フランコ・ロッテリ

一人ひとりの医者に『あなたは患者の味方か?』とたずねたら、きっと90%が『はい』というだろう。しかし、これらすべてが僕らの同志ではない。僕らは患者の家へ行く。ところが医者の多くは、患者の方から医者のもとへやってくるのを望んでいる。僕らの仕事は、患者に『薬を飲みなさい』『飲めばよくなる』というだけではこと足りない。家族に見捨てられた患者がいたらどうするか。医者の大半は、『それはオレの問題ではない』というだろう。僕らは違う。患者のために、別の生き方を見つける。職場をクビになった患者がいるとしよう。医者の大半は、『それもオレの仕事ではない』と逃げる。しかし、僕らは雇い主を説得する。『あなたが逆の立場だったとして、病気で解雇されたくはないでしょう』といって解雇を思いとどまらせる。僕らは新しい職場を作る。患者たちと生活共同組合を作る。改革を口にする医師はいっぱいいるが、言っていることと中身は違う。病院の主人であることと本当の医者であることは、実は両立しない。患者を抑えつけるなんて実にたやすいことだが、僕にはそれはできない。僕は医者でありたい。

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