長谷川澯二郎

現実は精巧に出来た幻である –> 現実は精巧に造られた夢である

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目の前の美を素直に見る

3 thoughts on “長谷川澯二郎

  1. shinichi

    こんなにも心地よさそうに眠る猫の絵を見たことがありますか?
    作者は、長谷川リン(燐の火がさんずい)二郎。長谷川リン二郎。
    (1904~1988) (明治37年~昭和63年)

    大正をとことん見つめ、じっくりと作品を仕上げた。歳月をかけたが、実は未完成だ。いったいなぜか?
    長谷川リン二郎が描いたのは、日常のありふれたものばかり。
    どの作品にも澄んだ空気と暖かな詩情が漂っている。風景画もその場で仕上げる。季節が変わればまた来年描けばいい。それでもダメなら再来年。だから遅筆、佳作、無名。
    まるで永遠の時を生き、現実濃厚の世界に到達した。謎の画家、長谷川リン二郎。


    「猫」

    ファンタジーの世界を感じる。猫の息遣いが聞こえてきそうだ。熱狂的なファンがいる長谷川リン二郎。

    丸丸でもなく、伸びきるわけでもない絶妙のポーズ。至福の眠り。愛猫「タロー」が9月に見せた姿が、リン二郎に衝撃を与えた。
    早速、筆を執る。毎日同じポーズで眠るタローは、理想のモデルだ。
    しかし、突然丸まってしまう。気候の変化だ。気温の変化に敏感な猫は、同じポーズで眠るのは翌年の9月をまで待たねばならなかった。
    同じようなポーズを取っているようだが、同じではない。
    友人の画商が一目で気に入って、「猫」を欲しいと思ったが、まだ髭がないといわれて譲ってくれなかった。
    描き始めて6年、タローは死んでしまった。
    リン二郎は想像で髭を描いたが、片方だけだった。



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  2. shinichi

    よい画はその周囲をよい匂いで染める。
    よい画は絶えずよい匂いを発散する。
    よい匂い、それは人間の魂の匂いだ。
    人間の美しい魂の匂い、それが人類の持つ最高の宝である。
    ―― 長谷川潾二郎


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