稲本昌之

気になったのは、ラリー中にコーチから『コントロールを意識して!』と声をかけられた時のリアクションの違いです。ペースを落としてコントロールし始めた日本人に対して、ヨーロッパの選手達は、ほぼペースを落とさずにコントロールにチャレンジし始めます。一言でペースを落とすことができる日本人の技術の高さを褒める場所である、と感じると同時に何かモヤモヤしたものを感じます。日本人に欠けているのは、戦っているイメージです。ボールのペースを落とすと言うことは、弱く軽いボールを打つことになります。そうすると相手にコースを変えられたり、強く打たれて深く押し込まれたり、どちらにしても不利になります。
日本人のペースを落とす能力を褒めるべきと書きましたが、試合中になると、ペースを落とす能力はヨーロッパの選手の方が上です。相手を左右に走らせたり、角度をつけて追い出したり、深く打って下げたり、ドロップショットしたり。試合を見ていると、何かやるしやろうとします。ボールを散らしてコントロールして来ます。ラリー練習の時のコーチの『コントロール意識して!』と言うアドバイスには素早く反応して優等生だった日本人は、ボールをコートに入れていますが、コースを変える勇気すらなかなか出せません。オープンコートができても同じ方向に打ってしまいます。
一番ショックを受けるのは、展開力に対するアドバイスをコーチ達はほとんどしていないことです。しなくてもできるからです。

One thought on “稲本昌之

  1. shinichi Post author

    練習中の日本人とヨーロッパの選手を比較してわかった日本人に欠けているたった一つのこととそれにまつわる決定的な事実!

    by 稲本昌之

    http://テニスコーチ.jp/11034/

    現在8名のジュニアと1名のコーチの引率でスペイン、バルセロナにあるサンチェス・カサルアカデミーを訪れています。私自身が14年前に1年3ヶ月滞在し選手として修行を積んだ場所でもあります。日本のジュニアの引率でヨーロッパに行くと、日本のジュニアvsヨーロッパのジュニアと言う構図の練習をじっくりと見ることができます。球出し練習・ラリー練習・マッチ練習、それぞれでポイントを3つに絞って比較して見ました。同じコートに入って練習している同士なのでテニスのレベル的には同じくらいと考えてください。試合すると勝ったり負けたりです。ヨーロッパと一括りにするのは広すぎますが、今回の比較はスペインとドイツ・ロシア・イギリスから練習に来ていた選手と日本人との比較です。

    練習中のヨーロッパのジュニアU12と日本人ジュニアU12の比較(5段階評価)

    球出し練習

    継続力

    日本Jr : ヨーロッパJr = 5:3

    安定力

    日本Jr : ヨーロッパJr = 4:4

    ボールの力

    日本Jr : ヨーロッパJr = 3:4

    ※日本人の方が疲れてもやり抜くメンタリティを持っています。ヨーロッパの選手は、ボールが入らなかったり、疲れたりすると手を緩めてしまうことが時々あります。ボールの力はU12の年代では大差はありません。クレーに慣れている分、ヨーロッパの選手の方がスピンをかけることはうまい気がします。

    ラリー練習

    ミスの少なさ

    日本Jr : ヨーロッパJr = 4:3

    コントロール

    日本Jr : ヨーロッパJr = 4:3

    ボールの力

    日本Jr : ヨーロッパJr = 3:4

    ※日本人の方がミスが少なく安定してます。そしてコーチが『コントロールを意識して!』とアドバイスした時の反応に違いがありました。後述します。

    マッチ練習

    集中力

    日本Jr : ヨーロッパJr = 5:3

    展開力

    日本Jr : ヨーロッパJr = 2:5

    ミスの少なさ

    日本Jr : ヨーロッパJr = 4:2

    ※プレイに意図を感じるヨーロッパの選手に対して、日本人は返しているだけに見えます。今回参加している日本人ジュニアの中で日本での試合を見たことがある選手もいますが、日本国内での試合では返しているだけには見えません。こちらの選手と比較するとわかる相対評価の部分です。

    以上の比較から気になる2つのこと

    ①コントロールに対する意識の違い

    ②ヨーロッパの選手と比較すると展開力がない

    『コントロールを意識して!!』

    ここで気になったのは、ラリー中にコーチから『コントロールを意識して!』と声をかけられた時のリアクションの違いです。ペースを落としてコントロールし始めた日本人に対して、ヨーロッパの選手達は、ほぼペースを落とさずにコントロールにチャレンジし始めます。一言でペースを落とすことができる日本人の技術の高さを褒める場所である、と感じると同時に何かモヤモヤしたものを感じます。日本人に欠けているのは、戦っているイメージです。ボールのペースを落とすと言うことは、弱く軽いボールを打つことになります。そうすると相手にコースを変えられたり、強く打たれて深く押し込まれたり、どちらにしても不利になります。

    ラリー練習のコントロールは上回っているのに?

    日本人のペースを落とす能力を褒めるべきと書きましたが、試合中になると、ペースを落とす能力はヨーロッパの選手の方が上です。相手を左右に走らせたり、角度をつけて追い出したり、深く打って下げたり、ドロップショットしたり。試合を見ていると、何かやるしやろうとします。ボールを散らしてコントロールして来ます。ラリー練習の時のコーチの『コントロール意識して!』と言うアドバイスには素早く反応して優等生だった日本人は、ボールをコートに入れていますが、コースを変える勇気すらなかなか出せません。オープンコートができても同じ方向に打ってしまいます。

    このことは今年6月のクロアチア遠征でも強く感じたので記事にしています。

    スムリクバボール遠征備忘録!ポイントを取るシーンから逆算する。

    スムリクバボール遠征!ディレクションチェンジの差。打つ技術だけでなく戦い方の向上が必要!!

    U12では日本人の方が強いと言われます。確かに強いですし、ヨーロッパの選手と比べても遜色ありません。ですが、このあとの年代でそのまま勝ち切れずに抜かれてしまう原因を現段階で見つけることができます。この現段階で差となっている展開力に加えて、身体の大きさ・フィジカル面の差が乗りかかって来ます。U14になるとヨーロッパやアメリカで試合経験をどんどん積んでもらいたいと思いますが、その時に体格差がある対戦相手にショットのバリエーションや展開力で上回ろうとしても、低年齢の時の技術の貯金がなければ表現することは困難に感じます。

    プレイ+ステイの導入で低年齢からの展開力の育成はしていますが、当然世界中でプレイ+ステイは導入されています。俺はサンチェス・カサルで開催されたレッドボー大会。なんと140人が参加してます。

    練習中の日本人とヨーロパの選手を比較してわかった日本人に欠けているたった一つのこと
    以上のことから

    戦っているイメージを持った練習

    だと思います。テニスはゲーム。ゲームで戦って勝つために練習をする。シンプルですが奥深いです。言葉にすると簡単そうですが、上記の練習から変えていくとなるとかなり大変です。余談ですが、サッカーの指導者もこの点の差はいつも口にします。

    最後に決定的な事実

    一番ショックを受けるのは、展開力に対するアドバイスをコーチ達はほとんどしていないことです。しなくてもできるからです。持って生まれた血の違い。ミニテニスで遊んだり、サッカーしたりしてもこちらのジュニアは最初から一味違うのです。隣の芝生はなんちゃら。日本人にも持って生まれた長所はたくさんあります。ですが、良い芝生なら真似して自分の庭に植えることも大切ではないかと思います。

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