八木重吉

くもの ある日
くもは かなしい
くもの ない日
そらは さびしい

5 thoughts on “八木重吉

  1. shinichi Post author

    在る日の こころ

    ある日の こころ
    山となり

    ある日の こころ
    空となり

    ある日の こころ
    わたしと なりて さぶし

    Reply
  2. shinichi Post author

    うつくしいもの

    わたしみづからのなかでもいい
    わたしの外の せかいでも いい
    どこにか 「ほんとうに 美しいもの」は ないのか
    それが 敵であつても かまわない
    及びがたくても よい
    ただ 在るといふことが 分りさへすれば、
    ああ ひさしくも これを追ふにつかれたこころ

    Reply
  3. shinichi Post author

    咲く心

    うれしきは
    こころ 咲きいづる日なり
    秋、山にむかひて うれひあれば
    わがこころ 花と咲くなり

    Reply
  4. shinichi Post author

    心 よ

    ほのかにも いろづいてゆく こころ
    われながら あいらしいこころよ
    ながれ ゆくものよ
    さあ それならば ゆくがいい
    「役立たぬもの」にあくがれて はてしなく
    まぼろしを 追ふて かぎりなく
    こころときめいて かけりゆけよ

    Reply

Leave a Reply to shinichi Cancel reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *