三島由紀夫

この本は私が今までそこに住んでゐた死の領域へ遺さうとする遺書だ。この本を書くことは私にとつて裏返しの自殺だ。飛込自殺を映画にとつてフィルムを逆にまはすと、猛烈な速度で谷底から崖の上へ自殺者が飛び上つて生き返る。この本を書くことによつて私が試みたのは、さういふ生の回復術である。

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1 Response to 三島由紀夫

  1. shinichi says:

    『仮面の告白』刊本に挟み込まれた「『仮面の告白』ノート」より

    三島由紀夫

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