渋沢栄一

最近私が衷心喜びに堪えないのは、国際連盟がその事業として、経済方面から世界の協調を図ろうとしておることであります。・・・
およそ国家が真正の隆治を希望するには、ぜひともその政治経済を道徳と一致せしめねばならぬものである。而して、国際間の経済の協調が、連盟の精神を以て行わるるならば、決して一国の利益のみを主張することはできない。他国の利益を顧みないと云うことは、正しい道徳ではない。所謂共存共栄でなくては、国際的に国を為して行くことは出来ないのであります。
経済の平和が行われて初めて各国民がその生に安んじることができる。而して、この経済の平和は、民心の平和に基を置かねばならぬことは、申すまでもありません。他に対する思いやりがあって、すなわち、自己に忠恕の心が充実して、初めてよく経済協調を遂げ得るのであります。

3 thoughts on “渋沢栄一

  1. shinichi Post author

    昭和3年11月11日(1928年)

    是日栄一、社団法人国際聯盟協会会長トシテ、芝区愛宕山ノ東京中央放送局ヨリ、第十回平和記念日ノ記念講演ヲ放送ス。

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  2. shinichi Post author

    渋沢史料館

    東京都北区西ケ原2−16−1

    渋沢史料館は、東京都北区西ヶ原にある渋沢栄一の生涯と事績に関する博物館。飛鳥山公園内にある「飛鳥山3つの博物館」の一つ。展示室のある本館のほか、渋沢栄一の旧邸として大正期に建てられ重要文化財に指定されている晩香廬と青淵文庫を公開している。管理運営は、公益財団法人渋沢栄一記念財団。


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