ビッグデータの特質が語られる中で、驚くのは、データは「何故」を示さないという指摘だった。人間が物事を考えるときに「何故か」を普通に考えてしまうのとは対照的だ。つまり、人間はついつい、因果関係を考えてしまう。それが癖になっているのだ。
ところが、データは因果関係を考えない。データが扱うのは、「何が」という部分のみだ、と本は説明する。
例えば、ある道路を「毎時間、xxx台の車が走る」ということのみをデータは示す。「何故、xxx台の車が通るのか」を示さない。因果関係を見つけるのは、データを扱う人間なのだ。
著者が、「ビッグデータはこんなこともできる!」とほめあげたくて書いたのか、それともビッグデータの危険性の警告をしたくて書いたのか、気になった。
そこで、クキエさんに会った時に、聞いてみた。すると、「僕はビッグデータの活用を人に勧めているわけではないよ」、「あばたもえくぼでほめるつもりはない」という答えが返ってきた。
人間はデータに操られる必要はない。データを使うのはあくまでも人間ー私はこの本を読んで、そんなメッセージを受け取った。
「BIG DATA(ビッグデータ)」を読んで -人間とデータの関係とは
小林恭子の英国メディア・ウオッチ
http://ukmedia.exblog.jp/20374997/
インタビュー記事
(5)データエディターとはどんな仕事?(上)
http://www.yomiuri.co.jp/net/report/20130521-OYT8T00505.htm
(6)データエディターとはどんな仕事?(下)
http://www.yomiuri.co.jp/net/report/20130527-OYT8T00730.htm