西行, 藤原定家, 寂蓮 2 Replies さびしさはその色としもなかりけりまき立つ山の秋の夕ぐれ (西行) 見渡せば花ももみぢもなかりけり浦のとまやの秋の夕ぐれ (定家) 心なき身にもあはれは知られけりしぎたつ澤の秋の夕ぐれ (寂蓮)
shinichi Post author10/08/2015 at 4:04 am 西行 さびしさはその色としもなかりけりまき立つ山の秋の夕暮 願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月の頃 春風の花を散らすと見る夢はさめても胸のさわぐなりけり 君が住む宿のつぼをば菊ぞかざる仙のみやといふべかるらむ 身を捨つる人はまことに捨つるかは捨てぬ人こそ捨つるなりけれ 世中を厭ふまでこそ難からめ仮のやどりを惜む君かな さびしさに堪へたる人のまたもあれな庵ならべむ冬の山里 藤原定家 見渡せば花ももみぢもなかりけり浦のとまやの秋の夕暮 こぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くやもしほの身もこがれつつ ひとりぬる山鳥のをのしだりをに霜おきまよふ床の月影 帰るさのものとや人のながむらん待つ夜ながらの有明の月 春の夜のゆめのうき橋とだえして峰にわかるる横雲のそら 駒とめて袖うちはらふかげもなし佐野のわたりの雪の夕暮 寂蓮 心なき身にもあはれは知られけりしぎたつ澤の秋の夕ぐれ さびしさはその色としもなかりけり槙立つ山の秋の夕暮 村雨の露もまだひぬまきの葉に霧立ちのぼる秋の夕暮 尾上より門田にかよふ秋風に稲葉をわたるさを鹿の声 さびしさに憂き世をかへて忍ばずはひとり聞くべき松の風かは 紫の雲路にさそふ琴の音にうき世をはらふ嶺の松風 Reply ↓
shinichi Post author10/08/2015 at 1:51 pm 枕草子 by 清少納言 秋は夕暮れ 夕日のさして 山の端 いと近うなりたるに からすの寝どころへ行くとて 三つ四つ 二つ三つなど 飛び急ぐさへあはれなり まいて雁などのつらねたるが いと小さく見ゆるはいとをかし 日入り果てて 風の音 虫の音など はたいふべきにあらず Reply ↓
西行
藤原定家
寂蓮
枕草子
by 清少納言
秋は夕暮れ
夕日のさして 山の端
いと近うなりたるに
からすの寝どころへ行くとて
三つ四つ 二つ三つなど
飛び急ぐさへあはれなり
まいて雁などのつらねたるが
いと小さく見ゆるはいとをかし
日入り果てて
風の音 虫の音など
はたいふべきにあらず