和泉式部

つれづれと空ぞ見らるる思ふ人あまくだりこむものならなくに

あらざらむこの世のほかの思ひいでに今ひとたびの逢ふこともがな

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1 Response to 和泉式部

  1. shinichi says:

    和泉式部

    http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/izumi.html

    つれづれと空ぞ見らるる思ふ人あまくだりこむものならなくに

    夕暮に物思ふことはまさるやと我ならざらむ人にとはばや

    黒髪のみだれもしらずうちふせばまづかきやりし人ぞ恋しき

    世の中に恋といふ色はなけれどもふかく身にしむものにぞありける

    涙川おなじ身よりはながるれど恋をば消たぬものにぞありける

    いたづらに身をぞ捨てつる人をおもふ心やふかき谷となるらむ

    逢ふことを息の緒にする身にしあれば絶ゆるもいかが悲しと思はぬ

    絶え果てば絶え果てぬべし玉の緒に君ならむとは思ひかけきや

    君恋ふる心は千々にくだくれどひとつも失せぬものにぞありける

    かく恋ひばたへず死ぬべしよそに見し人こそおのが命なりけれ

    人の身も恋にはかへつ夏虫のあらはに燃ゆと見えぬばかりぞ

    人はゆき霧はまがきに立ちとまりさも中空にながめつるかな

    ともかくも言はばなべてになりぬべし音になきてこそ見せまほしけれ

    見し人に忘られてふる袖にこそ身を知る雨はいつもをやまね

    枕だに知らねば言はじ見しままに君語るなよ春の夜の夢

    白露も夢もこの世もまぼろしもたとへて言へば久しかりけり

    かをる香によそふるよりはほととぎす聞かばやおなじ声やしたると

    ながむらん空をだに見ず七夕にあまるばかりの我が身と思へば

    待つとてもかばかりこそはあらましか思ひもかけぬ秋の夕暮

    秋風はけしき吹くだに悲しきにかきくもる日は言ふかたぞなき

    まどろまであはれ幾日になりぬらむただ雁がねを聞くわざにして

    惜しまるる涙にかげはとまらなむ心も知らず秋はゆくとも

    霜がれは侘しかりけり秋風の吹くには荻のおとづれもしき

    君は君われはわれとも隔てねばこころごころにあらむものかは

    絶えしころ絶えねと思ひし玉の緒の君によりまた惜しまるるかな

    おぼめくな誰ともなくて宵々に夢に見えけむ我ぞその人

    いとどしく物ぞかなしきさだめなき君はわが身のかぎりと思ふに

    わが魂のかよふばかりの道もがなまどはむほどに君をだに見む

    今宵さへあらばかくこそ思ほえめ今日暮れぬまの命ともがな

    おのが身のおのが心にかなはぬを思はば物は思ひ知りなむ

    津の国のこやとも人を言ふべきにひまこそなけれ葦の八重葺き

    なにごとも心にこめて忍ぶるをいかで涙のまづ知りぬらむ

    身の憂さも人のつらさも知りぬるをこは誰が誰を恋ふるなるらむ

    とことはにあはれあはれはつくすとも心にかなふものか命は

    半天にひとり有明の月を見てのこるくまなく身をぞ知りぬる

    なきながす涙に堪へで絶えぬれば縹の帯の心地こそすれ

    物おもへば沢の蛍も我が身よりあくがれいづる魂かとぞみる

    人知れず物思ふことはならひにき花に別れぬ春しなければ

    あらざらむこの世のほかの思ひいでに今ひとたびの逢ふこともがな

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