岩﨑聡

加齢性難聴は加齢とともに誰でも起こる可能性があります。加齢性難聴を悪化させる原因として、糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化、喫煙、過度な飲酒、騒音などがあります。糖尿病があると加齢性難聴を悪化させることが全国規模の疫学調査であきらかになっています。
動脈硬化や高血圧などの生活習慣病があると、内耳や脳の血流が悪くなって、聞こえの機能に悪影響を及ぼすとされています。喫煙やアルコールのとり過ぎは、動脈硬化や高血圧の悪化に深く関係するので、特に注意が必要です。これらの原因を取り除くことが、加齢性難聴の予防になります。
また、環境を整えることも大切です。騒音などは体の中に「酸化ストレス」を増加させ、正常な細胞の組織を壊してしまうため、難聴を起こしやすくするといわれています。

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  1. shinichi Post author

    加齢性難聴の予防

    by 岩﨑聡

    https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_316.html

    加齢性難聴の検査

    聞こえが悪くなったら、耳鼻科を受診して問診と聴力検査を受けます。

    問診では日常生活での聞こえの状態を確認します。また、加齢性難聴は高い音が聞き取りにくくなるため、聴力検査では高い音がどれくらい聞こえるかを調べます。高い音が聞こえないと、加齢性難聴が始まっている可能性があります。

    加齢性難聴の治療

    加齢性難聴には根本的な治療法はありません。

    加齢性難聴と診断されたら、補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科を受診し、医師の指導のもと、連携している認定補聴器技能者がいる販売店で、自分に合った補聴器を選ぶことが大切です。

    加齢性難聴と診断されて、補聴器を使用しているのに、聞こえがどんどん悪くなる場合は、遺伝性難聴という他の病気の可能性があります。

    遺伝性難聴とは

    遺伝性難聴は、基本的には両耳に起こる難聴で、40歳前後で発症し、60歳前後ではっきり難聴を自覚します。40歳前後で発症して進行が速い場合は、遺伝性難聴を疑って「臨床遺伝専門医」のいる医療機関を受診して検査を受けましょう。また、加齢によって耳が聞こえにくくなる「加齢性難聴」と診断されて補聴器を使っている人でも、聞こえが改善されない場合や、かえって悪化していく場合は、遺伝性難聴の可能性があります。遺伝性難聴は、耳の中で働くたんぱく質をつくる細胞の遺伝子に変異があるため、難聴を発症すると考えられています。

    遺伝性難聴の検査と治療

    遺伝性難聴の診断は、聴力検査に加えて「難聴の遺伝子検査」を行います。血液を採取して遺伝子を調べるこの検査によって、難聴の原因を推測することができます。

    遺伝性難聴には根本的な治療法はまだないので、補聴器で聞こえを補います。補聴器でも聞き取りが困難な場合は「残存聴力活用型人工内耳」とよばれる人工聴覚器による治療が検討されます。人工内耳と補聴器からなるもので、手術で人工内耳を耳の内部に埋め込みます。手術前は筆談で会話していた患者さんが、筆談の必要がなくなり、電話での会話までできるようになったケースもあります。

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