そこの店の炒飯は
エビ炒飯でもカニ炒飯でもなく
叉焼入り炒飯でもほうれん草炒飯でもなく
広東生菜炒飯とか揚州炒飯とかでもなく
五目炒飯でも特製炒飯でもない
ただの炒飯だった
カタカナのチャーハンではない
前になんにも付かない
ただの炒飯
なんの変哲もない炒飯
それなのに
心が揺さぶられるほどおいしくて
他の皿がぜんぶ翳んでしまうほどおいしくて
普通のものがおいしいと
贅沢なものがおいしいのとは違った感激がある
普通のことやあたりまえのことで心を動かされると
なんとも言えないくらい 嬉しい
(sk)
第126作
Fried rice
藤沢周平
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から何らかの刺激を受けて