日本経済新聞

世界の生命保険市場の2割強がアメリカ、2割弱が日本。「二大大国」と言われる。ただし、日本人の払う保険料の国内総生産に対する比率は8.8%と世界一で、アメリカ(3.6%)の2倍以上だ。

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  1. shinichi Post author

    保険料に2倍の差 生保選びに役立つ4つの謎解き

    by 田村正之

    日本経済新聞

    2013/8/18

    http://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXZZO58473730U3A810C1000000

    ライフネット生命保険などネット生保誕生から5年。4月には楽天生命保険も加わった。様々な割安商品が登場した昨今、同額の死亡保障でも保険料格差はときに2倍強に達する。家計を左右する差が生じる謎を探った。

     日本、明治安田、第一の大手生命保険3社の合計で2012年度は1兆1000億円強。これは予定した死亡率より実際の死亡率が低かったことなどで生まれる「危険差益」と呼ばれる数字だ(グラフA)。第1の「謎」はこの巨額さだ。

    ■想定死亡率高め

     表Bは厚生労働省発表の日本人の死亡率(12年版)と、保険各社が保険料設定に共通に使う標準生命表(男性)。死亡保険向けは厚労省の数字より高い。実際より多く亡くなる前提なので、保険料のベースが高くなる。

     逆に医療・年金保険は厚労省の数字より死亡率が低い。その分長生きして保険金を払い続ける前提なので、やはり保険料は高くなる。この実際の死亡率との差が巨額の差益を生む。

     保険会社の主な利益(3利源)には危険差益のほか、契約者に約束した運用利回りと実際の利回りの差である「利差損益」などがある。こちらは最近は解消・縮小傾向だ(グラフA)。

     取り過ぎた保険料は一部が配当として返されるが、12年度決算では3社合計で約4000億円。危険差益よりはるかに少ない額だ。

     思わず「ずるい」と言いたくなるが、保険会社の経営が危うくなり支払いが滞ると困るのは契約者。経営の健全度を守るために一定の「安全余裕率」を持たせる仕組み、つまり危険差益が生じるような構造は必要ではある。

     ただし、契約者側もこの前提で「保険料はそもそも高くなりがち」であることを理解することが大切だ。割安に見える保険はあるが、入り過ぎを避けるべきだろう。

     では、同じ生命表を使っているのに、なぜ保険料に大差が出るのか(表C)。第2の謎だ。例えば30歳男性で大手の有配当の死亡定期保険と、4月にネット向け商品を出した楽天生命では2倍強の差だ。

     保険料は保険金の支払いに備える「純保険料」と、経費などになる付加保険料で構成される(ちなみに冒頭の危険差益は純保険料から生まれる)。純保険料は、通常の死亡定期保険ではどの社もほぼ同じ水準だ。

     大手に比べネット生保の保険料が割安になる理由は、付加保険料の違い(グラフD)にある。大手は営業員の人件費や営業所の維持費用などがかかるため、付加保険料が高くなる。

     大手は配当の出る保険が多いので、保険料を比べるときは考慮すべきとの見方もあるだろう。配当は商品や契約年で千差万別だが、個人契約保険では保険料の数%から10%前後が多い。それを考慮した実質で比べても、一般に無配当のネット生保が安いことが多い。

    ■ネット系伸びず

     ネット生保の保険料収入の市場シェアはライフネットとアクサダイレクト生命保険の合計でわずか0.02%。3つめの謎は「保険料が安いのにシェアが高まっていない」(ライフネットの岩瀬大輔社長)ことだ。

     アクサダイレクトの斎藤英明社長は「つぶれたら怖い、というイメージがあるのでは」とみる。

     実際にはネット生保の経営の健全性を示す「ソルベンシー・マージン比率」はいずれも高水準。また生保の破綻時は別の会社か保険契約者保護機構が保険を引き継ぐ決まり。中でもネット生保が主力とする「10年定期」は仕組み上、ほとんど減額されない(終身保険は相対的に減額が大きいこともあり得る)。

     第4の謎は「健康体割引」の安さ。「健康体割引の保険に切り替えて保険料が半分になった」と話すのは東京都内の金融機関に勤める男性(51)。選んだのはメットライフアリコ生命保険の「スーパー割引定期保険」だ。

     健康な非喫煙者などに限定するので死亡率が低く、純保険料が安い。保険金契約を2000万円以上にして効率的に保険料を徴収することで、経費(付加保険料)も抑えた(図D)。健康体割引の商品は他社にもあるので比較してみよう。

     表Cでは会社ごとに入る団体保険の安さも目立つ。まとめて事務手続きができるため付加保険料が低い。さらに1年ごとの更新なので毎年余った分を配当で返しやすい。「団体によっては何割も配当で返る年もある」(アリコ)ため、実質的な保険料負担は表Cの数字より大きく下がることも多い。

     ただ保険料は団体で千差万別。構成員が少ないと上がりがちで、アリコの場合、100人規模ならネット生保より高めになる。

    ■負担多い日本人

     ネット生保や団体保険は割安だが、大手生保の個人契約保険には、営業員による丁寧な説明に加え、震災時などに連絡の取れない契約者を探して保険金を迅速に支払うなど、人員が多いことによるメリットもある。総合的に判断して組み合わせるのも手だ。

     生命保険協会の調査では日本人の払う保険料の国内総生産に対する比率は11年で8.8%。先進7カ国中トップで米国(3.6%)の2倍以上だ。死亡率、純保険料、付加保険料などの仕組みを知り、賢く使うことが家計改善につながる。

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