矢貫隆

  • 自転車乗りの意識は個人差がものすごく大きいのだけれど、多くの場合、「自転車は車両」であるという意識に欠けている。意識はあるけれど行動が伴っていないケースも多い。理由はさまざまなのだろうが、運転免許が必要じゃない乗り物だから、交通違反を犯しても反則金とか、免停とかがないという事実が関係あるのかもしれない。
  • 車両なのだから歩行者として扱うわけにはいかず、かといって、現実の交通流のなかでママチャリの類いの軽車両を完全に車両扱いして大丈夫なのかという心配は誰が考えたってある。ならば、どう扱ったらいいのか?
  • 歩道を走ると歩行者に危険がおよぶことがある。車道を走ったのでは自転車乗りが危ない目に遭う。つまり、走る場所がない。
  • 時速40kmくらいで巡行できるスポーツサイクルも、前後に幼児を乗せたママチャリも、ひとくくりで「自転車」。両者は、用途も性能も、天と地ほども違っていて、客観的に判断すれば、形は似ているけれど、まったく別の乗り物と考えた方がいい。
  • といった一連の問題を抱えた自転車が徐々に増えだし、さらに、東日本大震災からこっち激増した。交通戦争という時代を経て歩行者と自動車の安全対策は劇的に進められてきたけれど、そこに自転車はなかった。
  • 対策が十分にないところにもってきての自転車の激増だから、そりゃ、現場は混乱する。しかも……。しかも?混乱する現場は、同じ「道路」でありながら、「生活道路での混乱」と「幹線道路での混乱」というふたつの混乱があるのが、また厄介なところだ。

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