ルイ・ゴンザレス・デ・クラヴィーホ, リュシュアン・ケーレン, 杉山正樹

サマルカンドから明国のほうへ十一日歩いたところに、女人族アマゾンの住む土地がある。アマゾンは男なしで生活する風習を今日まで保っている。ただ、一年のうち、ある時期が来ると、族長は女たちに、娘を連れて近隣の地方へ行くことを許可する。男たちがアマゾンを見かけて食事に招待すると、女たちは気にいった男について行き、ともに飲み食いする。しばらくのあいだいっしょに暮らし、女たちは故郷に戻る。そして、女の子が生まれれば手元に置き、男の子が生まれると父親のもとへ送り返すのである。この女たちは、以前、明国の封臣だったが、現在はティムール・ベッグの封臣になっている。しかし、ギリシャ教会の典礼に従うキリスト教徒である。この女たちは、ギリシャがトロイを滅ぼしたとき、そこに突然現れて戦ったアマゾン女族の末裔で、トロイのアマゾンの女たちの後裔のなかでいまだに生き永らえている氏族が二つあり、その一つはトルコ領にいて、もう一つがこの地にいる。

One thought on “ルイ・ゴンザレス・デ・クラヴィーホ, リュシュアン・ケーレン, 杉山正樹

  1. shinichi Post author

    遥かなるサマルカンド (La route de Samarkand au temps de Tamerlan)

    by ルイ・ゴンザレス・デ・クラヴィーホ (Ruy Gonzalez de Clavijo)

    commented and edited by リュシュアン・ケーレン (Lucien Kehren)

    translated by 杉山正樹

    SamarkandSamarkandF


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