小出五郎

Koide不確実なことを、どうやって考えていくかということになりますとね、これは非常に誰が見ても明らかに公正だと、非常に透明性に富んでいるということの中で、物事を決めていかなきゃいけない。
その関係者がみんな集まって、とにかく議論をする、クローズドの小さな私的会合というのがありますと、そのたびに不信感が増していく。
物事を、とにかく早くから、そういう議論をしていくことが必要で、遅れるごとに誤解がだんだん増えていくということで、とにかく早く始める。そして、公明正大にやっていくというようなことが必要だということを、EUでも言っているわけですね。
やっぱり、これは近代社会といいますか、今の社会に必要なことで、そういう意味で、やはり関係者が、消費者も含めて、この問題を議論していくと、そして全体のコンセンサスを、その中で信頼関係をもとに作っていくということが、やっぱり欠かせないことだと思いますね。

One thought on “小出五郎

  1. shinichi Post author

    謎のミツバチ大量死 
    EU農薬規制の波紋

    クローズアップ現代

    http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3401_1.html

    小出五郎

    農薬規制に踏み切ったEU どう見る?
    やはり、これはEUそのものの設立の理念の中に、こういった問題に、環境の中で、わけの分からない問題については、やはり予防原則を適用するという、これ、理念ですからね。
    やっぱり原則、まさに予防原則に沿って決めたということになると思うんですね。
    その2年間の中で、何をやるかということなんですけれども、これはやっぱりキーワードとしては、不確実だということだと思うんですよ。
    ネオニコチノイド系の農薬の影響を、いろんな不確実な点が、要するに、分かっていること、分かってないこと、それから、いったいどこが分かりにくいのか、そのへんのことがあまり全体がよく分かってないと。
    実際、分かってないことはいっぱいあるわけですけれども、例えば浸透性が非常に強いということで、植物の中に、いろんなところにあるわけですね。
    花粉なんかにも入っているわけで、例えば、その花粉を巣に持ち帰ったら、そして、幼虫を育てるのに与えたら、幼虫もおかしくなるんじゃないか、次の世代がおかしくなるんじゃないかということもあるし、長期毒性、よく分からないところがある。
    今までの農薬というのは、やっぱり急性毒性といいますか、それを中心に考えていったものですから、そのへんのことはよく分からないわけですね。
    さらにそのほか、例えば病害虫の影響があるんじゃないか、ほかにあるんじゃないか、寄生虫の問題もあるんじゃないか、環境変化が影響を及ぼしているんじゃないんだろうかとか、それから、人間が長いこと見過ごした、遺伝的に少し変わってきちゃってるんじゃないかとか、いろんなことがあるわけですけれども、その中でやはり、農薬の疑いが捨てきれないということで、予防原則を適用したということなんですね。
    その2年間の中には、さらに科学的に不確実な点を明らかにするのみならず、ほかに代わるべき手段があるのかとか、あるいはコスト、もしそれを使わなかったら、どうなっちゃうんだろうかと、そういったことも含めて研究をしていこうかと。
    決して2年間で、なかなか結論が出るとは思えませんけれども、とにかく、そのへんを迫っていこうということなんですね。
    (今までのメーカーなどの検査は、急性毒性中心で、因果関係の調査と?)
    ただ、もっとほかに分からない点が、いっぱいあるということですね。

    ______________________________

    地域で協力し合う長崎県の取り組みについて
    1つは信頼関係が話し合いの中でできたということ、これはすごく大きいことだと思うんですね。
    それから、もう1つは、日本ということを考えましても、北海道から沖縄と大変広い、国土は狭いですけど、非常に複雑な環境の国で、農業の形態も広いところもあれば、中山間地もあるということで、本当に多様性に富んでるわけですね。
    そうすると、一律にものを決めていくということは難しいわけで、広いところは広いところなりに、狭いところは狭いところなりに、何を作るかということにもよりますが、そういう地域でもって、ものを決めていく。
    長崎県というような単位で、これを決めていったと、信頼関係を築けたということと、地域社会がまずリードして、事を進んで決めていこうとした、この2つの点で非常に注目できるんじゃないかと思いますね。
    すごく開かれたプロセスですよね。
    これはEUなんかもそうなんですけれども、こういった不確実なことを、どうやって考えていくかということになりますとね、これは非常に誰が見ても明らかに公正だと、非常に透明性に富んでいるということの中で、物事を決めていかなきゃいけない。
    その関係者がみんな集まって、とにかく議論をする、クローズドの小さな私的会合というのがありますと、そのたびに不信感が増していく。
    その遅れる、非常に物事を、とにかく早くから、そういう議論をしていくことが必要で、遅れるごとに誤解がだんだん増えていくということで、とにかく早く始める。
    そして、公明正大にやっていくというようなことが必要だということを、EUでも言っているわけですね。
    やっぱり、これは近代社会といいますか、今の社会に必要なことで、そういう意味で、やはり関係者が、消費者も含めて、この問題を議論していくと、そして全体のコンセンサスを、その中で信頼関係をもとに作っていくということが、やっぱり欠かせないことだと思いますね。

    謎のミツバチ大量死問題が問いかけるものとは?
    そうですね、因果関係が分からないと、なかなか動けないということがあるんだけれども、やはり、この予防的にものを考えるという精神は、やはり、わけ分からないと言いますか、人間が全部分かってるわけじゃないと、非常に謙虚な気持ちって言いますかね、それが今の時代には特に必要なんじゃないかと。
    いろんな技術があるわけですけれども、そういった謙虚な気持ちっていうのは、やっぱり必要なんだろうということが、前提にあるわけですね。
    しかし、その必要なものは必要だと。
    そうすると、全部それを、じゃあ、やめちゃおうというわけにもいかないってことになると、それはリスクとして、みんなが暮らしていくうえで、受け入れられるリスクというのは、いったいどこらへんにあるのかと。
    これが、本当にほかの問題も含めて、非常に重要な問題ですね。
    やっぱりそれをやるには、やり方というのがあるわけで、まずその不確実な点っていうのは、いったい何なのかって、明らかにしないといけない。
    これは科学の役割ですよね。
    だけど、事は科学だけでは決まらない。
    そうすると、じゃ、代わりのものはなんだろうかとか、あるいはコストはどうなんだろうか、そのほか、いろんな利害っていうのが複雑に絡み合ってくるわけですけれども、それを解きほぐしていかなきゃいけない。
    そういったことを繰り返し繰り返しやっていくということが、実は時間がかかるように思っても、実は、それが非常にかえって効率がよく結論に到達することができるんだと。
    それを決めていく主役は地域社会であって、政府や企業じゃないんだという、このへんもやっぱり、重要なことだと思うんですね。
    特に農業というのは、地域社会がきちんと決めていくことによって生きていくところだし、私たち消費者がそこに絡んでいくということも、また重要だと思いますね。

    食の生産体制 危ういバランスに立っている印象も受けますね
    そうですね。
    それであるがゆえに、より一層、みんなが関心を持つことが重要だと思います。

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