誰々が近況を投稿しましたとか
誰々がリンクをシェアしましたとかいって
私たちは SNSに誘われる
花に誘われるミツバチのように
儲け話に誘われる貧しい人のように
SNSに誘い込まれる
誰の近況ならクリックするだろうとか
誰のリンクのシェアなら興味を持つだろうとかを
AIがよく知っていて
気が付けば
私は SNSのなかにいる
中に入った私にも
AIはまとわりつく
画面の端の文字や写真が
私の興味を誘う
リンクをクリックする
その先でまたクリックする
一度誘い込まれたら
なかなか出てこられない
Facebookも Twitterも Instagramも YouTubeも LINEも同じ
誘い込んだ者たちを
どれだけ長いあいだ留めておくかという競争が
人をゾンビ化してしまう
SNSの先には人がいて
私たちは人に誘われる
でもその誘いは
人の誘いではなく
AIの誘い
計算された誘いなのだ
酒の誘いに負けず
麻薬の誘いにも
ギャンブルの誘いにも負けなかった人たちが
SNSの誘いには易々と乗る
SNSの罠は
AIの罠
私たちをどこに導くのか
見えてこない
私たちがどこに行くのか
誰も知らない
(sk)
第358作
Marketing trap