寓言

寓言という言葉には 他のことに仮託してなにかを言う という意味があって
私たちが知っている昔の物語は その多くが作り事で 寓言なのだという

寓言のなかには 神や国のことを書いた明らかな失敗作から
好色や文化のことを書いた面白いものまで いろいろあって
そのどれもが 私たちにとって 何かしらの意味を持つ

正当化したい気持ちが強すぎて すぐに作り事とわかってしまうもの
心の機微が見事に描かれていて 読む者を飽きさせないもの
作り事だということが明白で 騙されないぞと身構えてしまうもの
作り事だとわかっているのに 登場人物の境遇に涙してしまうもの
いろいろな寓言があるが 内容とスタイルは大きく違う

政治的な意味合いが大きく メッセージ性が強く 仮託が効果的でない 日本書紀
政治的には意味がなく メッセージ性もないのに 仮託が効果的な 源氏物語
消えることなく読み継がれてきた寓言は 私たちを想像の世界に誘う

作り事を分析しても意味はないし
作り事に役割を持たせても詮ない
書かれた時点で想像でしかなかったものが
後の世で事実として扱われる滑稽さを
どう笑ったらいいのだろう

寓言は寓言
それ以上でもそれ以下でもない

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