日本経済新聞

8月上旬、200隻を超す中国漁船が沖縄県・尖閣諸島近海に押し寄せた。漁船には軍が指揮する「海上民兵」がいたとされ、一部は中国公船と日本の領海に侵入した。福建省泉州を母港とする漁船の船長、周敏(44)も日中衝突の危険漂う現場にいた一人だ。
「たくさん魚が捕れるからだ」。尖閣近海に出向いた理由を無愛想に語る周の船にも、軍事につながる仕掛けがある。中国が独自開発した人工衛星測位システム「北斗」の端末だ。衛星からの位置情報はミサイルの誘導など現代戦を左右する。「有事」のカギを握る技術だけに、米国の全地球測位システム(GPS)には頼れない。中国は2012年北斗をアジア太平洋地域で稼働させた。周が「昨年、載せろと命令された」という北斗端末は、すでに4万隻の中国漁船に装備された。友好国パキスタンなど30カ国以上が使い始め、20年に衛星35基で世界全体を覆うという。……
宇宙、空、海。超大国・米国と張り合うように、中国は独自の秩序を押し広げている。習は「中華民族の偉大な復興」を「夢」に掲げ「2つの100年」を実現への節目としている。共産党創立から100年の21年と、中国建国から100年の49年だ。……
習が支配する中国は国際的な司法判断さえ「紙くず」と言い放つ。大国の威信を取り戻す夢は自己増殖し、世界のルールからはみ出しつつある。

One thought on “日本経済新聞

  1. shinichi Post author

    「北斗」で世界覆う 米国と並ぶ国へ秩序構築

    闘争再び(5)

    日本経済新聞 電子版

    (2016/10/22)

    https://www.nikkei.com/article/DGXMZO08655790R21C16A0SHA000/

    8月上旬、200隻を超す中国漁船が沖縄県・尖閣諸島近海に押し寄せた。漁船には軍が指揮する「海上民兵」がいたとされ、一部は中国公船と日本の領海に侵入した。福建省泉州を母港とする漁船の船長、周敏(44)も日中衝突の危険漂う現場にいた一人だ。

    ■ドル覇権に挑む

    「たくさん魚が捕れるからだ」。尖閣近海に出向いた理由を無愛想に語る周の船にも、軍事につながる仕掛けがある。……

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