野田祐機

何でグローバル化が問題になっているのか? 日本においては仕事や富がなくなるからではありません。英語ができないからリストラされる。。という話でもないのです。問題になっているのは変化のスピードがとてつもなく速く、誰も対応できていないことなのです。日本ならではの価値。これを創る時間も、発信する時間も、その人材も整っていない。そしていつのまにか超円高になり、震災の対応もままならない。。。
グローバル化に対応するには国の制度も教育も大きく変えなければならないのに、変化のスピードが速すぎて行政も会社のトップも対応できていない。グローバル化が問題なのではなく、このスピードが速すぎること、組織や社会構造が対応できていないことが問題だと思っています。 
これに対しての解決策は二つあると言われています。
1. 組織の在り方をピラミッド型からネットワーク型に変えること
2. 行政、企業、市民の距離を近づけ、三者が連携して問題に取り組むこと
この二つです。 夢物語のようなことですがこれは私自身、さまざまな活動を通じてようやく腑に落ちた部分です。この二つのやり方に変えないと、今のままではもう無理だと思っています。

One thought on “野田祐機

  1. shinichi Post author

    togetterにまとめきれなかった、グローバリゼーションの本質

    by 野田祐機

    http://learnbydoing.jp/2012/01/26/globalization/

    グローバリゼーションが起こると、仕事やお金が他の国にいってしまいます。財務、人事、ITサポート系のパソコン、ネット、ある程度の知識があればできる仕事が移るのです。このような「需要が多く、スキルを比較的短期間に身につけやすい」仕事は、どの国でも需要があるためコストが安いところに仕事が流れます。

    なぜ、仕事が海外に行くようになったかと言うと、
    1.IT化によりコミュニケーションコストが低くなった (ネット、スカイプですぐ連絡がつく)
    2.世界の貿易、物流コストが下がった
    3.英語が世界的に共通言語となり、コミュニケーションがどこの国ともとれるようになった

    これらのことがあげられます。わかりやすく書くと、コミュニケーション、物流のプラットフォームが使いやすくなった。としておきましょう。
    これらの仕事が他の国にいくと、その国の雇用は増え、経済は活性化します。でも、無くなった国は仕事とその人たちの富が減っていきます。ただ、これは先進国の立場であるため、仕事が移転している新興国の立場で一度考えてみましょう。

    これらの国はこれまであまり産業もなく、経済もあまり活性化していませんでした。それが
    1.物価が安い、月給はなんと2万円でよい
    2.ネット、物流のプラットフォームが揃った
    3.英語や日本語ができ、スキルの高い人材がいる

    というものを武器に世界中から、工場やサービスセンターの仕事を獲得しています。彼らの仕事は国内ではありません、世界中から受託しているのです。この世界中からというのが、ミソなんです。
    彼らの武器は低コストでクオリティーの高い労働力がいること。それを武器に世界中から仕事を集めています。

    では、これが先進国ではどうでしょうか?
    1.コストが高い、給料は20万円
    2.ネット、物流のプラットフォームは使える
    3.○○が得意

    と先ほどと同じフォーマットで考えたところ、高い給料を払ってまで世界が欲しいと言われるモノやサービスが提供できていません。 世界に目を向けているかと言われると日本だとクエスチョンマークがつくと感じています。(国内はもう今後先細りにも関わらず。。。)

    この高い給料を払って、価値の高いものを生み出す仕事が、今先進国には求められています。さもないと、誰もができる仕事はグローバル化の中では安い国にアウトソーシングされるのです。

    では、先進国はどうすべきなのか?
    わかりやすい例がAppleの iphoneだと最近考えています。iphoneをお持ちの方は、iphoneの裏面にこうかいてあるのが確認できるはずです。

    i phone のデサインはアメリカのカリフォルニア、製造は中国です。同じようなスペックのものはどこでも作れる。それは中国企業であろうと、日本企業の東芝やソニーであろうと作れるんです。だけど、iphoneが与えてくれるワクワク、User Experienceの仕組みはアメリカのapple本社でしかデザインできないのです。

    実はスティーブジョブズはappleのCEOに返り咲いた時、真っ先に会社の工場を売り払ったそうです。それは従業員に創造性のない仕事をさせたくなかったから。だから、クリエイティビティの必要なデザインを徹底し、ユーザーに新しい経験を与える製品をプラットフォームから設計し、人々を惹きつける広告を作っているのです。クリエイティビティがないと、製品のスペックだけでは差別化できないことをジョブズはわかっていたからです。

    新しい価値を生み出す。これは世界を変えます。対照的に製造する、財務処理をする、と言った作業的なことは、新しい価値、付加価値を生み出すことができません。

    携帯を例にすると、似たようなスペックをもつandroidの携帯はどこででも作れるようになったのです。だけど、付加価値、顧客にwowを与える携帯、i phoneはアップルにしか作れないのです。だから、Appleは世界一の企業になったと私は考えています。

    このAppleのように付加価値を生みだすことを給料の高い先進国では求められており、付加価値を生みださない事務的な仕事がコストの安い国にアウトソーシングされていると考えています。

    **

    新興国
    1.物価が安い、給料が2万円でいい
    2.ネット、物流のプラットフォームが揃った
    3.英語や日本語ができ、スキルの高い人材がいる
    -> 結果、工場やITのサポート、会計の会社が新興国に増える。顧客は世界中から

    日本
    1.コストが高い、給料は20万円
    2.ネット、物流のプラットフォームは使える
    3.○○が得意
    ->この○○の得意なところ今世界の中で見えてない。物作り? 高度医療? ん? 何なの?(実は経済産業省が特化する分野と言うのは選んではいるのですが。。)

    世界の中での日本。この得意なところが見えてない、ちゃんと伝えきれていない。だから、日本という国のプレゼンスが低くなっています。合わせて、英語が通じない、人間関係や独自の商習慣、決定が遅い、年功序列で組合が強いとなると、日本以外の国にとっては複雑で、あまり日本とビジネスをやろうとは思わなくなります。ただでさえ、人口は減り、GDPも減る。右肩下がりの国に投資するより、コストが安く、伸びる新興国にお金が集まるのは当たり前です。 そして、下がり続けるしかない日本。これが私が日本に危機感を抱く理由です。

    Hal_Jのまとめにもあったように日本で20万円の仕事を新興国では2万円でできる。同じような土俵で戦っても10倍の差が埋まるとは考えづらい。だから、日本でしかできないこと、20万円払っても価値あるもの、日本の強みを世界に発信していくしかないのです。そうしないと、仕事はどんどん奪われていってしまいます。

    日本のマーケットは今後人口の低下にあわせて縮小します。そこで世界を相手に価値を提供する必要があるが、それが決まっていない、世界に認識されてない。日本の構造が変わっていない。 せっかくコミュニケーションのプラットフォームのインターネット、物流というプラットフォームは充分に揃っているのに。。。。

    というのが、再度、私が日本に危機感を抱く理由です。

    では、何でグローバル化が問題になっているのか? 日本においては仕事や富がなくなるからではありません。英語ができないからリストラされる。。という話でもないのです。問題になっているのは変化のスピードがとてつもなく速く、誰も対応できていないことなのです。 さきほどAppleの例で書いた、日本ならではの価値。これを創る時間も、発信する時間も、その人材も整っていない。そしていつのまにか超円高になり、震災の対応もままならない。。。

    グローバル化に対応するには国の制度も教育も大きく変えなければならないのに、変化のスピードが速すぎて行政も会社のトップも対応できていない。グローバル化が問題なのではなく、このスピードが速すぎること、組織や社会構造が対応できていないことが問題だと思っています。 

    いくつかの本を見ていると、これに対しての解決策は二つあると言われています

    1. 組織の在り方をピラミッド型からネットワーク型に変えること
    2. 行政、企業、市民の距離を近づけ、三者が連携して問題に取り組むこと

    この二つです。 夢物語のようなことですがこれは私自身、さまざまな活動を通じてようやく腑に落ちた部分です。この二つのやり方に変えないと、今のままではもう無理だと思っています。

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