高橋めぐみ

わたし昔ひとを愛してたはず
とても深く愛していたはずと
だけどそれが愛だとしたら
愛ってなんて寂しいものだろう
愛ってもっと大きくて
もっともっと暖かくてもっと
いいもののはずなのに
涙が出てきた
今日も

セブンスターの煙のなかで
ふわりふわりいい気持ち
わがままな心、気まぐれな愛
なんてわたしって優しいひとなんだろう
愛ってもっと悲しくて
もっともっとせつなくてもっと
いいもののはずなのに
涙も出てこない
今日は

2 thoughts on “高橋めぐみ

  1. shinichi

    八百屋から林檎を盗んで
    半分分けてあげて
    もうすぐきみも20歳だねって
    雨の中で言ったけれど
    19歳のきみしか知らない僕は
    20歳のきみを知らない僕は

    林檎を分ける人もいない
    もう盗むこともない
    今でも君はわがままかな
    生意気なままならいいけど
    19歳のきみしか知らない僕は
    20歳のきみを知らない僕は

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  2. shinichi

    ゆっくりと坂を上ってきみに会いに
    緑の丘の上のきみのいる場所まで
    くだらないことのために時間をつぶし
    くだらないことのおかげで君に会う
    理由なしに君に会いに行けたら
    会うためだけにこの坂を上れたら

    ゆっくりと坂を下って夜の仕事場へ
    きみを忘れてしまうような場所まで
    カネだけのためにフレーズを覚え
    カネだけのためにギターを弾く
    ふたりだけでディナーに行けたら
    ふたり並んで砂浜に影を作れたら

    きみがきみの場所から飛び立ち
    ぼくもぼくの夢を追いかける
    きみがキラキラと輝いていて
    ぼくもそれなりに頑張っている
    そんな長い時間のあとで出会えたら
    ふたり静かに微笑み合えたら

    (こんな紙切れが出てくるとは思わなかった)

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