柳宗元

美不自美,因人而彰。蘭亭也。不遭右軍、則清湍脩竹、蕪沒於空山矣。是亭也、闢介閩嶺、佳境罕到、不書所作、使盛跡鬱堙、是貽林澗之媿、故志之。

2 thoughts on “柳宗元

  1. shinichi Post author

    http://onibi.cocolog-nifty.com/alain_leroy_/2012/01/index.html

    そもそも、美はそれ自体として美であるのではなく、人に賞せらるることによって初めて美として我らが前に立ち現れてくるものなのである。あの「蘭亭序」を見るがよい。王右軍に行き逢わなかったなら、清く激しい水の流れや美事にすっくと伸びた竹も、人影なき深山に埋もれて誰一人としてそれを知る者はなかったであろう。自然の美とは、かく、名筆名文によってのみ初めて存在すると言ってよいのである。――さればこそ――正にこの馬退山茅亭である。そもそも僻地の山間にあっては、眺めの素晴らしい土地に到ることは、これ、稀なことである。その稀有の馬退山茅亭美景の感動を今、書き残さなければ、この稀に見る景勝の地の存在を誰にも知られずにあたら埋もれさせてしまうことになる。これは自然の持つ美に対する屈辱であり、極めて遺憾なことである。そこで私、柳宗元がこれを書き残すこととした。

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