英雄か犯罪者か

信長は城を焼いたり捕虜を処刑したりして何万人もの人々を殺害したとか
秀吉は女や子供を串刺しにしたり磔にしたりして残虐の限りを尽くしたとか
首を城の周りを取り囲むように並べさせた信玄のほうが残虐だったとか
いやいや利家のほうが残虐だったとか 実のところ光秀のほうが残虐だったとか
まったく状況が違う今になって みんないろいろ言うけれど
そんなことはすべて想像でしかない

ヒットラーやポルポトは虐殺者として記憶されているが
毛沢東やスターリンは虐殺者ではなかったのか
トルーマンやルーズベルトを虐殺者と呼んではいけないのか
エンヴェル・パシャやレオポルト2世を忘れてもいいのか
コロンバスやコルテスは残虐だったではないか
ジンギスカンやティムールや洪武帝はどうなのか
そしてアレクサンドロス大王は英雄なのか

歴史には数多くのリーダーが登場するが
今の価値観からはその多くが残虐で
その多くが人道に反する命令を下したということになる
でもその人たちが生きている時には
その人たちは支持され 英雄と見なされていたのだ
英雄は敵から見れば犯罪者で
結局は 勝ったもののが英雄で 負けたものが犯罪者ということになる

とんでもない数の人たちが
英雄と呼ばれ 犯罪者と呼ばれ 死んでいった
歴史に登場するのはほんの一握りで
ほとんどは歴史に名を残すことなく消えてゆく
その人たちをどう呼ぶのかは残った人たちのすることで
当人たちには関係のないこと
名誉のために死んだとしても 誰も名誉を理解しない

死んだら消える
それだけのことだ
文字にして残しても 映像にしてとっておいても
それだけのこと
私たちには判断のつかないこと

だから見えることだけを信じて
自分が信じられることだけを信じて
君を思って生きる
それでいい

すべてのことが宇宙のなかの
小さな小さな点なのだ
そして長い長い時間のなかでの
ほんの一瞬のことなのだ

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