災害と経済破綻(藤井聡)

経済被害は長期間に渡る国民総生産(GDP)の毀損総額。日本の国民・法人・政府が被害によって失う所得の合計値である。
資産被害は災害によって毀損する建築物・資産等の金額を示している。
財政的被害は、国と地方を合わせた一般政府の税収の縮小総額を示している。

2 thoughts on “災害と経済破綻(藤井聡)

  1. shinichi Post author

    「秒読み」に入った超巨大災害。
    大規模国債発行に基づく強靱化を進めよ。

    by 藤井聡

    https://nix-japan.co.jp/img/news/2013/11/04_07-1.pdf

    国難災害がもたらす危機

    当該の検討では、国難災害がもたらす被害のうち、貨幣価値で算出できる被害として「経済被害」、「資産被害」、「財政的被害」の3種類を推計した。

    経済被害とは、長期間に渡る国民総生産(GDP)の毀損総額を示す。災害によって惹起される様々な「間接被害」を累計したもので、具体的には、日本にかかわる経済主体(国民、法人、政府)が被害によって失う「所得の合計値」である。この尺度が大きければ、その被害による国民の「貧困化」がより大きいと評価することができる。

    一方、資産被害は、災害によって毀損する建築物、資産等の金額を示している。財政的被害は、国と地方を合わせた一般政府の税収の縮小総額を示している。分析の結果、表1に示す通り、経済被害は南海トラフ地震について1,240兆円等の甚大な被害が生じることが推計された。一方で、高潮や洪水についても、数十兆円規模で生ずることも示された。これらの経済被害はすなわち、国民が失う累計所得を意味しているが、具体的には、例えば首都直下地震で東京23区の人々は平均で一人あたり約2,100万円の所得を失い、南海トラフ地震で名古屋市の人々も伺じく一人あたり平均で約2,100万円の所得を失うという結果が示されている。

    こうした国民の所得の喪失にあわせて、これらの巨大災害によって政府の財政当局が大量の税収を失ってしまう「財政的被害」が生ずることも示された。例えば、首都直下地震と南海トラフ地震の双方で、財政当局は200兆円を上回る巨額の税収を失うことが示されている。

    なお、今回の被害推計の特徴は「長期的な経済被害」を推計している点にある。これまでの検討では、長期的な国民所得•国民総生産の低迷効果は十分推計されていなかったが、今回は、過去の大災害の被害状況を実証的に踏まえつつ、長期間(地震については20年、水災害については14ヶ月)の経済低迷効果をシミュレートすることを通して、経済被害を推計している。

    Reply
  2. shinichi Post author

    (sk)

    日本の借金はハイペースでずっと増え続けている。毎年約30兆円(毎月2.5兆円、1週間5800億円、1日820億円、1時間34億円)くらい増えていっている。国債の残高は 現在約1000兆円くらい。もし平均借入金利が1%上がると利払いだけで10兆円が増加する。

    もし南海トラフ地震と首都直下地震がやってくると、経済被害は 2000兆円。財政当局は200兆円を上回る巨額の税収を失う。政府には復興が課せられ、国債の残高は一気に倍増してしまう。

    東京23区の人々は平均で一人あたり約2,100万円の所得を失い、南海トラフ地震で名古屋市の人々も伺じく一人あたり平均で約2,100万円の所得を失う。国民の所得が失われ、財産が失われるだけではない。国民が貯めたカネの価値がなんらかの形で失われてしまう。

    そうなれば、国の財政とか国債とかは国民の信頼を失い、国債は満期日になっても償還されず、つまり元本は返らず、それ以上の国債発行はできなくなり、日本円は信頼を失い、で結局、日本政府は、戦中戦後のように、借金帳消しのために、また、円を紙くずに変える。

    これをまとめれば、

      いくら増えても大丈夫と言われてきた日本の借金だが
      南海トラフ地震とか首都直下地震とか富士山噴火とかの大災害がおきれば
      日本円は紙くずになる

    という結論になる。

      日本円を何か別のものに変えておく

    というアクションが必要なのかもしれない。

    Reply

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *