第1曲 夕べに(Des Abends) 変ニ長調
Sehr innig zu spielen (非常に心を込めて弾く; Con molto sentimento)
3連符の伴奏の上に、もう1つ大きな単位の、アクセントの違う3連符の旋律が歌われる。つまり2拍子でありながら伴奏は2拍子、旋律は3拍子を感じさせ、それが複雑に絡み合うことで、独特の幻想味を醸し出している。
第2曲 飛翔(Aufschwung) ロンド形式 ヘ短調
Sehr rasch(極めて速く; Molto vivo)
曲集の中では、最も有名なものである。力強い冒頭が印象的。内声部に情熱的な旋律が歌われる主部と、Bでは変ニ長調に転じ、軽やかに高音部で歌われる。Cでは変ロ長調になり、幾分落ち着いたものとなる。手が小さいと演奏困難で、味を出すには相当な技術が必要。
第3曲 なぜに(Warum?) 変ニ長調
Langsam und zart(ゆっくりそして優しく; Lento e teneramente)
標題の通り、問いかけるような主題が2声で進行する。
第4曲 気まぐれ(Grillen)
Mit Humor(ユーモアをもって; Con umore)
スケルツォの形をとる。変ニ長調であるが、変ロ短調(しかも属和音)で開始され、すぐに変ト長調となり、変イ長調を経て、16小節目でやっと変ニ長調が示されるなど、主部だけで十分に気まぐれ的な要素を含んでいる。中間部は変ト長調のコラールとなるが、やはり気まぐれなものである。
第5曲 夜に(In der Nacht) ヘ短調
Mit Leidenschaft(情熱をもって; Appassionato)
波打つようなアルペッジョの伴奏に、断片的な旋律が顔を見せる。シューマンはこの曲集の中では最も気に入っており、クララにも最も演奏会に適した曲として薦めている。
第8曲 歌の終わり(Ende vom Lied) ヘ長調
Mit gutem Humor (適度なユーモアをもって; Con buon umore)
『クライスレリアーナ』でも見られるように、シューマンは曲集の最後でたびたびユーモアを用いた。オクターブが折り重なって音楽ができあがっていく様を、シューマン自身は「結婚式と葬式の鐘が入り混じって聞こえてくる」と表現した。コーダは瞑想的なコラールとなり、静かに鐘の余韻が響いて、終わる。
Schumann: Fantasiestücke, Op. 12, Argerich (1976)
1. Des Abends 0:02
2. Aufschwung 3:26
3. Warum 6:22
4. Grillen 8:26
5. In der Nacht 11:21
6. Fabel 14:47
7. Traumes Wirren 17:20
8. Ende vom Lied 19:34
幻想小曲集作品12 (シューマン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/幻想小曲集作品12_(シューマン)
第1曲 夕べに(Des Abends) 変ニ長調
Sehr innig zu spielen (非常に心を込めて弾く; Con molto sentimento)
3連符の伴奏の上に、もう1つ大きな単位の、アクセントの違う3連符の旋律が歌われる。つまり2拍子でありながら伴奏は2拍子、旋律は3拍子を感じさせ、それが複雑に絡み合うことで、独特の幻想味を醸し出している。
第2曲 飛翔(Aufschwung) ロンド形式 ヘ短調
Sehr rasch(極めて速く; Molto vivo)
曲集の中では、最も有名なものである。力強い冒頭が印象的。内声部に情熱的な旋律が歌われる主部と、Bでは変ニ長調に転じ、軽やかに高音部で歌われる。Cでは変ロ長調になり、幾分落ち着いたものとなる。手が小さいと演奏困難で、味を出すには相当な技術が必要。
第3曲 なぜに(Warum?) 変ニ長調
Langsam und zart(ゆっくりそして優しく; Lento e teneramente)
標題の通り、問いかけるような主題が2声で進行する。
第4曲 気まぐれ(Grillen)
Mit Humor(ユーモアをもって; Con umore)
スケルツォの形をとる。変ニ長調であるが、変ロ短調(しかも属和音)で開始され、すぐに変ト長調となり、変イ長調を経て、16小節目でやっと変ニ長調が示されるなど、主部だけで十分に気まぐれ的な要素を含んでいる。中間部は変ト長調のコラールとなるが、やはり気まぐれなものである。
第5曲 夜に(In der Nacht) ヘ短調
Mit Leidenschaft(情熱をもって; Appassionato)
波打つようなアルペッジョの伴奏に、断片的な旋律が顔を見せる。シューマンはこの曲集の中では最も気に入っており、クララにも最も演奏会に適した曲として薦めている。
第6曲 寓話(Fabel) ハ長調
Langsam(ゆっくり; Lento)
フェルマータを含む遅い部分と、スタッカートの速い部分が交替する。
第7曲 夢のもつれ(Traumes Wirren) ヘ長調
Äußerst lebhaft(極めて速く; Vivacissimo)
音はきわめて速く、軽やかに鍵盤上を駆け巡る。それは一時の夢を見ているようである。その弾きにくさからしばしば「指のもつれ」と揶揄される。中間部は変ニ長調のコラールとなり、下属調の変ト長調で主題再現、半音下のヘ長調に戻る。
第8曲 歌の終わり(Ende vom Lied) ヘ長調
Mit gutem Humor (適度なユーモアをもって; Con buon umore)
『クライスレリアーナ』でも見られるように、シューマンは曲集の最後でたびたびユーモアを用いた。オクターブが折り重なって音楽ができあがっていく様を、シューマン自身は「結婚式と葬式の鐘が入り混じって聞こえてくる」と表現した。コーダは瞑想的なコラールとなり、静かに鐘の余韻が響いて、終わる。
Robert Schumann – Kreisleriana, Op. 16: I. Äusserst Bewegt
Martha Argerich
Robert Schumann – Piano Sonata No. 2 in G Minor, Op. 22
Martha Argerich