三島由紀夫

ぼくは自分をもうペトロニウスみたいなものだと思っているんです。 そして、大げさな話ですが、日本語を知っている人間は、おれのゼネレーションでおしまいだろうと思うんです。
日本の古典のことばが体に入っている人間というのは、もうこれからは出てこないでしょうね。未来にあるのは、まあ国際主義か、一種の抽象主義ですかね。
・・・それで、世界がすくなくとも資本主義国では全部が同じ問題をかかえ、言語こそ違え、まったく同じ精神、同じ生活感情の中でやっていくことになるんでしょうね。そういう時代が来たって、それはよいですよ。こっちは、もう最後の人間なんだから、どうしようもない。

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