野中郁次郎, 紺野登

なんらかの知識が妥当性の高いモデルを構成してしまった場合、それは発見の手段になると同時に隠蔽の手段にもなりえるわけです。

コンセプトは私たちに観点の変化をもたらします。それは新たな視点を提供するのみならず、物事の本質をつかみ取ることのできるような観点です。私たちが「事実」と呼ぶものは、つきつめれば、経験的世界から切り取られた、現実の一部にすぎません。その際、新たな観点で現実を切り取る、道具の役目を果たすのがコンセプトです。現実を新たなものとして認識することで、新たな価値や行動が展開されていくのです。

One thought on “野中郁次郎, 紺野登

  1. shinichi Post author

    nonaka知識創造の方法論―ナレッジワーカーの作法

    by 野中郁次郎 and 紺野登

    ナレッジワーカーとしての個人が知識創造の本質的理解を深めるための、知の作法を論じる。

    日本の企業人の弱みは、現象の本質を洞察し概念化するコンセプト創造力、すなわち知力の乏しさである。「知識」という窓を通して哲学や社会学の伝統を学び、それを現代の経営にどう結びつけるか―。ナレッジ時代を生き抜く個人のための「知的鍛錬法」を論じる。

    Reply

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *