要な前時代的な人たちが 真理とか正義とかから抜け出せずに悩んで 人は意識の根源を直視していないといい 不安や焦躁や倦怠が不幸の根源なのだという 不幸を感じることができるのは高貴な証だとか 人でない生き物は不安や焦躁や倦怠を感じないだとか わかったようなわからないようなことを言いつのって 人は動物とは違う高尚な存在なのだという 人は考えることができるから 自分が死ねると知ることができるし 宇宙が優れていると知ることもできる でも宇宙は考えられないから何も知らない 人の尊厳を空間や時間に求めてはいけない 多くの土地を所有したところで優れていることにならないし 長い時間を生きたところで偉大なわけではない 尊厳は考えることにしかない そんないい加減な論理が語り継がれ 哲学とか知恵とかいって残ってきたが 気が付けば周りには真理も正義もなく 人が特別な存在だと考える人も もうあまりいない 人だけが特別だという宗教のせいで 人は地球の主だと勘違いし 地球とそこに住む生き物をないがしろにし 人のおごりが人を滅ぼそうとしている 人は地球に住まわせてもらっていて 他の生き物と一緒に生かされていて 地球とそこに住む生き物がなければ 存在すらできないのだと知るべきだ 人はじつは考えることができない 人はなんにも知らない そうでなければ私たちが こんなふうに生きているわけはない

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地球にいちばん近い満月

月は楕円運動をしてるから どこで満月になるかで 見える大きさが大きく違う それにしても 大きな満月は理屈より大きく ずっと大きく見え 小さな満月は理屈より小さく ずっと小さく見える それだけではない ふたつを並べて見ることはないから 印象でしか比べることができないけれど 大きな満月は明るく 小さな満月は暗い 大きな満月は自信いっぱいで こちらを見てる 小さな満月は自信なさげで 隠れてしまいそう でも 大きな満月も小さな満月も じつは同じ月 だから月に言う 大きくなっても小さくなっても 君を思っているよって 君がどんなでも 僕は変わらずここにいるよって

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分を超えて

動物も植物も細胞の中心に細胞核を持ちその中に染色体がある 父親と母親から23本ずつ受け継いだ46本のヒトの染色体には 1番から22番までの常染色体とXとYの性染色体があって 男は常染色体とXのセットと常染色体とYのセットを 女は常染色体とXのセットを2セットを持っている 染色体には長い二重らせん形のDNAが収納されていて DNAのなかで遺伝情報をもっている領域を遺伝子という 染色体のぜんぶ遺伝子のぜんぶ遺伝情報のぜんぶをゲノムといい ヒトゲノムに含まれる遺伝子の数は約26,800個だという そういう中学理科の世界からはるかに遠いところに 個人の遺伝情報に合わせた医療だとか 生分解性プラスチックだとかがあって 遺伝子の組み換えはとどまるところを知らない 農業と食品工業は遺伝子組み換えで境界をなくし 医学と医薬品産業は一緒になって遺伝子を組み換え エネルギー分野も環境分野も遺伝子を組み換え 遺伝子組み換えの技術は悪いことではなくなる ナチュラルチーズの大量生産も 酵母や麹菌の育種や甘味料の製造も ヒトインスリンやB型肝炎ワクチンのの製造も エタノールの効率いい生産も 生分解性プラスチックの生産も 農作物の改良からナノバイオデバイスまで みんなみんな遺伝子組み換えのおかげだと いいことばかりが宣伝される いいことばかりに目を向いていて なにか基本的なことを忘れてしまい 倫理や人権も大事だけれど まずはビジネスが大事だと うーん もっと基本的なことがあるんじゃないか 人間の存在が 存在そのものが 大切なのではないか 遺伝子を組み換えたりしていいのか そんなことをする人に畏れはないのか 菌の遺伝子を組み換え 植物の遺伝子を組み換え 動物の遺伝子を組み換え ヒトの遺伝子を組み換え なんにも起こらないと思っているのか ウイルスの感染が広がっただけで オタオタしている人間が もっともっと大きなことを 顔色も変えずにやっている 新しい生物を生み出し それをビジネスにして生きていく そんなことが許されると思っている ヒトはなんて楽観的なんだろう

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みんな幻 みんな夢

現実は精巧に出来た幻 現実は精巧に造られた夢 目の前の美を素直に見ていると それが見えてくる みんな幻 みんな夢 昨日のことも 明日のことも 宇宙の夢に比べれば これは一瞬の夢 時間の幻に比べれば これは一瞬の幻 いつまでも完璧にならず いつまでも未完成の どんなに経っても永遠とは遠い 夢という無 幻という空 心地よい夢のなかに眠り 風のような幻のなかで遊ぶ 日常のなかで見る幻も 一日の終わりに見る夢も ほんの一瞬のこと ふわふわした儚い夢を 覚えていることはなく あるはずのない幻が 輪郭を持つこともない 美しい一瞬が永遠に思え そして消える 君への思いが永遠になる

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幸せ

幸せはとらえどころがない 幸せはつかのまのこと 幸せは無益でしかない だから幸せを夢見るなんて 虚しいだけ 幸せを求めても まるで蝶のように この手をすり抜けてゆく でも期待しないで静かに座っていると 幸せが空から降ってくる 遺伝子によって幸せと不幸せが決まる 出来事によって幸せと不幸せが決まる その人の価値感によって幸せと不幸せが決まる でもそんなこととは関係なく 幸せは手の届くところにある 自分の幸せなんて考えずに 人の幸せを考えていたら 君の幸せを考えていたら 幸せはそこにあった

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人道に対する罪

みんなは 東京大空襲を忘れたのか どれだけの人が家を失い 負傷し死んだのかを忘れたのか あの大空襲は 人道に反する犯罪ではなかったのか 人道に対する罪ではなかったのか 戦争に勝った国は人道に反しても許されるのか みんなは 広島と長崎を忘れたのか 原爆が奪った命の数を 一瞬にして失われた普通の暮らしを あの爆弾投下は 人道に反する犯罪ではなかったのか 人道に対する罪ではなかったのか 戦争に勝った国は人道に反しても許されるのか アメリカ合衆国が悪いといっているのではない アメリカ人が悪いといっているのでもない あの頃にアメリカにいて そんな決定をした人たちが 人道に反していたのではないかと言っているのだ 今でも称えられている人たちが 狂っていたんじゃないかって思っているだけだ 旧ユーゴやルワンダを裁く前に アメリカを裁いたらどうなんだ そして 日本を裁いたらどうなんだ

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夢は夢だ 夢から醒めたら 夢は夢だったと悟る なんで信じたのかと驚く 生きているから 夢は夢だったと悟る 生きていなければ 夢の虚妄に気付かない 死は人生の断絶だ 死のあとにはなにもない 夢を信じたまま死ぬ人は 夢のなかに人生を終える 夢を抱いたまま 人生を終えたい 夢を信じたことを 後悔はしない 死ねば意識はなく 人生は終わる 信じたものも 消えてなくなる なにかを信じるのなら 信じるに足りることを そうは思っても 確かなことはなにもない 夢を見るのなら 明るい夢を 君との夢を 死ぬまで見る夢を

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老化

老化とは年をとることとその過程だ 時間とともに個体に起きる変化とか 死に至るまでに起きる機能低下とか 時間とともに変化するすべてが 老化なのだ 木の葉が色づいて散るのも老化だ 動物の活動性が低くなっていくとか 細胞が分裂をやめてしまうとか 身体的 心理的 社会的な変化が 老化なのだ 老化の原因がわかっただとか いや原因はわかっていないとか いろいろなことが言われているけれど 誰も老化は避けられないし 誰も老化を止められない ピカピカな歯で死んでゆくのもいいけれど ボロボロの歯で死んでゆくほうが自然だし 黒くてふさふさした髪で死ぬよりも 薄くなった白い髪で死ぬほうがいい 年より若く見えるよりも 年相応に見えるほうがいいし 内面が顔に表れているほうが のっぺりした顔よりずっといい 若いってすばらしくないんだと 心からそんなふうに思ってみれば 老いてからでないとできないことが たくさん浮かんでくる 好きな人がだんだんなくなってきたら 石や木や水が近づいてきて 老いをそのまま受け入れてみたらどうか すべてを面白がってみたらどうかと言う 自然のなかを歩いてみれば 真上には太陽が輝いていて 後ろからは風が吹いてくる 目の前の池が言う なかなかいい なかなかいいよって

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国家

国の偉い人たちが 国民を勝てるはずのない戦争に導き 国を滅ぼした そこまで書いて僕は筆を止めた なんともやるせない気分になったのだ 純粋で無知な若者たちは なにがなんだかわからないうちに 戦争にかり出され なにがなんだかわからないうちに 死んでいった その無念は慰められ 死んでいった若者たちは 英霊と呼ばれた 若者たちは 生きているときに 国の偉い人たちに利用され 死んでからも 国の偉い人たちに利用される 死ぬ原因を作り出したのが 国の偉い人たちだったと 知ることもなく 親のため家族のため友のため そして国というなんだかわからないもののために 死んでいった 隣の国の事情は 少しだけ違うのだろうが 若者たちが国の偉い人たちに利用されるのは きっと同じに違いない そのまた隣の国の事情は もう少しだけ違うのだろうが 若者たちが国の偉い人たちに利用されるのは きっと同じに違いない 偉い人たちが集まって 国家を宣言する いつのまにか人々は 国家の一部になる 国旗なんていうものが掲げられ 国歌なんていうものが歌われて ナショナリズムが人工的に作られ パトリオティズムが流布されて だれもかれもが 無意識にプロパガンダに陥って プロパガンダと同じことを言う スピーカーになる 平時には機能している仕組みが 非常時には機能しないで プロパガンダの暴走を 想定外だと言い訳する どんな国家も暴力団のようなもの 危機を煽ったり戦争を起こしたりして 罪もない人たちを殺してしまう 国家なんていうものに 利用されないようにしよう 国家なんていうものに 殺されないようにしよう

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人間も動物なのに

人間もただの動物なのに 人間だけが特別だと思う人がいて オスとメス は 男と女 とは違うのだという 人間の愛は崇高だとか 人間の愛は永遠だとか オスとメス だって惹かれ合うのに 人間だけを特別に見る 人間も動物なのに 動物の生死はただの生存競争だから 人間の生死のような尊さはないという 一人の生命は地球より重いなどと言い 死ぬべき人を生かしてなにも感じない 次の瞬間に踏まれてしまう蟻や 弱れば食べられてしまうシマウマは 自然のルールに従って生きて死ぬ 人間のように寝たきりになっても生きていたり 植物状態になっても生き続けたりはしない ゲノムをコピーする時のミスだとか コピーするときに起きたエラーとかで 種が劣化するのを防ぐため 適応できてない個体を壊してなくし 適応できる個体を作り直して残す そうすることによって動物は 環境の変化に対応した個体を生み出して 命を繋いできたという 生まれたものは必ず死んで 生きる死ぬが繰り返されて 個体はどうでもいいように見えて それでも個体は生きていて 命は輝いていて 命を繋がない個体たちも もう役目を終えた個体たちも 一生懸命生きていてる 人間の命が尊いというのなら 動物の命も同じように尊い 植物の命も細菌の命も尊いはず ウィルスにも命があると思うはず 人間の命の尊厳を謳うなら 生物の命の尊厳も謳ったらいい 人間の権利を口にする人には 生物の権利も考えてほしい 人間の健康を口にする人には 生物の健康を考えてほしい 人間が強くなりすぎて 人間が多くなりすぎて 人間の出すゴミは異臭を放ち 人間の周りからは美しさが消えてゆく 人間のエゴが消えた日に 人間はもう一度人間に戻って 自然の美しさのなかで 命を懸けて生きる そうなったときに人間は 輝きを取り戻し 体の底から声を出し 心の底から愛を言う

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男と女

すでに男のために作られている構造に 女が自分を簡単に合わせることはできない 女が構造に完全には入り込めないのなら 構造を作り直すべきなのだ 軍隊に象徴される階層構造は 上下関係が好きな男のためのもの 上下関係が見えないような構造でないと 女の能力はうまく発揮できない

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気候変動

今の空気中の二酸化炭素レベルは 過去何十万年のうちで最高で 21世紀の地球の温度は これまでになかったほど高く 北極の氷の融解スピードは 1990年代の10倍近く 北極圏の夏の海氷は 記録的な範囲にまで縮小し 世界の平均海面水位は 過去100年間で18cm近く上昇している 数字でどうだこうだ言っても なかなかピンと来ないけれど 気温が上昇するだけではなく 地球全体の気候が大きく変わっている 海面上昇 高潮 氾濫 洪水 干ばつ 熱波 気候変動とか異常気象とかいうけれど 実際に起きているのは生活の破壊で 感染症は地球の隅々にまで拡大し 疾病が増え 健康障害が頻発する エネルギの供給は増え続ける需要に追い付かず インフラの機能はマヒし 飲み水が不足する 自然災害の被害は大きくなり続け 農業生産は減少し 食糧は危険にさらされ 生計は崩壊し 財政は破綻する 生態系や生物多様性に狂いが生じ 多くの種が絶滅する 根本的な解決策は 人が減ること それに尽きる

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脆い花びら

綺麗な花は脆い 道端に咲く花も 風が吹くたびに 目の前で落ちる 地上に落ちて 散らばる花は 時に流される 私の心のよう 花びらには 軽さがあり 脆さだけが 重さになる 舞うのか 落ちるか 死ぬのか 生きるか 脆さは 美しく 儚さは 切ない 咲く 散る 風に 舞う 花 無 夢 空

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りんごを食べないで

りんごを食べないで もし今のままでいたいなら もしも変わるのがいやならば マッチをする 炎が灯る 一瞬のしあわせが訪れる 炎が消える ふーっ 一瞬のしあわせは永遠で マッチをすってよかったのだと 生きていた頃を振り返りながら 自分に言い聞かせる 箱を開く 煙がでる 一瞬のうちに年老いる 息が絶える はー 乙姫との思い出は永遠となり 箱を開けてよかったのだと 竜宮城にいた頃を振り返りながら 自分に言い聞かせる りんごを食べる 死んでしまう 王子がキスをする 愛が訪れる うーん 純粋な愛は永遠に続くことになり 愛に出会えてよかったのだとと 継母のことを思い出しながら 自分に言い聞かせる マッチを マッチをすらないで もし生きていたいなら 箱を開けないで もし夢を見続けたいなら りんごを食べないで もしも少女でいたければ もしも大人がいやならば 許して下さい マッチを マッチをすらないで お願いですから 箱を 箱を開けないでください りんごを りんごを食べないで そのりんごを食べないで

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素朴な愛

複雑な愛はいらない 素朴な愛がいい 日常を大事にするような 繰り返しを大事にするような そんな愛がいい 観念の世界で遊んでいる どこかの作家とか 時流の言説に乗っている あの思想家のようには ならないようにしなければ

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しらすおろし

重要だったものが重要でなくなり 大事だったものが大事でなくなり 大切だったものが大切でなくなり 好きだったものが好きでなくなる そんなこころの変化に気づいてしまった 何万人もが楽しむコンサートとか 雰囲気のいい有名レストランとか 歴史に登場する史跡や建造物とか 美術館の中の高価な美術品とかが 私のこころをときめかすことはもうない 旨味たっぷりの味噌汁とか たったひとりの優しい歌声とか しらすおろしのさっぱりした味とか アルヴォペルトの簡素で静かな音楽とか そんなのがいい もしかしたら わびと さびと きみが 影響しているのかもしれない

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昨日 今日 明日

過去のことがよいという でもそれは 過去のことだからよいのではない 過ぎ去ったことでもよいものはよいのだ 過去が間違っているという でもそれは 過去だから間違いがわかるのではない 過ぎ去ったものでも間違いは間違いなのだ 過去をなおざりにするなという それは 現在もなおざりにしない 未来もなおざりにしないということなのだ 過去のことを言い続けるのは きっと 現在のことを言っていて 未来のことを言っているのだ 美しいものが過去に破れることはない 美しいものは現在に終わらない そして 美しいものは未来にも尽きない 過去といい 現在といい 未来といい 時間は続いていて 過去といっても その時々の現在の連続で 未来といっても その時々の現在の連続なのだ 時間が連続しても永遠にはならない 私がなにをしても完璧にはならない どんなものを作っても完成はしない 一瞬のことこそが真実なのだ 君を好きだと今言って そのことに嘘はないけれど 過去の説明はできないし 明日の約束はできない 今の真実が 明日も今の真実になって 明後日も今の真実になって それが一日でも長く続けばいい 今 君が好きで 明日も君が好きで 明後日も君が好きで それが一日でも長く続けばいい

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違うのは悪くない

異質な要因を持たない人を 正常といい 異質な要因を多少でも持つ人を 異常だという 20人のうち19人は 基準範囲のなかに入り 正常といわれ 20人のうちひとりだけが 基準範囲の外にいて 異常ということになる 誰が普通で 誰が異常なのか 異常な人がなにか悪いことをしたというのか 違うのが 悪いわけではないのに 違うというだけで異常といわれる なにが普通で なにが異常なのか 背の高いのは異常なのか 背の低いのは異常なのか 太っているのは異常なのか 痩せているのは異常なのか 血圧が高いのは異常なのか 血圧が低いのは異常なのか 成績がいいのは異常なのか 成績が悪いのは異常なのか 同じことを考えないのは異常なのか 同じことを感じないのは異常なのか 同じことを望まないのは異常なのか 同じことに従わないのは異常なのか 同じ宗教を信じないのは異常なのか 同じ教育を受けないのは異常なのか 同じ知識を持たないのは異常なのか 同じ経験を持たないのは異常なのか 同じ信念を持たないのは異常なのか 同じ能力を持たないのは異常なのか 同じ価値観を持たないと異常なのか 違うのはそんなにいけないことなのか 同じなのがそんなにいいことなのか ひとりひとりが違うのに 基準上限値とか基準下限値を外れれば 異常とか おかしいということになる 異常でなく なにもおかしくないのに まるで悪いみたいにいわれ 間違っているかのように扱われる 違うのは 悪くない 違うからといって悪いというのが 悪いのだ

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感性は

感性が鋭くて 些細な感情の動きに気づく 普通なら見過ごしてしまうような 人が気づかないような 微弱な感情を拾う 狭く深いところまで入っていく ひとりの人の気持ちに敏感な 感性がある 感性が豊かで 多くの刺激に反応する 人が気づかないような さまざまな感情を拾うような 多種多様な感情を拾う 浅く果てしないところまで広がっていく たくさんの人の気持ちに敏感な 感性もある 感性が鋭い人はそれを見せない 感性が豊かな人はそれを話さない ほかの人が気づくことのない微細なことを 面白いと思う人がいる ほかの人の目が捉えないさまざまなことを 面白いと思える人もいる 感じたあとで そのことを上手に表現できる人がいる 感じても それをうまく表現できない人もいる 敏感な人は 気配りをして無駄に疲れてしまったり そうかと思うと 思いやりが空回りして傷ついてしまったりする 感じやすさは能力ではあるけれど そんな能力はいらない時もある 感情は過ぎると 刃になる 感性があると理性がないと言われる 知性がないとも悟性がないとも言われる 感情におぼれて論理的に考えることができない 新しい認識を形成できないとも言われる 傷つきやすい人の感性はみずみずしく 石を見て涙ぐむ 木を見ても水を見ても涙ぐむ でも みずみずしい感性だけが時代を捉え 美しいものを創り出す 知能だけが時を進めるわけではない 論理がすべてではない

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顔のない顔

どんな人の顔も 死ぬ前になれば しっくりと落ち着き 安定感がでてくる 鏡のなかの顔は不安定で なんとも落ち着きがない たぶんまだ 死なない 間の抜けた顔が どうしたら安定感のある 落ち着いた顔になるのか 想像もつかない 死ぬ前になれば 誠実さや正直さが 身についているとでも いうのだろうか この顔のない顔は なにをしても ちゃんとした顔には ならないと思うのだけれど

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言葉にしない ありがとう

今日は記念日 昨日までの良いことばかりを思ったり 悪いことばかりを思ったりではなく 明日からを楽観的に考えるのでも 悲観的に考えるのでもない 今日を祝う ひたすら今日だけを祝う 明日も記念日 明日になったら ひたすら明日という日を祝う 明後日も記念日 明後日になったら ひたすら明後日という日を祝う そう 毎日が記念日 毎日 ひたすらその日を祝う 毎日が記念日で 毎日記念日を祝って 毎日君に感謝して 毎日君の笑顔を見る 毎日が記念日でも なにも困りはしない 心のなかで ありがとうと言う ありがとう

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1 2 3 ・・・

1 2 3 ・・・と数えて 1 2 3 の前には 0 があると気づく 0 1 2 ・・・と数えて 0 1 2 の前には -1 があると気づく -1 0 1 ・・・と数えて 私は数えるのを止める 江戸時代までは一倍が倍のことだった 明治時代になって二倍が倍のことになった この国のビルディングは 1階 2階 3階 ・・・ で あの国のビルディングは 0階 1階 2階 ・・・ だ 1 2 3 ・・・か 0 1 2 ・・・か 悩むところではあるけれど 0 は知らないことにして 1 2 3 ・・・で行ってみよう 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 ・・・

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静かな場所で

火山が爆発して 溶岩や火山灰にすべてが覆われた 命あるものは一瞬のうちに絶命する 大きな力の前では生き物は無力だった ダムができて 水のなかに村々が埋もれていった 神の住まいは山の上に移される 人々は村を捨てるしかなかった 都市ができて 土はアスファルトやコンクリートで覆われた 生き物は生き埋めになる 人が都市を我が物顔で歩き回った 都市は汚れ ネズミやゴキブリが人の棲み家で暮らし始めた 人は人以外の生き物を力でねじ伏せたが 目に見えない菌やウイルスが人を覆っていった 都市は壊れる かたちあるものは必ず壊れる 都市を逃れた人間に 行く場所はあるのだろうか 都市での生活が便利になった分だけ 人は生命力を失った 自然に返された人間が 素手で生き延びることができるだろうか 私は夢を見ている 私は好きな人と 微笑みに包まれて暮らしている そこは穏やかでとても静かだ とても静かだ

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事実を伝えること

記憶も記録もあてにはならない 記憶だからあてにならないとか 記録だからあてになるとか そういうものではない 記憶は 何が起こったのかでも 何が起こらなかったのかでもなく そうだったかもしれないという そして そうでなかったかもしれないという 可能性なのだ 記録は 何か起こったことについて 記録する人がこうであったらいいなということを 期待を込めて書いたもので 不完全で間違いだらけの 人が記したものなのだ 起きたことを起きたこととしないで 起きなかったことを起きたことにして 起きたことと起きなかったことの 境界をあいまいにしてしまう 不完全な記憶 未完成な記録 永続しない記憶 永久に残らない記録 記憶や記録でできあがった歴史とか 記憶や記録に頼った判断が 正しいわけはない 記憶も記録も事実ではない

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ウイルス

わかったふりをした専門家たちが 私たちの生活に口を出し 新しい生活様式などという枠をはめ お願いという名の命令を発表した  マスクを着けろ  冷房時には窓を開けろ  毎朝体温を測れ  健康チェックをしろ 命令に添えられた優等生の作文からは なぜそうしなければならないのかは 伝わってこない 先人たちが勝ち取ってきた行動の自由は 感染症対策といって制限され 移動の自由は奪われて 近くに住む人にさえ会いに行けなくなった 病人を見舞ったり死者を弔ったりすることも 前のように自由にはできなくなり 老人施設にいる年老いた母にも 会いに行けない 施設という監獄のなかにいる人は 誰もがまるで囚人のようだ これもすべて生存のため いのちを守るために協力してください 言葉は優しいふりをするが 使われているレトリックは凶暴だ 人間であるための条件を奪われて 怯えのせいで我を忘れ 攻撃的になった人たちが 大事なものを捨てて群れを成す いのちを守るためだけに すべての自由を差し出して 私たちはいうことを聞く素晴らしい民だと なぜか胸を張る 自由とか違いとか 善だと固く信じてきたものが突然悪になり 考えないとか みんなに従うとか 悪だと固く信じてきたものが突然善になる 見当違いばかりのなかで みんなでいのちをながらえて すべてを失った人たちのなか ウイルスの声が聞こえてくる 地球が人のものだなんて 誤解したほうが悪いんだ 地球はみんなのためにある 石や木や水やウイルスを 忘れたほうが悪いんだ ウイルスは笑わない 石は動かず 木は静か 水は今日も流れ続ける

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恋愛と約束

短い時間で燃え上がって出来た関係はドラマチックで 終わるのも早い 長い時間をかけて出来上がった関係は安定していて 長い日常が続く 独占欲や嫉妬のある刺激的な愛 安定した関係が続く穏やかな愛 愛のかたちは選ぶものではなくて 自然にできあがる 恋愛のふわふわしたイメージが 私たちの周りに溢れている イメージはどれもドラマチックだけれど 実際の恋愛の多くは日常的だ 恋愛にたどり着けない人だって たくさんいるし たどり着けたからといって 思い描いたようになるとは限らない ときめきとか情熱という そんな言葉に象徴される恋がある その時その時には人生で一度だけの恋だと思い 恋が終われば人生は終わりだと思いつめる それなのに 人はまた違う恋をする なんていい加減なと思う でも そのいい加減さは救いでもある 恋による不安や絶望から人を救ってくれるのは いつもいい加減さと次の恋なのだ 親しみとか優しさという そんな言葉に象徴される愛もある 愛があるのに気付かない人 ないのにあると思い込んでいる人 愛なのかただの錯覚なのか その辺のことは誰にもわからない 人が変わり続けるとすれば 愛もまた変わり続ける 変わらぬ愛を願うのは いつまでも生きたいと願うのと同じ 時と共に成長する愛を 育むことができなければ 変わらぬ愛を願って 傷つくしかない 終わってしまう恋や不安定な愛を なんとか繋ぎ止めようとして 人は永遠の契りを結ぶ ある人は結婚という形を選び ある人は永遠の愛を誓う けれどどんな約束も 祝福は続かず破れてしまう 責任を背負ったとしても 背負い続けることはできない 時が流れ すべてが変わり続けるなかで 恋だけが変わらないわけはない 愛だけが永遠に続くなど ありえないのだ 恋は病気のようなものだという 愛は幻想だという人もいる 約束はいつか破られ 契りは忘れられる それでも人は恋をし 愛を求める 約束をし 誓い 契りを交わす 恋も愛も 知れば知るほどわからなくなる 先人たちの名言を集めても なんの役にも立たない。 恋や愛や約束の断片を書いたところで なにもわからない 恋と愛と約束が織りなす模様は 驚くほど複雑だ 恋はときめきと情熱の色 愛は優しさと親しみの色 約束は契りと永遠の色 そういった色が 補う色や反対の色を内包しながら 予期せぬ模様を作り出す まるで乱数が作ったかのような 意味のない複雑な模様を ただただ楽しめたらいいのだけれど なかなかそうはいかない 恋も愛も約束も そんなに簡単ではない 恋は夢だと悟り 愛は幻だと気づき 約束は破られると知っても 私たちは恋を信じ 愛を信じ 約束を信じる 長いとは言えない人生のなかで 誰かに恋をし 誰かを愛し 誰かと約束を交わせたら どんなにいいだろう 恋とか愛とかの不思議な感情や非論理的な行動は 私たちの心をとらえて離さない 決して結ばれることがないという悲劇に涙し 心から愛し合うふたりという純愛に感動する 戦争となれば平気で人を殺す人間が 恋をし 愛や平和を語る こんな変なことが他にあるだろうか 恋も愛も 民主主義や人権のように 西洋から来た言葉のように思える どちらも私たちのものでない そう言いながら 源氏物語の世界にはいり込む 光源氏の世界は … Continue reading

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フェイク

映像や画像が事実を伝えた そんな時代もあった でも今は違う 映像や画像は現実ではない 現実を伝えるものでもない 情報が交錯するなかで 伝えたいメッセージが先にあって メッセージを伝えるために 映像や画像が作られる 映像や画像は加工され 会ったことのない人が並んで映り いるかどうかわからない人が あるかどうかわからない街で シナリオ通りのセリフを喋る 昔の絵巻物となにが違うのか ちょっとリアルなだけじゃないか そんなことを言われても 納得はいかない バーチャルだフェイクだと カタカナで言ってみたところで イカサマはイカサマだし 間違いは間違いでしかない 正義や中立を口にしても 正義も中立もない あるのはただビジネスの論理と テクノロジーの追求だ 有名人のセックス映像はどれもフェイクで 政治家の賄賂の受け渡し画像はでっち上げ 映像や画像を作った人は 真実を伝えるためと開き直る 映像や画像が現実でないとわかっていても フェイクを見ると半分信じる 半分信じれば ぜんぶ信じる フェイクはいつのまにか現実になり 違うと言っても誰も聞いてくれない 映像や画像は現実ではない 現実を伝えるものでもない でも残酷な人間は 映像や画像をおもしろがって 加工してコピーして見て笑う 映像や画像を信じてきた人たちは 作られたものだと知ってか知らずか 相変わらず見たままを信じる 信じてはいけないものを信じる

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致命的な暴力

日本人だという理由だけで嫌な目にあったり 朝鮮人だという理由だけで強制的に連行されたり 中国人だという理由だけで嫌われたり ユダヤ人だという理由だけで殺害されたり クルド人だという理由だけで弾圧されたり アフリカ系アメリカ人だという理由だけで差別されたり 日系アメリカ人だという理由だけで収容所に入れられたり そんなことがあまりにもたくさんあって 私たちは鈍感になってしまった ユダヤ人だという理由だけで子供達を虐殺するのは 戦闘に参加している編集者たちを虐殺するよりも卑劣だとか 日本人だという理由だけで住んでいる人みんなを原爆で殺すのは 戦闘に参加している医療従事者たちを殺すより道義に反するというように ああして殺すのはこうして殺すより悪いというのは絶対におかしい 殺しは殺しだ 戦場で人を殺すのは戦争だからといって許される それだけでなく英雄になったりもする 立て籠もり犯を殺すのは人質を守るためだといって正当化される そればかりか人質の生命を守ったといって褒められる 死刑を執行するのは法律に従って出された判決に従っただけだという 法務大臣はよく署名したと称えられる どの場合にも 殺人はいけないという声は消される 殺人は人の本能だという人もいる でも人が群れを作るようになる前は 私たちはそんなに殺人をしなかった 人間は群れになり 村を築き 部族で暮らし 国という人為的な集団を作った そういう変化によって殺人率は大きく上昇し 人は殺人をする種に変貌した 人が多くなりすぎて 殺さなければ生きていけなくなってしまった 同類を殺し同種を殺し同族を殺す 人が人を殺す 殺す種 それが現代の人間だ 暴力をむき出しにしてしまった人間が集まり 攻撃的な人を指導者として殺し合う それを悲しいと思ってはいけないのだろうか 殺しは殺しだ そして 差別は差別だ

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愛してる。

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何者でもない

私は まえから何者でもない いまも何者でもない これからも何者でもない 何者かになりたいわけでもない でも夢はたくさん持ちたい 世界中の夢をかき集めて 夢いっぱいになりたい 他人を意識すれば 何者かになりたくもなる でも意識しなければ 夢いっぱいになれる 他人を意識しなければ 自分も意識しなくなる そうすると自分の文章から 自分が消えてゆく 自分のことばかり書いていたつもりが 自分のことは何も書いていない 自分のことを書いてないのに 書いたものは限りなく自分だ 何者かにならないでよかった 何者かになれない自分でよかった 夢いっぱいになりたい そんな自分がいい

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ほのかな香り

人は言葉で自分を表現する でも木が言葉で自分を表現するなんていうことは ありえない 声を発したり食べて味わったり動いたり 動物がすることを 植物はしない 人は外見で自分を表現する 木が外見で自分を表現するなんていうことは ありそうもないけれどでもあるかもしれない 木は服を着たり眼鏡をかけたりしないけれど 自分をすっと見せたり高くみせたりできる 輝く緑や深い緑を見せることもできるのだ 人は匂いで自分を表現する 木が匂いで自分を表現することも きっとある 匂いだけでない 木は葉で枝で樹皮で自分を表現して 他の木になにかを伝える 木は静かで 枝の軋みにも葉のざわめきにも主張がない でも 木がなにかを伝えようとするときに ほのかな香りがする そう思うのは 気のせいなんだろうか

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黒いひかり

ひかりを感じながら 景色を眺めていると 景色は色を失って ひかりだけが残る 景色のなかには ひかりしかなくて 色がなくて そして 景色がひかりを失うと 闇があたりを包み込み すべてのひかりは 吸収されてしまったのか 遮断されてしまったのか どこにもその形跡はない 朝がひかりを取り戻して ひかりは弾み 息づいて なにも掴めない私たちは ひかりと影に従う ものに色をつけて ひかりなんて幻だって言って 色に名前をつけて 布を染め 器に着色し ありとあらゆるものに色をつけ ひかりを征服したつもりになっても 夜がくれば色は消え 闇だけがあたりを占める ひかりがないのが闇だという でも闇に包まれてみると 黒いひかりを感じる ないはずのものを感じる 太陽を感じる 白いひかりを感じる 闇を感じる 黒いひかりを感じる ないものを感じる

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誰がために

聴く人のいない音楽や 見る人のいない映画は 読む人のいない物語に似ている 聴く人が メロディーを変えることはなく 見る人が 映像を乱すこともない 読む人が 物語に入り込むなんてありえない 出来上がった音楽は 譜面の上にあり 出来上がった映画は ディスクのなかに埋もれ 出来上がった物語は 紙の上で固まっている 録音されなかった音楽は 演奏するたびに異なった音を紡ぎ 撮影されなかった演劇は 上演されるたびに台詞が違い 紙の上に固定されなかった物語は 語られるたびに彩を変えた 聴く人を知らない音楽には 興奮や喜びがなく 見る人を知らない映画には 笑いも涙もない 受けとる人を知らない物語は 始まる前から終わっている 流れのない音楽には 淀みしかなく 画面の変わらない映画には 輝きはない 心のない物語からは 事実しか伝わってこない それでも人は 聴く人のいない音楽を編み出し 懲りることなく 見る人のいない映画を制作し あてどなく 読む人のいない物語を書き続ける 聴いてほしい人は自分の音楽に酔っていて 他人の音楽を聴くだけの余裕はなく 見てほしい人は映像の制作で手いっぱいで 他人の映画を見ることなど考えない 読んでほしい人は書くことに夢中で 他人の物語を読む時間を持たない 音楽も映画も物語も みんなみんな自分のため 作り手も自分のため 受け手も自分のため でもそのほうが 他人のためというよりも ずっといいのかもしれない

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物語のなかの真実

ハッピーエンディングは ハッピーなエンディングなんかじゃなく ハッピーエンディングは ハッピーはエンディングなのかもしれない ハッピーエンディングのあとは ずっとハッピーが続くって思ってたけど ハッピーエンディングのあとの長い時間が ずっとハッピーだなんてありえない ハッピーエンディングは 終着駅なんかじゃなくて ハッピーエンディングは 乗換駅でしかないんじゃないか ハッピーエンディングのあとの 日常は長く ハッピーエンディングのあとに 見るものは違う ハッピーエンディングの前に 見えなかった現実が ハッピーエンディングのあとには 次から次へと押し寄せる 血の繋がった人たちも 血の繋がらない人たちも 問題を持ってやってくる 病気 怪我 家事 育児 教育 労働 介護 お金 問題の種は限りなく 乗り越えなければならないことが ハッピーエンディングをぼやかしてしまう ハッピーエンディングは ハッピーなエンディングなのか ハッピーはエンディングなのか 映画のなかの主人公たちの ハッピーエンディングのあとの時間は残酷なほど長い ハッピーエンディングは 始まりなのか 終わりなのか なにかの終わりは他のなにかの始まりだから ハッピーエンディングはやっぱり乗換駅というしかない 日常の繰り返しのなかに 喜びを見出すことのできる人だけが ハッピーエンディングを超えていく ハッピーエンディングとは縁のない しあわせもある

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穏やかな日々

向上心いっぱいで生きてきて 向上心なんてなかったと言う そして 向上心なんてなかったらなあと 嘘みたいなことを考える 向上心がある人は 自分を高めたい人 自己実現に向かってどこまでも 自分を高めていきたい そんなこと よく言えたもんだ 向上心がある人は 今日が明日のためにある 今日したいことを我慢して なにもかもを犠牲にして 明日のために生きる 明日が来れば明後日のため 明後日が来れば明々後日のため そんな人は いつになっても今日を生きられない 今日を生きられない人が 明日を生きられるわけがない 向上心がある人の 明日のためというつまらない日々が いつまでも続きますように 逝くその間際まで 明日のために生きますように 向上心がある人には 達成したい夢がある 夢が達成できたなら もう少し大きな夢を持つ それが達成できたなら もっと大きな夢を持つ いつになったら休めるのだろう 死ぬまで奴隷でいたいのか 向上心がある人には 友だちがいて愛する人がいて 愛があって繋がっていて 愛がすべてなんて口にする でも すべての悪いことや醜いことが 愛から始まっているとは 認めようとしない 目を閉じて 愛は美しいと呟く いいときは確かに美しく 悪いときはほとんどが醜い 出会いはなぜか美しく 別れはいつもせつなくて 執着は見苦しく 心変わりは冷たい 始まりはきれいだったとしても 終わりがきれいだったことは あまりない 向上心には終わりがなくて そこにはなぜか競争があって 他人のことは気にせずに 自分だけが良くなって 愛する人を裏切って 友だちなんて口だけで 夢はいつでも自分のため 向上心のある人が 向上心のない人を 心の底から馬鹿にする 馬鹿にされた人たちは 馬鹿にされたことも知らないで 今日も 今日を楽しんで 気楽な人と 季節に満ちた時間をすごし 好きなことをして 暮らしている

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淡い色

湖は茫として水も空も見えず 白さだけが辺りを覆っていた きれいだねと口にしてみると きれいねという声が聞こえてくる 連れ出してもらったことへの感謝なのか ほんとうにきれいだと思ったのか なにも見えないけれど 吹きすさぶ風は寒くはなかった 帰ろうかって聞いてみたら もう少しだけいようと言う きれいだって思ったけれど 好きだとは口にできない 日常から少しだけ離れてみて 味わった小さな自由は たいしたことのないものかもしれないけれど とてもとても暖かかった 自由がしあわせなのだと 勘違いしていたころに 見た夢は 淡い

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富のない社会

金持ちが貧乏人を見る目は 思いのほか厳しい そこに見えてくる貧乏人は 自分たちを被害者と位置づける人たちで 政府には自分たちの面倒をみる責任があると思っていて 働く意思もなく 税金もまともに払っていないのに 医療や教育を無料で受ける権利があるとか 人権が侵害されているとか 勝手なことばかり言う 貧乏人が金持ちを見るときは 憎しみにも似た感情が混じる 金持ちは貧乏人から吸い上げた富を独占し 政府に影響を及ぼし法律を曲げ 出来上がった不公平な仕組みが不平等を大きくし 金持ちはなんにもしないのに富が増え 貧乏人は働いても働いても貧乏で 金持ちは豪邸に住み高級車に乗り おいしいものを食べていい思いばかりしている 金持ちを許してなるものか のさばらしてばいけない 自分たちは 不当な扱いを受けていると思っている 金持ちは自分たちこそが 不当な扱いを受けていると思っている 貧乏人の何倍も働き財産を築いた 努力をしてスキルを蓄えカネを稼いだ リスクを取って命がけで生きてきた 富は親から受け継いだものではない ぜんぶ自分が働いたおかげだ そういう自負があればこそ 働かない貧乏人が貧しいのは 仕方がないと言ったりする 努力をした人が努力にふさわしい富を得るのは当然だとか 努力にふさわしい成果を手にする仕組みは正しいだとか そんなことを主張する 努力をしても富を生み出せない人がいて 努力すらできない人もいて そういう人たちのことを 思い浮かべることのできない 想像力のない人々が 弱い人への思いやりを 持てるわけもなく 自由経済などと言われた人たちが 納得できるわけもないから 話し合おうとする人はどこにもいない 金持ちがもし貧民街で生まれていたら 金持ちになれただろうか 貧乏人がまともな教育を受けてきたら 貧乏人のままなわけはないだろうに 金持ちがシアトルの裕福な家庭でなく ハルゲイサの極貧のなかで生まれていたら 貧乏人がハルゲイサの極貧のなかでなく シアトルの裕福な家庭で生まれていたら 富は誰かのものではないはず 社会全体のものでもないはず 人生は所詮ゲームだけれど ゲームにはルールが必要で ルールはフェアなものでなけれはならない フェアとは 金持ちにとってのフェアではないはずで 貧乏人にとってのフェアでもないはず フェアとは 富を個人のものとして独占することでもなく 社会のものとして独占することでもない フェアとは 金持ちも貧乏人もいない 緊張のない いい状態 でも 人がいる限り そんな状態は絶対に生まれない

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罪を感じないから

人は自分が犯罪者であることに気付かず 無実だということを信じて疑わない 時に被害者を加害者扱いし 時に犯罪そのものを否定して 人を裏切っても気付くことなく 人を傷つけてもなにも感じず 罪悪感にとらわれている人を見て それじゃ幸せになれないと言い 自分に対して罪悪感を持つことがないから 自分を受け入れる必要すらない 罪を感じれば自分に罰を与えたり 優しくしたり許したりできるのに 罪を感じないから いつまでも変わらない 罪を感じないのは 傲慢だからじゃない 幸せになりたいという本能のせいで それで罪を感じない 罪を感じないから なにも変わらず いつまでも君を 傷つける

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ゆったりした風景

ニュースで見る世の中は酷いことばかり 理不尽なことや悲しいことでいっぱいだ でも散歩して見る世の中は呑気なもので ゆったりした風景とのんびりした人々が ぼんやりした時間を贅沢にすごしている 靴を脱いでズボンをたくし上げ水に入る ニュースのようなことはここにはないと 思っていたら転んで水に濡れてしまった やっぱりこの世の中は酷いことばかりだ この濡れた服をどこかで乾かさなければ

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変わってしまうもの

それほど大切だと思うのなら 過去を悔やんだりしないで 思い出したりもしないで 好きな君のことだけを想う それだけで 続いてほしいと願っていても 変わらないものはどこにもないから どんなことにも終わりが来る でも君のことだけはと 言いかけて

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細胞は生きている

一つ一つの細胞には限りある命があり 寿命が来て死ぬと新しい細胞に置き換わる 人の体には50兆から75兆の細胞があるのだけれど 細胞は約260種類に分けられ 種類ごとに違った寿命を持つ 胃や腸の表面にある上皮細胞は1日 精子細胞は約3日、皮膚細胞は約2〜3週間 血液中の赤血球は約4か月、白血球は1年以上 骨の細胞は約10年 脳細胞は人が死ぬまで 心臓の心筋細胞や神経細胞も一生かわらない 人体は1日で1兆個もの細胞を入れ替える 不要になった細胞は死んで そばの細胞を分裂させてふたつにして そのひとつを死んだ細胞と入れ替える 人間が死ぬと体内の細胞も死ぬ でもすべての細胞が死ぬまでに 数時間はかかる 時には1日かかることもある 細胞がいくら入れ替わっても 変わらないものがある 決して入れ替わらない細胞もあるけれど それよりも その人のまごころ、慈しみ、誠実さ それらは絶対に変わらない そして その人の魂、本性、正体 そんなものもたぶん変わらない

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悪の華

生物学にキャリングキャパシティという概念があって 動物としてのヒトの密度の上限は 1 km2 あたり 1.2~1.4人だという 世界での人口密度は 1 km2 あたり 50人なので 上限を40倍も超えてしまったことになる ヒトはどう考えても多すぎるのだ ヒトは農耕や牧畜で食糧を確保し 行動圏を拡げることで人口を増やしてきた 400年前には5億にまで膨らんだ世界の人口が 100年前には19億 そして今では77億 自然災害、飢饉、戦争、疫病 どんな災難が降りかかっても ヒトが減ることはなく あたりまえのように増え続けた 生産技術の発達、品種の改良、化学肥料 石油エネルギー、公衆衛生、医学 物流の発達、IT、AI それで食糧が増え ヒトが増えた ヒトが増えたツケは重く 食糧の増加は頭打ちになり エネルギーは枯渇して 食料不足がやってくる ヒトは少なくならなければならない それなのにヒトは増え続ける ヒューマニズムという考えのせいで 生きられるはずのない場所で 生きられるはずのない人々が 上限を超えて大量に生まれる 援助という名の下に ヒトが増えるのを助け その結果どうなるのかは 想像できないでいる 助けられた人たちは 食ベものさえ作れない場所で 収入を得るすべもなく 援助や保護をたよりに生きていく 援助や保護で暮らすことが 幸せにつながるわけもなく 汗水たらして働くあてもなく 援助や保護が永遠に続くわけもない ヒトは少なくなったほうがいい 増え続けるだけではいけない ヒトは意識しないで環境を壊し 生態系を壊して生物の生存を脅かす 森林を伐採して都合のよい植物を植え 機械を作り毒をまき散らす 美徳でヒトを救うのが 結果としてヒトを増やすなら悪徳で 意識して環境を守ろうとしても 無意識で環境を破壊する ヒトの数が 100年かかって10倍に増えてしまったのなら 同じように 100年かかって10分の1 になってもいいのではないか 10倍に増えたのが嬉しくなかったように 10分の1 になるのも悲しくないかもしれない 減るのもそんなには悪くない

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2種類の人間たち

女だから 男だからと 性別で分けられ 10代だから 60代だからと 年齢で分けられ 長髪だから 身なりが悪いからと 外見で分けられ アフリカ系だから アジア系だからと 人種や肌の色で分けられ 日本人だから 韓国人だからと 国籍で分けられ 介護士だから プログラマーだからと 職業で分けられ 共産主義者だから イスラム教徒だからと 思想や宗教で分けられ 婚外子だから 母子家庭だからと 生まれや育ちで分けられ 障がい者だから 太っているからと 立場や状態で分けられ うつ病だから HIV感染者だからと 病気で分けられと 私たちはなんだかんだで分けられる でも人間には まともな人間と まともではない人間の 2種類しかない どんなに私たちを分けようと 分けられたグループの両方に まともな人間とまともではない人間が 入り込む 日本人のなかにも まともな人間とまともではない人間がいる 日本人はみんなまともだとか 日本人はみんなまともでないとか そんなことは絶対にない イスラム教徒はみんなまともではないと言う人は 自分がまともでないのを知らない 黒人はみんなまともでないという白人は 自分が狂っているのがわからない どういうふうに分けられてもいいし どんなレッテルを貼られても構わないけれど 私は私 レッテルは私ではない どんなグループにもまともでない人がいる そして どんなグループにもまともな人もいる

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してもいいこと

品種改良のおかげで 寒冷地でも稲作ができるようになった 病気に強い種苗ができた 作物はおいしくなった 見ばえがよくなった 生産量が増えた 異なる品種のいちごを交配し いちごの新しい品種を作る 品種改良はいいこと そのことに疑問はこれっぽっちもなかった どうしたらもっと良くなるか 作物の遺伝子を切り取って 別の作物に組み込んでみた 切り取った遺伝子を並び替えて もとの作物に戻してみた もっとおいしくなった 病気の心配のない種ができた 思うとおりの色や形になった 収益が上がった 品種改良は限りなく進む 除草剤に強い細菌の遺伝子を 作物の遺伝子に入れてやったら 除草剤に強い作物が生まれた 植物と細菌という まったく違う生物が ひとつになった気がした 植物でできたのなら動物でもできるはず そう考える人たちがいて 動物の改良も進む この種とあの種をかけ合わせれば どの馬より速く走る馬が出来上がる 生まれた馬は美しく 走る姿は人々を興奮させた 種は改良され 優秀な動物が創り出された 出産がコントロールされ 動物の質は保証された 病気は減り 動物の苦しみは軽減した 動物の遺伝子は複雑で 植物ほどにはうまくいかない それでも科学の進歩はすさまじく 動物の遺伝子を切り取って 別の動物に組み込んでみた 切り取った遺伝子を並び替えて もとの動物に戻してみた 優秀な動物があっという間に創り出され 動物の質は完璧に保証され 病気はなくなり動物は長生きになった 動物でできたのなら人でもできるはず そう考えて 人の改良が始まる この人とあの人をかけ合わせれば 誰より優秀な人が出来上がる 生まれた人はすばらしく その能力は人々を興奮させる 人の改良は続き 人は人以上の存在になっていく 出産はコントロールされ 創られた人の質は保証された 病気は減り 苦しみは減っていく 人の遺伝子は複雑で 動物ほどにはうまくいかない それでも科学の進歩はすごく 人の遺伝子を切り取って 別の人に組み込んでみた 切り取った遺伝子を並び替えて もとの人に戻してみた 想像以上の優秀な人があっという間に創り出され その質は完璧に保証され 病気はなくなり創られた人は信じられないくらい長生きになった 選ばれる人間がいて 選ばれない人間がいて 選ぶ人間がいる 誰が選ばれて 誰が選ばれない そして誰が選ぶのか 質の高い人が子孫を多く残す 質の低い人が子孫を残さない そんなことが実施されようとしたとき 質の高い人というのが誰で 質の低い人というのが誰なのか そんなことを誰が決めるのか 誰も答えられなくなった 才能ある人々同士の結婚出産が奨励され 病気を抱える人々の出産は抑制される そんなことを決める人間もいて 悪の園が拡がった アングロサクソンが優秀だとか ゲルマン民族が優秀だとか あれとあれをかけ合わせなければとか あれはみんな殺さなければとか 勝つのが優秀で 負けるのがぼんくらで でも勝つ人は 負ける人がいなければ 勝つことはできない いい音楽を作るのも優秀で いい音楽を聴いているのはぼんくらで でも聴く人がいなければ 音楽に意味はない 品種改良を始めた時に こうなってしまうのはわかっていたのだ 人間が進歩を愛した時から この悲劇は始まっていたのだ 思い上がった人間は ビールスがやってくると それが人をおびやかすと思い込む ヒトゲノムの約半分は … Continue reading

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おにぎりころりん

おにぎりとおむすびでは なにも違わないのに ローソンでは おにぎり ファミリーマートでは おむすび セブンイレブンでは ノリがパリパリだと おにぎり そうでないと おむすび 大きく握ったら おむすび 小さく握ったら おにぎり 転がるのが おむすび 転がらないのが おにぎり 三角だと おにぎり 丸いのは おむすび いやいや ここでは 丸くても おにぎり 俵型でも おにぎり 平べったいのも おにぎり みんな おにぎり ん? きみは おむすびって言ったよね ならば おにぎりは NG だ みんな おむすび どれも おむすび

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よき日

パーフェクト・デイ 最上の日 特別な一日 申し分のない一日 素晴らしい一日 とても楽しかった一日 うってつけの日 最良の日 日々是好日 ひびこれこうじつ にちにちこれこうじつ にちにちこれこうにち ひびこれよきひ 毎日がよき日 喜怒哀楽を十分に味わう どんなにつらくても 悲しくても苦しくても 毎日毎日を生きる 喜ばしいことがあった日も そうでなかった日も とってもいい 死にたくない自分と死んでゆく自分 災害を避けたい自分と災害に遭う自分 どれも受け入れる 後悔はない 並んで歩いた日 雨宿りをした日 おいしいものを食べた日 黙った日 笑った日 静かな日 枯葉が暖かかった日 シャッターを切った日 陽がまぶしかった日 君といた日 嬉しかった日 とてもよかった日 パーフェクト・デイ

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