コリン・ジョイス

日本で暮らすなら、これだけは覚えておこう。

  • 歌舞伎は歌舞伎町ではやっていない。
  • 「納豆は平気ですか」と30回は聞かれる。
  • 作家とサッカーの違いは大きい。
  • 電車が遅れていると思う前に、君の時計を疑え。
  • 血液型と靴のサイズは調べておけ。
  • 日本の「パブ」は「パブ」ではない。
  • 結婚式には招待されないようにしよう。
  • 「寝ること」だって立派な趣味になる。

こうなれば君は日本で暮らしていける。

  • 電話を切るとき、思わずお辞儀をしてしまう。
  • 「お忙しいところすみませんが」と前置きして喋る。
  • ゴミの分別に、異常に固執してしまう。
  • シャツにプリントされたヘンな英語を読まなくなる。
  • 英国の友人に納豆や梅干しを食べさせたくなる。
  • マスクを着けた人と笑わずに会話できるようになる。
  • 居酒屋で「お通し」が出てくると、ホッとする。
  • お土産に味噌とスルメを持ち帰る。

4 thoughts on “コリン・ジョイス

  1. shinichi Post author

    0088203「ニッポン社会」入門

    英国人記者の抱腹レポート

    by Colin Joyce

    translated by 谷岡健彦

    僕はもう、日本人になりそうだ

    日本社会について手っ取り早く学びたければ、まずプールに行ってみることだ。規則と清潔さを愛し、我慢強い国民性が理解できるから。過剰なまでに礼儀正しく親切な人びと、思ったより簡単で奥深い日本語、ガイドブックには載っていない名所の数々。14年日本に暮らす英紙記者が綴る、意外な発見に満ちた日本案内。

    Reply
  2. shinichi Post author

    コメント by lexusboy

    Amazon.co.jp

    http://www.amazon.co.jp/「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート-生活人新書-コリン-ジョイス /dp/4140882034


    前に買って前に読んだのだが、再度出してきて読んでみて感じるに、優れた日本文化論と思う。
     
    レビューを投稿しようとしたら、多くのレビューがあって、結構メジャーな本なんだとびっくりした。
     
    第1章 「プールに日本社会を見た」
       たくさんある規則にみんなが従うことで、うまくやっている国。
       大きな集団の悪事に対して寛容すぎるのは、日本人の弱点
     
    第2章 「日本語の難易度」
       発音の練習を繰り返したのは「うどん」と「旅館」。「作家」と「サッカー」の区別は難しい。
       単数・複数、性変化、定冠詞・冠詞がなく、時制変化が易しい日本語はむしろ易しい言語。
       会話が相当できるようになっても文章が読めないのは、日本語習得の特徴。(なぜなら)日本語の表記方法はおそろしく厄介だ(からだ)。
     
    第3章 「おもしろい日本語」
       「猿も木から落ちる」、「猫に小判」は無駄がなく要領を得ていて秀逸。「全米が泣いた」が真に意味する皮肉も日本人にユーモアがないという誤解を吹き飛ばすもの。
       魅力的な擬声語や擬態語(「しくしく」)が多く、これは日本人の貴重な共有財産と考えるべき。
       でたらめに英語を拾い上げ日本語に組み込む能力もすばらしい(例:パソコン、マスト・アイテム、億ション)。 
     
    第4章 「日本の第一印象」
       日本の小さな子供が信じられないくらい可愛らしく思えてしかたがなかった(同じように日本の人たちも西洋の子供を信じられないくらい可愛らしいと思っていると聞き、おもしろく思った)
     
    第6章 「行儀の作法」(この章に私は感じ入った)
       サドルを固定するボルトが折れた際に修理をしてくれた自転車屋は代金を受け取らなかった。
       これは、「日本にはまだ共生の感覚が残り、小さな地元の店にしっかり受け継がれているように感じられる」としている。
     
    第7章 「独創性」(なかなか鋭い指摘と感心)
       「花見」、「銭湯」、「新書版」、「品物をきれいに折りたたんだり、包んだりすること」
       「浮世絵」に関する記述も的を得ていると感じる。
     
    第8章 「行動様式」
       「お忙しいところすいませんが」と前置きしてしまう。「ブーム」という単語を使いすぎてしまう。
       注文を辛抱強く待つパブより、すぐに「お通し」がでてくる居酒屋の方が好きになってしまった。   
     
    第10章 「東京の魅力」
       タイムズの東京支局長は「東京の最大の魅力は、どんなに地味なトピックであれ、この街のどこかにそのトピックに傾倒してやまない人々の小さなグループが必ず存在していること」であるとしている。
     
    第12章 「イギリスと日本はにているか」(似ていないというのが結論)
      イギリス人が日本を訪れたとき、マナーのよい人に出会ったと思うのはイギリス人。
      イギリスが日本化しているように思われる(「食」のテレビ番組、ばかばかしい番組の増加、ブランド品嗜好)。
     
    第13章 「メイド・イン・ジャパン」(イギリスに持ち帰るなら選ぶ日本製品)
      「使い捨てカイロ」、「畳スリッパ」、読売新聞が無料配布した「江戸名所図会」
     
    第16章 「日英食文化」
       「ベーコン、チーズ、パン、ビール、紅茶、サンドウィッチ、カレー」はイギリスの方がおいしい。
     
    第17章 「おさらい」
       ・着脱が容易な靴がよい
       ・歌舞伎は歌舞伎町でやっていない
       ・血液型は調べておいた方がよい(よく聞かれるので)  
     
    なお、最後に、彼はデイリーテレグラフ誌の特派員であるわけだが、彼が送った記事がいかに変造されるかが詳しく書いてある。
    ここまで記事が改編されるのとは驚愕する(英国の大衆紙だけの問題なのだろうか?)。

    Reply
  3. shinichi Post author

    誤訳御免!!

    http://shirouto.seesaa.net/article/124577277.html

    **

     まず第三位は「勝負パンツ」。この言い回しを聞いて、感心しなかったイギリス人の友人はひとりもいない。大事なデートの前に着ける下着を指す言葉に関して、日本語ほど正直な言語はほかにあるだろうか?『ブリジット・ジョーンズの日記』があれほどのヒット作となったのは、何百万もの独身女性が「こんなふうに思っているのは自分だけかしら」と思っていることを素直に表に出したからである。重要な局面を前にしてブリジットが下着を穿き替える場面もそのひとつだ。この場面を見て、多くの女性は(そして、少なからぬ男性も)心の中で「ほかの人もやってるんだ!」と思ったことだろう。もし、日本語を知っていたなら、彼らはこれが社会に広く行きわたった習慣だともっと早く理解できていただろうが。
     第二位は「上目遣い」。日本に来てまもなく、女性の中には、何か頼みごとをするときに、まるで子供のように哀れっぽい訴えかけるような目つきでぼくを見上げるというトリックを使う人がいることに気付いた。その後、何年も何年もふざけてそうした女性の真似をしているうち、ある日、誰かがそうした目つきを指す言葉があると教えてくれた。この目つきを指す言葉が存在するとは! 日本語はすごい。
     しかし何といってもベストワンは「おニュー」だ。この言葉を初めて聞いたとき、ぼくは声を出して笑い、その日一日、この言葉について考えをめぐらせたものだ。英単語と日本語の丁寧語をかけ合わせるなんて! この言葉は初めて何かを使うときに感じる束の間の幸福感を見事にとらえているし、そこにはユーモアとアイロニーが同時に含まれている。しかも、短い英単語の前にたった一文字つけ加えるだけで、それだけのニュアンスを伝えているのだ。
     この言い回しを英語に翻訳するアダプターが耳についてなかったことにぼくは感謝している。

    **

    日本語の巧みな言い回しや洞察にみちた表現、あるいは腹を抱えて笑ってしまうほどユーモラスなフレーズを知ること自体、すごく楽しいことなのである。
     まず、日本語には気の利いた諺がいくちもある。なかでも、「猿も木から落ちる」は日本語学習者なら誰でも早い段階で学ぶ諺だし、おそらく最も優れた言い回しだろう。初学者でもわかる簡単な単語を用いながら、それをつなげた文全体は、人間には誤りがつきもであることを力強く、かつユーモアに伝えている。この諺とくらべれば、英語の「Nobody is perfect」(完璧な人はいない)などその足下にもおよばない。「猫に小判」という諺を聞いて、ぼくが感じるのと同じぐらいの面白味を感じる日本人はいるだろうか。この諺を耳にするたびに、ぼくは子供の頃に飼っていたギマリーという名の猫を思い出す。この猫はよく(おそらく、どの猫も同じだろうが)まったく関心がありませんとでも言いたげな表情を浮かべていたものだ。それにしても、なんと無駄がなく要領を得た言い回しだろう。わずか単語三つで、このうえなく明快に意味を伝えている。
     まだ辞書には載っていないが、最近、耳にしたフレーズがある。複雑な敬意を持っているが、まぎれもなく独創的な表現で、ぼくはこれについて記事を書こうとさえ思ったのだが、あいにく知り合いのイギリス人
    記者に先を越されてしまった。「全米が泣いた」という言い方である。どうやら、ある商品やサービスに対してさっぱり関心を持てないときに、皮肉を込めて用いられるらしい。ここにはちょっと入り組んだロジックが働いている。アメリカ産のレベルの低い映画の宣伝文句として、「全米が泣いた」という陳腐な言い回しがあまりに頻繁に用いられたために、期待はずれのもの、過大評価されているもの、たんにくだらないものに対しても使われるようになったのだ。この独創的な表現は、日本人についてふたつの大きな誤解を吹き飛ばしてくれる。日本人はユーモアに欠けているわけではないし、アメリカのものなら何でもありがたがるわけでもない。

    **

     「日本人になりそう。日本人になりそうな気がする。ほんとうにそんな気がするんだ・・・・・・」
     これは80年代初期のポップソングの歌詞で、いまでもぼくの知り合いのほとんど誰もがこのフレーズを覚えている。
    (中略)
     しかし、それでもやはり、ぼくは日本人の行動様式をいろいろと身につけ始めてもいるのである。仲間のイギリス人記者のひとりは、英語で頼みごとをするときでさえ、いつも ” I know you’er busy but… ” (お忙しいところすみませんが)と前置きしてしまうと言っていた。(イギリスでは通例、不必要なフレーズだ)。また、よく冗談で「上司に ” scolded severely ” したよ。(ひどく叱られたよ)」などと言ったりする。日本語の「叱る」を翻訳するとたしかに ” scold ” としか言いようがないのだが、これは子供に関してのみ用いられる言葉なのだ。あるいは、店員から「申し訳ありませんが」に相当するフレーズもなしに、いきなり「売り切れです」と言われたら、ぼくはすごくムッとすることだろう。
     それに、日本の生活習慣の中には、すごく理にかなっているのでやめられないものもある。日本に住んだことのあるイギリス人で、イギリスでの風呂の入り方、ぬるぬるした泡の中に浸かる入浴の仕方に戻る気がしないのはぼくだけではあるまい。ぼくの高校時代の親友のふたりは、日本に住んで以来、自分の家にやって来る人たちに玄関で靴を脱ぐように言っている。
     奇妙なことに、ぼくの両親と姉も靴を玄関で脱いだ方がいいと思っているのだ――三人とも日本に来たことがないにもかかわらず。思うに、これはぼくが彼らをゆっくりと「改宗」させたからだろう。何年にもわたって、ぼくは日本から家に細々とした品物をあれこれと送り続け、ぼくの家族はそうした品々にだんだんと興味をもつようになってきたのである。べつに高価な品物ではない。さりげなく日本人の美的センスがうかがえる、ありきたりのものとは一味違った品物だ。ぼくの姉の家の棚のいちばん目立つところには、ぼくが百円ショップで買った湯呑みが置かれている。ぼくの祖母は、ぼくがプレゼントした布巾、紺色の瓢箪の絵が入ったふつうの布巾が大のお気に入りだった。祖母には濡れた皿を拭くのに使うものだよと説明したのだが、祖母はその布巾をずっと暖炉の上に飾っていた。

    **

     品物を選ぶにあたって、いくつか基本的な原則がある。イギリスでも買える品物を持ち帰っても意味がない。以前は、これは大きな問題ではなかった。しかし、だんだん、さまざまな日本製品を思いもよらないところで目にするようになってきている。たとえば、ぼくはよく無印良品の名刺入れを友人に持って帰ってあげていた。ぼくの考えでは、一流のデザインの名刺入れだ。すると、この名刺入れはロンドンのMUJIですごく売れ筋の品であることがわかった。ただ、イギリス人の男の中にはこれをコンドーム入れとして使っている連中もいるようだが。
     重いものも原則として除外である。ぼくはぜひマッサージ椅子を持ち帰りたいと思っているのだが、残念ながら、スーツケースに入るサイズのものをまだ見つけることができないでいる。
     重くても、小さな容器にぎっしり詰まったものなら、ぼくのスーツケースに入れられないわけでもない。たとえば、味噌がそうだ。面白いことに、いくつもの空港や都市を経由して荷物を引きずっていくとなると、品物に対する金銭感覚が変わってしまう。安い味噌を求めて必死になっても意味がない。目に入った、いちばん高価な味噌に自然と手が伸びてしまうのである。もちろん、味噌をプレゼントしたところで、イギリスで味噌汁を作ろうとする人などひとりもいない。ぼくは味噌汁ではなく、きゅうりを切り、味噌をつけて食べるところを実演してやる。これほど安上がりで健康的、かつ美味しい軽食はそうざらにあるものでもないだろう。
     腐りやすい品物もダメだ。したがって枝豆は除外である。━━━腐りやすい点を除けば、ぜひスーツケースの中に入れたい一品なのだが。枝豆を口にした外国人はたいてい、たちまちのうちに枝豆のファンになる。ぼくは以前、イギリスに最終的に帰国することとなったら、どれほど枝豆を恋しく思うことだろうとよく心配したものだった。しかし、聞くところによると、いまではロンドンでも枝豆を買えるそうだ。何と「エダマメ」という名で呼ばれているらしい。

    **

      日本のこと、本当に知りたい?
    壱:基礎編
      プールに日本社会を見た
    弐:日本の難易度 
      日本語、恐るるに足らず
    参:面白い日本語
      イライラ、しくしく、ずんぐりむっくり
    四:日本の第一印象
      サムライ・サラリーマンなんていなかった
    五:日本の日常
      日本以外では「決して」見られない光景
    六:行儀作法
      英国紳士とジャパニーズ・ジェントルマン
    七:独創性
      日本人はすぐれた発明家だ
    八:ビールとサッカー
      日本の「失われなかった」十年
    九:行動様式
      日本人になりそうだ
    九1/2:ジョーク
      イギリス人をからかおう
    拾:東京の魅力
      わが町、東京を弁護する
    拾壱:東京案内
      トーキョー「裏」観光ガイド
    拾弐:ふたつの「島国」
      イギリスと日本は似ている!?
    拾参:メイド・イン・ジャパン
      イギリスに持ち帰るべきお土産
    拾四:特派員の仕事
      イギリス人が読みたがる日本のニュース
    拾五:ガイジンとして
      日本社会の「和」を乱せますが?
    拾六:日英食文化
      鰻の漬物、アリマス
    拾七:おさらい
      ぼくの架空の後任者への手紙

    Reply
  4. shinichi Post author

    この夏を忘れさせてくれた一冊の本 

    by 塩野七生

    日本人へ137   

    文藝春秋 2014年10月号

    白髪が増えるのはオバマにまかせておいて、権力も決定権も持たないわれわれは何か他に精神の安定に役立つものを見つけたほうがよいと思っていた私だが、そこで出会ったのが次の一冊だった。

    タイトルは、『「ニッポン社会」入門』、サブタイトルには、「英国人記者の抱腹レポート」とある。著者は「デイリー・テレグラフ」の東京特派員で、名はコリン・ジョイス。

    Reply

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *