Bet hedging(両賭け戦略)は予測不確実な環境で繁殖の失敗を最小化する
年により子の再生産の成否が予測不確実ならば、親は現在の繁殖より生残に投資し、bet hedging(両賭け戦略)とよばれる戦略をとるのが有利となる → 一点集中より分散
例:カダヤシ
水位の安定した池に比べ、水位の変動の激しい池では
→体は小さいが繁殖への投資量は多い(親の生残の不安定さ)
→卵 1 個への投資は少なく、卵の数は多い(子の生残の不安定さ)
Bet hedging(両賭け戦略)は予測不確実な環境で繁殖の失敗を最小化する
年により子の再生産の成否が予測不確実ならば、親は現在の繁殖より生残に投資し、bet hedging(両賭け戦略)とよばれる戦略をとるのが有利となる → 一点集中より分散
例:カダヤシ
水位の安定した池に比べ、水位の変動の激しい池では
→体は小さいが繁殖への投資量は多い(親の生残の不安定さ)
→卵 1 個への投資は少なく、卵の数は多い(子の生残の不安定さ)
Evolution of Life Histories 「生活史の進化」
by 岩田容子
http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~s16802/Ecology%202005.32.pdf
カダヤシ(蚊絶やし、Mosquitofish)
カダヤシのもともとの分布域はミシシッピ川流域を中心とした北アメリカ中部だが、ボウフラ(カの幼虫)を捕食し、また水質浄化に役立つとして、明確な根拠はなかったものの世界各地に移入された。移入されたカダヤシは強い適応力で分布を広げ、今や熱帯・温帯域の各地に分布する。
日本に分布するカダヤシは、1913年にアメリカから、また1916年に台湾経由で持ちこまれた。その後東京から徳島へ移植され、さらに徳島から日本全国へ移植された。1970年代に急速に分布を広げ、2000年頃には福島県以南の各地で分布が確認されている。
日本における近年のメダカ減少の原因の一つにも挙げられている。汚染に強く、都市や市街地周辺ではいつの間にやら水域のメダカがカダヤシに置き換わっていたということもあるが、一般にはカダヤシという種の存在さえあまり知られておらず、置き換わっていると気づかれないことが多い。なお、沖縄県ではさらに汚染の進んだところをグッピーが占める。
しかしながらカダヤシが移入した水域であっても、必ずしもメダカを駆逐するわけではなく、依然としてメダカが優位種として占める場所も多い。また、両者が食性や遊泳力の違いなどから、棲み分けることも珍しくない。メダカが汚染に弱いのは卵の段階であり、成魚においては両者とも汚染への耐性は大差がない。加えてカダヤシは5℃以下の低温に弱いため、水温が保てない場所では越冬できずに全滅してしまう。メダカの好む植物質の餌や流水、産卵に必要な水草などが減少し、メダカが生息しづらくなった環境に結果としてカダヤシが生き残っただけと言うこともままある。
日本以外でも在来の小型淡水魚がカダヤシに駆逐され、絶滅が危惧されるほどに減少する事態が発生している。オーストラリアやニュージーランドでは、殺魚剤による駆除が実施されている。
2006年2月には外来生物法施行令により、特定外来生物として指定された。これにより日本国内での、特定外来生物としての輸入、販売、頒布、譲渡、飼養が制限を受け、放つことが禁止され、最高三年の懲役、または三百万円の罰金刑の対象となっている。
2009年現在、本種は国際自然保護連合(IUCN)が選定した世界の侵略的外来種ワースト100および日本生態学会が選定した日本の侵略的外来種ワースト100に選定されている。