山本一郎

昔は「真面目に働けよ」と言えば、文字通り残業をいとわず成果が出るまで倒れても働く、というモーレツを指しました。そこには、確かに人材軽視でマネジメントなど存在しないかのような、若い人材を使い捨ててそれでも這い上がってくる奴が偉い、みたいな仕事の進め方があったことは間違いありません。いまは、効率を考え、段取りを組んで少ない労力で最大の成果を出せる人が「真面目」となりました。もちろん、仕事に対して集中していることは大事ですけど、私が投資先の営業会社とかにたまに見物にいくと露骨に出ているのは「同じ定時退社でも、しっかりやるべき仕事を終えてさっさと帰る人と、仕事を大量に残して帰らざるを得なくなる人」の残酷なまでの差異です。一定の働く時間しか与えられないいまの仕事環境では、一定の時間働いて成果を出せる人と、そうでない人があっさり可視化されてしまい、能力はないけど幹部各位の空気を読んだり組織の潤滑油的な愛されキャラがどんどん干されていくという悲しい現実がそこにはあります。むしろ、残業というバッファがなくなればそういう宴会を企画したり社内勉強会をやろうというような人よりも、淡々と働いて成果を出して自己研鑽に励む人のほうが評価されるようになってきます。

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