武藤貴也

まず「国民主権」について。戦後の日本は新しい「日本国憲法」の思想のもとで、民主主義を疑わず、またその持つ問題点を議論することなく、衆愚政治に陥ることを防ぐシステムもつくらず、ただただ「民意」を「至高の法」としてしまった。
次に「基本的人権の尊重」について。私はこれが日本精神を破壊した「主犯」だと考えているが、この「基本的人権」は、戦前は制限されて当たり前だと考えられていた。全ての国民は、国家があり、地域があり、家族があり、その中で生きている。国家が滅ぼされてしまったら、当然その国の国民も滅びてしまう。従って、国家や地域を守るためには基本的人権は、例え「生存権」であっても制限されるものだというのがいわば「常識」であった。
三番目の「平和主義」については、言わずもがなである。「日本国憲法」は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と述べ、「戦争放棄、戦力不保持、交戦権の否認」を規定した。冷静に考えれば、これでは到底他国の侵略に備えることは出来ない。そのことがわかっているからこそ、日本は自衛隊をつくり維持して来たはずである。
以上述べたように「日本国憲法」の問題は9条の問題だけではない。「日本国憲法」の思想そのものが「日本精神」を破壊してしまったと私は考えている。

2 thoughts on “武藤貴也

Leave a Reply to shinichi Cancel reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *