佐野洋子

 100万年も しなない ねこが いました。
 100万回も しんで,100万回も 生きたのです。
 りっぱな とらねこでした。
 100万人の 人が,そのねこを かわいがり,100万人の
人が,そのねこが しんだとき なきました。
 ねこは,1回も なきませんでした。

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3 Responses to 佐野洋子

  1. shinichi says:

    100万回生きたねこ

    by 佐野洋子

    主人公の猫は、ある時は一国の王の猫となり、ある時は船乗りの猫となり、その他、サーカスの手品つかいの猫、どろぼうの猫、ひとりぼっちのお婆さんの猫、小さな女の子の猫…と100万回生まれかわっては、様々な飼い主のもとで死んでゆく。その時、100万人の飼い主は猫の死にひどく悲しんでいたが、当の猫はまったく悲しまなかった。主人公の猫は、飼い主のことが大嫌いだったのだ。

    ある時、主人公の猫は誰の猫でもない野良猫となっていた。「自分だけの事が好き」な主人公の猫は、100万回生きたことを自慢し、周囲のメス猫たちも何とか友達や恋人になろうと、プレゼントを持ってきたりして周囲に寄ってくる。

    しかし、唯一自分に関心を示さなかった一匹の白猫の興味をなんとか引こうとするうちに、いつのまにか主人公の猫は、白猫と一緒にいたいと思うようになる。そして、白猫にプロポーズをするのであった。白猫は主人公の猫の思いを受け入れた。

    そして時がたつと、白猫はたくさん子供を産み、年老いてゆき、やがて猫の隣で静かに動かなくなっていた。そこで猫は初めて悲しんだ。朝になっても昼になっても夕方になっても夜になっても、猫は100万回も泣き続け、ある日のお昼に猫は泣き止んだ。

    そして猫も、とうとう白猫の隣で静かに動かなくなり、決して生き返らなかった。

  2. shinichi says:

    枡野浩一

    100万回生きて100万回死んだ主人公のオスネコは、最後の最後には二度と生き返らなくなる。彼は生まれて初めて本当の意味で死んでしまうわけなんだけど、たいていの読者は物語の終わりを知ったとき『あー、よかった。めでたし、めでたし』という気分になっているはずで、そこがすごいのだ。主人公が死んでしまうのに『あー、よかった』と心から思える不思議。その『不思議』の部分は、ぜひ絵本の実物を読んで味わってください。

  3. shinichi says:

    佐野洋子

    https://ja.wikipedia.org/wiki/佐野洋子

    佐野洋子(1938年 – 2010年)は、日本の作家、エッセイスト、絵本作家。

    北京生まれ。7人兄弟だったが、幼少時に病弱だった兄を亡くしている。これが後の作風にも影響を与えている。4歳のときに母親と手を繋ごうとしたら、チッと舌打ちされて手を振り払われて以来、母親に対して確執を抱えた(晩年、母親が認知症になったのち和解)。1947年山梨県に引き揚げ、その後静岡県静岡市に移る。

    1951年、武蔵野美術大学デザイン科卒。同級に平野甲賀、上村一夫らがいた。

    卒業後、1952年白木屋宣伝部にイラストレーターとして入社。また、1967年から半年、ベルリン造形大学でリトグラフを学ぶ。すての工程を自分で決めたいと、デザイン、イラストレーションの仕事を手がけながら、1971年33歳の時に『やぎさんのひっこし』で絵本作家としてデビュー。

    1990年、谷川俊太郎と結婚し、1996年に離婚。代表作である『100万回生きたねこ』は、人生や愛について読者に深い感動を与える絵本として子供から大人まで親しまれている。海外絵本の訳本もある。

    長男はイラストレーター、画家の広瀬弦。

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