本当の自分はどこにあるのか?
「現代病」と呼ぶには、あまりにも古い病です。《自分探し》という人類の文明とともに流行りだしたこの病気には、誰しも一度はかからねばならないと思います。赤ちゃんが必ず一度かかる「知恵熱」ではありませんが、大人になるためには《自分探し》の時期が必要です。しかし《自分探し》はあくまでも病気であるということを忘れないでください。《自分探し》の解決は、探していた《自分》をようやく手に入れたときに訪れるのではありません。そんな《自分》というものは、最初からないのですから。
迷いながら生きる
ドイツ人禅僧が語る、「自分」にとらわれない考え方
by ネルケ 無方