大西連

「子ども食堂」は、子どもの貧困対策でもあり、地域の拠点づくり、コミュニティづくりという側面もある。
そもそもが、「○○が子ども食堂である」という定義が明確にあるものでもないし、何らかの認可や免許があるものでもないわけで、それぞれが自分たちなりの「子ども食堂」をおこなっているに過ぎない。
しかし、ここ数年のあいだに2200ヵ所まで拡大したことは、逆説的に言うと、子どもの貧困への関心や地域のなかでの居場所づくりの必要性について、多くの人が関心を持ち、何かしたいとアクションを起こしたことの証明でもある。
子ども食堂は、ある種の「絆創膏」である。傷ついている人がいたら、誰しもがすぐさま自分ができることで手当てをする、したいと思うのと同じだ。
しかし、それはあくまで緊急時の手当であり、医師や看護師などの医療従事者ではない「ふつうの人」ができる範囲の手当だ。傷によっては救急車を呼ぶだろうし、病院につれていくだろうし、専門機関につないで、治療につなげる必要がある。
「子どもの貧困」にも「地域づくり」にも、いま圧倒的に「処方箋」が足りない。

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