足利義政

つらきかな 曽我の河原に かる草の つかのまもなく 思ひみだれて
春来ぬと ふりさけみれば 天の原 あかねさし出づる 光かすめり
置きまよふ 野原の露に みだれあひて 尾花が袖も 萩が花摺り
今日はまた 咲き残りけり 古里の あすか盛りの 秋萩の花
見し花の 色を残して 白妙の 衣うつなり 夕がほのやど
今日はまづ 思ふばかりの 色みせて 心の奧を いひはつくさじ
さやかなる 影はそのよの 形見かは よしただくもれ 袖の上の月
こぎわかれ ゆけばかなしき 志賀の浦や わが古郷に あらぬ都も
わが思ひ 神さぶるまで つつみこし そのかひなくて 老いにけるかな

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One Response to 足利義政

  1. shinichi says:

    足利義政

    千人万首

    http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/yosimasa.html

    面白いのは義政が万葉集を一方ならず好んだように見えることだ。

      つらきかな曽我の河原にかるかやの束の間もなく思ひみだれて

    この歌は万葉集の日並皇子の「大名児ををちかた野辺に刈るかやの束のあひだも我忘れめや」を踏まえたものだし、

      こぎわかれゆけばかなしき志賀の浦やわが古郷にあらぬ都も

    このユニークな歌は、人麻呂の「灯火の明石大門に入らむ日や漕ぎ別れなむ家のあたり見ず」から示唆されているだろう。

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