渡邉美樹

Q: この不景気で土日出勤も多く、平日は終電まで働いていますが、残業代は出ず、上司に給与アップを交渉しても断られます。一度挫折した公認会計士の勉強を再開するか、今の会社で頑張るか、悩んでいます。


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A: あなたなりによく頑張っているのだろうとは思います。
しかし、「給与のアップを交渉しても断られてしまう」というのは、あなたはそこで断られるぐらいの評価であるという意味でしょう。「給料をいくら欲しい」と社員に言われて、経営者が「そんなに出せません」と答えるのは、普通に考えれば、「それ以上出さなくてはいけないなら、あなたを雇わない」というメッセージです。
あなたは一生懸命に仕事しているのでしょうが、恐らく会社はあなたが自分で思っているほどには認めてくれていない。その現実を踏まえたうえで、自分はどうすべきかを考えてみたらいいのではないでしょうか。
会社の給料とは、交渉するものではないと思います。相手が勝手に引き上げてくれるものです。自分が「ちょっと安い」と思う時には、経営者側だって「悪いな」と思っているはずです。
それなのに給料については何も言わないことで、「こんなに安い給料で、こんなに働いてもらって、申し訳ない」と、上司に負い目を感じさせられれば、貸しをつくれます。そうすると、黙っていても、次は給料が上がるでしょう。
あなたが働いているのは不動産業界ですよね。今、業界全体が不況と言われる中で「給料を上げてほしい」と言ってくる部下を、上司は快く思わないのではないでしょうか。給料を増やしたくても、そのお金が会社にないのですから。こんな時こそ“会社に貯金する”感覚を持ち、会社に不可欠な人材となるように仕事してください。

One thought on “渡邉美樹

  1. shinichi Post author

    渡邉美樹の「快答乱麻」WEB版

    【16】どんなに働いても、給料が上がりません

    http://www.nikkeibp.co.jp/article/nba/20090316/189107/?ST=career&P=1

    どんなに働いても、給料が上がりません。
    今の会社で頑張るべきか、悩んでいます。
    不動産コンサルティング会社で、物件管理・運営提案をしています。この不景気で土日出勤も多く、平日は終電まで働いていますが、残業代は出ず、上司に給与アップを交渉しても断られます。学生時代に一度挫折した公認会計士の勉強を再開するか、今の会社で頑張るか、悩んでいます。
    (不動産コンサルティング・営業企画、27歳、男性)

     あなたなりによく頑張っているのだろうとは思います。

     しかし、「給与のアップを交渉しても断られてしまう」というのは、あなたはそこで断られるぐらいの評価であるという意味でしょう。「給料をいくら欲しい」と社員に言われて、経営者が「そんなに出せません」と答えるのは、普通に考えれば、「それ以上出さなくてはいけないなら、あなたを雇わない」というメッセージです。

     あなたは一生懸命に仕事しているのでしょうが、恐らく会社はあなたが自分で思っているほどには認めてくれていない。その現実を踏まえたうえで、自分はどうすべきかを考えてみたらいいのではないでしょうか。

     まず今いる不動産コンサルティング会社で必要とされる人材になることが大切ではないかと私は考えます。一度や二度、給与交渉をして断られたから、昔一回やって諦めた公認会計士の勉強をまた始めるという生き方がいいのかどうか。正直、私は疑問に思います。

     会社の給料とは、交渉するものではないと思います。相手が勝手に引き上げてくれるものです。自分が「ちょっと安い」と思う時には、経営者側だって「悪いな」と思っているはずです。

     それなのに給料については何も言わないことで、「こんなに安い給料で、こんなに働いてもらって、申し訳ない」と、上司に負い目を感じさせられれば、貸しをつくれます。そうすると、黙っていても、次は給料が上がるでしょう。

     言ってみれば“会社に貯金をする”感覚です。仕事ができる人間は会社に貯金をするし、できない人間は会社からすぐに“貯金”を引き出そうとするので、いつまで経ってもお金が貯まりません。

     もちろん労働者には、憲法や労働基準法で様々な権利が保障されています。不当な扱いを受ければ、堂々と交渉すべきだと思います。しかし、ここで私が言っているのは、組織の中での人情の機微に触れるような部分の話です。

     上司も人間ですから、給料や評価について事あるごとに言ってくる部下には、どうしても構えてしまうでしょう。反対に、そういうことを全く言わない部下に対してはつき合いやすいと感じるものです。そうすると、お金のことを口にしない部下はますます“貯金”が貯まっていくのです。

     あなたが働いているのは不動産業界ですよね。今、業界全体が不況と言われる中で「給料を上げてほしい」と言ってくる部下を、上司は快く思わないのではないでしょうか。給料を増やしたくても、そのお金が会社にないのですから。こんな時こそ“会社に貯金する”感覚を持ち、会社に不可欠な人材となるように仕事してください。

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