山本静山

秋の千草がにおっている野や山のほとりには、点々と小松が美しい緑を輝かせながら生えています。一方、秋の野を飾る七草の葉や茎は、松のように深い緑の色ではなくて、こがねなす秋の色をたたえています。その輝くような色で、この秋を限りにと生きる七草と、小さいながらにも力強く、やがては大空へとそびえたってゆく松の緑との対照は、味わいがあります。美しい調和でもあり、必然の美であると思います。

One thought on “山本静山

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *