因果律の考え方では、問題のある結果に至ったとき、「問題のある結果には、問題につながる原因があり、その原因を取り除いたり改善することによって、好ましい結果に変えることができる」といった考え方をします。
これを心の苦しさに当てはめれば、「心の苦しさにも原因があり、その原因を解決すれば、心の苦しさは解決する」と理解することができます。逆に、「原因が分からなければ、心の苦しさを解決できない」という雰囲気も作り出してしまいます。
ですから、心が苦しいと感じる時は、それを解決するために、「何が何でもその原因を見つけ出さなければならない」という気持ちに陥ってしまうのは無理のないことなのです。しかし、心の苦しさを解消するには、原因は必要ありません。ただ、心の苦しさを適切に対処すれば良いのです。
なぜ、人は心の苦しさの原因を見誤るのか?
私の理解した心の全て
田中順平(心理カウンセラー)
ピュアハート・カウンセリング
http://www.summary.pureheart-counseling.com/solutions/lesson-8
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何らかの出来事が起こった時、そこには
・出来事として客観的に評価できる結果
・自分の感情としての主観的な結果
という2つの結果が生じています。これらは別々のこととして対処する必要があるのですが、現代の人たちは、そこが混乱しがちで、「客観的な出来事を変えることができれば、主観的な感情も変えることができる」と錯覚してしまっていることが多いのです。
これが、人が心の苦しさの原因を見誤ってしまう理由です。
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心の苦しさの原因を理解するのに心理学はいらない
私はこれまで心についてあれこれと考えてきましたが、最近、とてもシンプルな結論にたどり着きました。
主要なポイントを挙げるとしたら、次の2つで十分です。
『三つ子の魂百まで』
『子供を叱るときは、逃げ場を作ってあげることが大切』
世の中の親という立場に立つ方々が、たったこの2つのことを正しく理解して子育てをするだけで、
心の苦しみに押しつぶされそうになりながら生きる大人
犯罪を犯してしまう人間
は、大幅に減っていくのだと考えています。
つまり、幼少期の親子の関わりや大人と子供の関わりが非常に重要だということです。
これらを踏まえて、今の世の中を眺めたとき、2つの問題が存在します。
つまり、今の世の中においては、次の2つの方向から人の心にアプローチする必要があるのです。