3 thoughts on “北方ジャーナル

  1. shinichi Post author

    北方ジャーナル事件

    ウィキペディア

    https://ja.wikipedia.org/wiki/北方ジャーナル事件

    北方ジャーナル事件は、日本の公職選挙の候補者が名誉毀損に当たる出版物の出版の事前差し止めを求め、これを認められた相手方の出版社が損害賠償を求めた事件の通称。人格権に基づく差止請求権が認められるか、事前差し止めが検閲に当たるかが問われ、表現の自由に関する判例として知られている。

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    元旭川市長の被告Yは、1979年の北海道知事選挙に立候補を予定していたが、原告(出版社)の発行する雑誌『北方ジャーナル』が2月23日に発売を予定していた4月号に、「ある権力主義者の誘惑」と言うタイトルの記事があり、記事の全体にわたって被告の名誉を毀損する記載があることを知った。具体的には、被告について「嘘と、ハッタリと、カンニングの巧みな少年」「言葉の魔術者であり、インチキ製品を叩き売っている(政治的な)大道ヤシ」「ゴキブリ共」などと書かれ、さらに被告の私事についても触れ、結論としては被告が北海道知事として相応しくないという記述がされていた。

    そこで、被告は1979年2月16日、札幌地方裁判所に当該号の出版の差し止めを求める仮処分を申請し、同日認められた。原告はこの差し止めが検閲であり違法であるとして国とYに損害賠償を請求。一審は請求を棄却、二審も控訴を棄却したので、原告側が上告。

    1986年6月11日、最高裁判所大法廷は、出版物の印刷、製本、販売、頒布等の仮処分による事前差し止めは憲法第21条にいう検閲にあたらないとして、上告を棄却した。また、名誉を侵害された者は、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対して侵害行為の差し止めを求めることができる(差止請求権が認められる)とした。その上で、裁判所が出版等の事前差し止めを行うことができる要件を示した。

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    裁判要旨

     雑誌その他の出版物の印刷、製本、販売、頒布等の仮処分による事前差止めは、憲法21条2項前段にいう検閲に当たらない。

     名誉侵害の被害者は、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対して、現に行われている侵害行為を排除し、又は将来生ずべき侵害を予防するため、侵害行為の差止めを求めることができる。

     人格権としての名誉権に基づく出版物の印刷、製本、販売、頒布等の事前差止めは、右出版物が公務員又は公職選挙の候補者に対する評価、批判等に関するものである場合には、原則として許されず、その表現内容が真実でないか又は専ら公益を図る目的のものでないことが明白であつて、かつ、被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被る虞があるときに限り、例外的に許される。

     公共の利害に関する事項についての表現行為の事前差止めを仮処分によつて命ずる場合には、原則として口頭弁論又は債務者の審尋を経ることを要するが、債権者の提出した資料によつて、表現内容が真実でないか又は専ら公益を図る目的のものでないことが明白であり、かつ、債権者が重大にして著しく回復困難な損害を被る虞があると認められるときは、口頭弁論又は債務者の審尋を経なくても憲法21条の趣旨に反するものとはいえない。

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  2. shinichi Post author

    当直室で肉体関係、4人と不倫……北海道警の不祥事を報じ続ける札幌の雑誌

    旬選ジャーナル 目利きが選ぶ一推しニュース

    by 清水潔

    http://bunshun.jp/articles/-/1690

    ▼〈道警不祥事から考える“余罪”続々 懲戒事案〉『北方ジャーナル』2月号(筆者=小笠原淳)

     新聞やテレビが報じない警察官の不祥事や違法行為。それを独自に調査して伝え続けているメディアがある。札幌の地方月刊誌「北方ジャーナル」だ。表紙には「時代を撃つ北の報道・評論誌」と掲げられている。この小さな媒体(失礼)が闘っている相手は、北の大地の治安を預かるはずの北海道警察。道警である。

     二月号では〈“余罪”続々 懲戒事案〉〈まだあった、道警不祥事記録〉とタイトルを打って警察官の破廉恥な事件を報じた。例えば二〇一五年のケースとして警察内部の処分記録の内容を明らかにしている。以降の“犯人”はみな警察職員である。

    〈《部外の異性に対し、不安感を与えるメールを送信するなどした》…加えて、未成年とみられる女性に裸の写真を撮らせ、メール送信させた。1月28日処分【戒告】〉

    〈《酒気を帯びた状態で私有車両を運転するなどした》…その直前まで深酒、コンビニエンスストア内で寝込み、警察手帳と捜査資料を置き忘れていた。5月20日処分【減給】〉

    〈《部内異性方に侵入するなどした》…のみならず、“警察署の当直室内で”肉体関係を結んだ。9月16日処分【減給】〉

    〈《異性と不適切な交際をするなどした》…一般女性の少なくとも4人と不倫し、1人に対して強姦の疑いが指摘された。さらに消費者金融から130万円の借金をした。12月16日処分【戒告】〉

     今時、警察官不祥事など珍しくも無いのだが、当直室で肉体関係、四人と不倫とは。強姦、酒気帯び運転などは刑事事件の嫌疑濃厚であろうが、その処分の軽さにも驚かされる。

     なぜこれらの案件が大手メディアでは報じられなかったのか。それにはいくつかの“仕掛け”があるのだが、最大の原因は警察の不祥事は記者クラブでは「広報」されないことだろう。

     元来、警察が自ら発表する内容は、事件解決につながる情報や、お手柄話が多い。なので報じてもらうためにあれこれ努力する。例えば下着泥棒逮捕ならカラフルな下着をずらりと並べて映像を撮らせるというお馴染みのスタイルだ。ご丁寧にもその背景には「◯◯署窃盗事件押収品」などと墨書きした文字まで置かれていたりする。

     だが、これが警察の組織防衛に関わるとなれば話は全く別だ。職員を処分せざるを得ない案件でも、その「原因」は、なんとかお蔵入りさせたいということなのか。

     記事を執筆した小笠原淳記者は、懲戒処分の経緯を記録した書類の存在を知り、開示請求してこれらの事実を闇から引きずり出した。隠された公文書の発見はまさに調査報道の基本である。

     北方ジャーナルではこの種の記事を一昨年より続けており、すでに十二回の連載になっている。同号では〈陸自実弾誤射 防衛省開示文書を読む〉という記事なども小笠原記者によって執筆されており興味深い。

     かつて道警は「裏金作り」の実態を地元紙・北海道新聞の報道により暴かれたことがある。だが、報じた記者たちはその後になって当局から様々な形で圧力を受け、今も道警とメディアとの間に深い溝があると聞く。そんな中、未だに自らの不祥事を隠蔽、あるいは矮小化しているようでは市民の信頼を得ることなど到底難しいだろう。

     警察と記者はどんな距離を取るべきなのか……。一地方雑誌の調査報道記事は、そんなことまでも考えさせてくれる秀逸なものなのである。

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