高杉良

Takasugi石川島播磨重工業(IHI)の情報システム室事業開発センター所長の碓井優が直接の上司である情報システム室長の中川に眦を決して対峙するにはそれなりのわけがある。碓井たちが手塩にかけて育ててきたコンピュータ・システムの外販事業が崩壊に瀕していたからだ。
IHIは造船部門で蓄積したコンピュータ・システムに関するソフトウェアを社内の物流、販売などの合理化に利用したうえで余力を外販に向けることにし、事業化したが、碓井たちが開拓したユーザーにはアラビア石油、教育者、全国農業協同組合連合会、ソニー、東洋工業、日本交通公社、ビクター、ブリヂストンタイヤ、安川電機製作所、雪印乳業などがある。

2 thoughts on “高杉良

  1. shinichi Post author

    大脱走
    スピンアウト

    by 高杉 良

    会社が仕事を奪うなら、奪い返すしかない──石川島播磨重工業は、自社の設計・物流のために開発した情報システムを社外にも売る事業を進めていたが、一転して撤退を決める。しかし、事業の意義と将来性を知り抜いた碓井優を中心とするシステム部門の面々は、会社を捨てて起業することを決意し、水面下での戦いを始めた。80年代に経済界を震撼させた「集団脱藩」事件の実名実録小説。

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  2. shinichi Post author

    (sk)

    開発したソフトウェアは会社のもの。顧客も会社のもの。だとすれば、スピンアウトなどできはしない。

    実際にあったことだけに、この小説に書かれていないところ、特にソフトウェアが誰のものなのかというところを、もっと知りたいと思った。

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