shinichi Post author03/10/2023 at 10:13 pm (ひもとく)この人を読む:上 寺山修司 トリックスターの奥底の誠実 堀江秀史 朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/DA3S15715397.html 寺山修司(1935~83)は、映画、ラジオ、テレビ、演劇と、およそ詩人というだけでは掬(すく)いきれない活動の場を持った。街中での同時多発的演劇で世間を騒がせもした。盗作嫌疑やのぞきなど不名誉な逸話もある。 『思いださないで』は、そんな寺山が一方で力を入れていたメルヘンの詩物語集である。 Reply ↓
shinichi Post author03/10/2023 at 10:29 pm 思いださないで by 寺山修司 思い出さないでほしいのです 思い出されるためには 忘れられなければならないのが いやなのです Reply ↓
shinichi Post author03/10/2023 at 10:29 pm ぼくが戦争に行くとき 反時代的な即興論文 by 寺山修司 この東京の真ん中にいて『ロビンソン・クルーソー漂流記』のように生きてみたいと思うのはバカげたことだ、という人もいるかもしれない。しかし、ビルの乱立と人口の増加というのは、ただの統計学的な問題であって、私たちは百年前と比べて百倍もの「隣人」を持っているくせに、友情などというものに、ロマンチシズムを感じないようになってしまっている。だれでも心のなかに無人島を持っているからである。 ロビンソンは草の根を食べ、石と石をぶっつけて火を創るという、太初の記憶を呼び戻すことで人間らしさを回復したわけだが、私は今日の繁栄のなかで電気洗濯機とテレビに取り囲まれて、いつのまにか野性を失いかけているこの時代にーそして時代感情を反映して、背広など着てニコニコしている自分に腹が立ってきた。 そこで「無人島宣言」または「ロビンソン宣言」をして、しばらくのあいだ近代文明の便利さ、合理性から自分を切り離してみたいと思っている。 Reply ↓
(ひもとく)この人を読む:上 寺山修司 トリックスターの奥底の誠実 堀江秀史
朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/DA3S15715397.html
寺山修司(1935~83)は、映画、ラジオ、テレビ、演劇と、およそ詩人というだけでは掬(すく)いきれない活動の場を持った。街中での同時多発的演劇で世間を騒がせもした。盗作嫌疑やのぞきなど不名誉な逸話もある。
『思いださないで』は、そんな寺山が一方で力を入れていたメルヘンの詩物語集である。
思いださないで
by 寺山修司
思い出さないでほしいのです
思い出されるためには
忘れられなければならないのが
いやなのです
ぼくが戦争に行くとき
反時代的な即興論文
by 寺山修司
ロビンソンは草の根を食べ、石と石をぶっつけて火を創るという、太初の記憶を呼び戻すことで人間らしさを回復したわけだが、私は今日の繁栄のなかで電気洗濯機とテレビに取り囲まれて、いつのまにか野性を失いかけているこの時代にーそして時代感情を反映して、背広など着てニコニコしている自分に腹が立ってきた。
そこで「無人島宣言」または「ロビンソン宣言」をして、しばらくのあいだ近代文明の便利さ、合理性から自分を切り離してみたいと思っている。