くまのお気楽日記

谷をまたいで張られたホースを遠くから見ると、ホースの表面から離れられない蟻が歩く次元はホースの長さの方向に沿った左右の次元一つしかない。肝心なのは遠く離れた視点から見ると、長いホースが一次元の物体に見えるということだ。現実にはホースには太さがあり、ズームアップして見れば、ホースの表面に住んでいる蟻が二つの次元(ホースの長さに沿った左右の次元と、環状にホースを巡る「時計回り-反時計回り」の次元)に沿って歩けることがわかる。この例から、空間次元には大きく拡がっておりすぐ目に付くものと、小さく巻き上げられていてずっと認めにくいものがある、とわかる。環状の次元は新たな次元であり、どの点にも上下、左右、前後の次元それぞれが存在するように、拡がった次元のどの点にも存在する、新たな独立した次元だ。しかし「小さい」とはどのくらい「小さい」のか? 1926年クラインは、カルーザの最初の示唆と、量子力学の分野から借りた概念を組み合わせ、環状の次元の大きさはプランクスケールほどでしかない、と計算した。それ以来、小さな空間のなかに新たな次元がある可能性を「カルーザ-クライン理論」と呼ぶ。

3 thoughts on “くまのお気楽日記

  1. shinichi Post author

    「エレガントな宇宙3」

    くまのお気楽日記

    https://blog.goo.ne.jp/marumikokuma/e/8d6db8c41fd7c20965cb834cf72cceee

    第八章
    1919年カルーザは、「宇宙の空間次元は三っつではなくもっと多いかもしれない」と唱えた。
    このことを見て取る為に、例えば長細いホースのようなものを想像しよう。
    谷をまたいで張られたホースを遠くから見ると、ホースの表面から離れられない蟻が歩く次元はホースの長さの方向に沿った左右の次元一つしかない。
    肝心なのは遠く離れた視点から見ると、長いホースが一次元の物体に見えるということだ。
    現実にはホースには太さがあり、ズームアップして見れば、ホースの表面に住んでいる蟻が二つの次元(ホースの長さに沿った左右の次元と、環状にホースを巡る「時計回り-反時計回り」の次元)に沿って歩けることがわかる。
    この例から、空間次元には大きく拡がっておりすぐ目に付くものと、小さく巻き上げられていてずっと認めにくいものがある、とわかる。
    環状の次元は新たな次元であり、どの点にも上下、左右、前後の次元それぞれが存在するように、拡がった次元のどの点にも存在する、新たな独立した次元だ。
    しかし「小さい」とはどのくらい「小さい」のか?
    1926年クラインは、カルーザの最初の示唆と、量子力学の分野から借りた概念を組み合わせ、環状の次元の大きさはプランク長さほどでしかない、と計算した。
    それ以来、小さな空間のなかに新たな次元がある可能性を「カルーザ-クライン理論」と呼ぶ。

    一般相対性理論と量子力学との深刻な矛盾の徴候として、計算から無限大の確率が出るということがあった。これはひも理論によって正される。
    しかし、ひも理論の初期に物理学者は、やはり許容範囲からはずれるマイナスの確率をもたらす計算がいくつかあるのを見いだす。
    そして、この許容できない特徴の原因として、ひもが振動しうる独立した方向の数が次元の数によって制限され、そのことに例の厄介な計算が大きく影響されることが見いだされた。計算によれば、ひもが九つの独立した空間次元で振動しうるとすれば、マイナスの確率は打ち消される。
    ひもはとても小さいので、大きな拡がった次元だけでなく、小さい巻き上げられた次元でも振動しうる。
    ひも理論が意味をなすには、宇宙に空間次元が九つ(おなじみの三つの拡がった空間次元に加えて、巻き上げられた六つの空間次元)、時間次元が一つ、合計10個の次元がなければならない。
    (余談ですがここで、巻き上げられた次元が時間次元である可能性を探る研究について紹介されています。結論はまだ出ていませんが、例えば円のように巻き上げられた空間次元を歩き回る小さな蟻が、完全な巡回路を巡り同じ位置に何度も繰り返し戻ってくるように、巻き上げられた次元が時間次元なら、ある時間が経過した後で以前の時点に戻るということである)

    新たな次元の大きさと幾何学的な形が、ひもの共振振動パターンを決めるのに決定的な役割を演じる。理論から出る方程式によってこうした次元がとりうる形は制約される。
    1984年カンデラス、ホロウィッツ、ストロミンジャー、ウィッテンは一組の六次元幾何学図形がこうした条件を満たすことを証明した。
    これらの図形は、エヴゲニオ・カラビとシントゥン・ヤウに敬意を表して「カラビ-ヤウ図形」と呼ばれる。
    ひも理論から出てくる新たな次元の厳しい要件を満たすカラビ-ヤウ図形は何万と存在するが、数学的にありうる図形が無限であることから考えれば、たぐいまれなものだといえる。

    Reply
  2. shinichi Post author

    カルツァ=クライン理論

    https://ja.wikipedia.org/wiki/カルツァ=クライン理論

    カルツァ=クライン理論(Kaluza-Klein theory)は、重力と電磁気力を統一するために五次元以上の時空を仮定する理論である。理論物理学者のテオドール・カルツァが1921年に提唱し、1926年にオスカル・クラインが修正した。

    通常の4次元時空(縦、横、高さ、時間)にもうひとつ、超微細な円形で存在する余剰時空を設定した5次元時空上での一般相対性理論(重力)を考えると、余剰次元が見えなくなり、4次元時空とみなせるスケールでは、重力に加えて電磁気力(ゲージ場)が現れる。4次元では別々の力として扱われていた重力と電磁気力が、5次元時空の重力に統一されるわけである。 これをさらに高い次元に拡張すると、余剰次元の性質により、非可換ゲージ場を導入することも可能である。

    超弦理論では、理論が無矛盾に定義される条件として10次元時空が要請されるため、このカルツァ=クラインの考え方を応用して余分な6次元空間がプランクスケール程度の大きさであると考えることにより、4次元時空上の理論を導出しているが、6次元のみが小さくなる機構は明らかになっていない。

    Reply
  3. shinichi Post author

    カルツァ・クライン理論  (Kaluza-Klein theory) 

    by 尾関章 朝日新聞記者

    知恵蔵

    https://kotobank.jp/word/カルツァ・クライン理論-185706

    重力と電磁力を1つの枠でとらえる統一場理論をめざして1920年代、T.カルツァが提唱、O.クラインが発展させた5次元時空の理論。当時は「4つの力」の概念がなく、この2つの統一が課題だった。4次元時空以外の次元はまるまっていると考える。余分な次元の想定は、超ひもやブレーンの理論に受け継がれた。

    Reply

Leave a Reply to shinichi Cancel reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *