働き方

勤め先への忠誠が一番だと思う人が
大事な仕事を任されたならば
運がいいと思って大喜び
仕事はなにより優先で
家族のことなど二の次になる
プライベートなことはキャンセルし
体調を崩しても出勤し
趣味も持たずに仕事して
無駄口をたたかず仕事して
上司をおだて 客先を持ち上げ
自分のためより勤め先のためと
がんばり続けるのがあたりまえ
アウトプットが出せれば幸せだなんて
そんなスタイルで働くのは勝手だけれど
それを押し付けられたらたまらない

勤め先のことなんてどうでもいい人に
大変な仕事がまわってきたならば
やらなければならないなんて思わずに
ムキになったり悩んだりせずに
いい加減な仕事をすればいいと考える
ズルをしたって 誤魔化したって
そんなに悪くはない
仕事と関係ないことを話したり
たわいもない噂話をしたり
少しだけサボったりだなんて
誰でもやっているではないか
自分のスタイルで働くのは勝手だけれど
それをいいとは認めたくない

10人いれば10通りの働き方がある
一人一人に合ったやり方がある
これこそが働き方だなんていうものがあったら
そんなのは無視すればいい
それなのに
働き方改革なんていうものができて
働き方改革を推進するための法律までできて
こうしなきゃいけないとか
ああしなきゃいけないとか
うるさいこと限りない

誰も見ていないところで静かに目を閉じて
考えをまとめたい人もいれば
みんなで集まって会議をしなければ
なにも浮かんでこない人もいる

先生だって ズルぐらいするけれど
ズルのできない先生もいる
社長は社員のことを考えるものだけれど
社員のことを考えない社長もいる

犯罪者を追っている警察官だって
休みたい時は休むだろうし
追われている犯罪者だって
走り続けてるわけじゃない

『1984年』に描かれた社会になったって
どんなに監視されたって
サボりたい人はサボり
遊びたい人は遊ぶ

それがその人のやり方だ
なにも変えなくていいじゃないか
そう言いたいところだけれど
そんな資格は僕にはない

すべてが僕には関係ない
うらやましいのか
うらやましくないのか
僕はもう 働いてはいない

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