Author Archives: shinichi

決められない

考えたことのないことを聞かれ 答えに詰まってしまうことがある 印刷の表面の仕上げをどうするか グロスPPにするか マットPPにするか そんなことを聞かれても すぐには答えられない PP とは Polypropylene のこと グロスPPは つやあり マットPPは つやなし わかったような わからないような しっかりつやのあるグロスPP しっとり落ち着いたマットPP どちらにします? 光沢を出すのがグロスPP 光沢を抑えるのがマットPP さあ どちらがいいですか? 色鮮やかではっきりした色合いの印刷にはグロスPP やわらかで淡い色合いの印刷にはマットPP さあ さあ どうしましょう? グロスPPだと元の色より濃くなって色味が変わるけど マットPPなら色目が変わりません マットPPにしますか? えっ? グロスPPのほうがいいですって? なんでですか? ねえ マットPPにしましょうよ 価格はマットPPの方がやや高いけど でも マットPPのほうがいいでしょ?

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銀行

はじめてはいる未来の銀行は 明るくて清潔で静かだ 目の前に現れた大きなスクリーンには 運用や投資しかない 仕方なく その他を選んで タッチする どこからか  ただ今の時間はサービス時間外となっております という声がする どうしたらいいかわからず 辺りを見回す 誰もいないし なにもない 監視カメラに映る僕は さぞかし間抜けに見えていることだろう スクリーンにヘルプのボタンを見つけ おそるおそるタッチする どこからか響いてくる無機質な声が いろいろな質問をする それにひとつひとつ答える 20か30の答えのあとで 無機質な声が  申しわけありません 本人確認ができませんでした と言う どうしたらいいのかと尋ねたら  もう一度はじめからやり直してください という答えが返ってくる こんなことで 冷たいと感じたらいけない みんなが冷たいわけではないのだ 世の中には冷たい AI ばかりじゃなく 暖かい AI もいる だから もしかしたら次の問い合わせには 暖かい答えが返ってくるかもしれない マニュアル化して画一化した AI といえども なかには少し違う AI もいて 助けてくれるかもしれない 未来の社会では 生きづらいことも多いけれど そう捨てたものじゃないことも いっぱいある  かもしれない 効率化と自動化とが進み なにもかもがオンラインで 受付が無人受付システムになり 紙の預金通帳はデジタル通帳になったのは 遠い昔のこと 人は要らない 紙も要らない そして 客も要らない  カネのない客は客ではありません  当行は必要としておりません  当行がお客様に合う銀行なのか  もう一度お確かめください そういう未来の銀行に比べれば 今の銀行は夢みたいだ そう考えて今の銀行に行けば 感謝で満たされるに違いない って そんなわけないか

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Coluche

C’est en 1985 que Coluche lance l’idée de distribuer gratuitement des repas aux chômeurs pendant tout l’hiver. L’année d’après Coluche, de son vrai nom Michel Colucci, meurt dans un accident de moto. Mais les Restos du coeur poursuivent leur combat contre la pauvreté, soutenus dans leur action par des artistes amis de Coluche qui collaboraient déjà à l’initiative. Les “Restos du coeur” sont devenus une association dont le but est d’aider les plus démunis et de participer à la lutte contre l’exclusion sociale. Depuis leur création, plus de deux milliards de repas ont été servis. Aujourd’hui plus de 2000 restos, plusieurs dans chaque ville, offrent des repas chauds aux sans-abri … Continue reading

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Marcus Rashford

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Lewis Hamilton

In 2020, Marcus Rashford took his many talents beyond the football field—where he is a star player for Manchester United and England’s national team—to respond to a national crisis: child hunger. “I know what it feels like to be hungry,” he wrote last June as part of a campaign that succeeded in pushing the government to provide meals for students in need during summer vacation. By standing up for the most vulnerable in our society, and using his platform and influence to create positive change, Marcus inspired countless others to join him on this mission and cemented his status as a role model. In a year that showed us the … Continue reading

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色鉛筆

ファーバーカステルとホルベインの全色が欲しい という 欲しい欲しい病 にかかっている人は多い ファーバーカステルもホルベインも一本から買える だからというか でもというか 全色が欲しくなる ファーバーカステル120色とホルベイン150色なのか ファーバーカステル120色かホルベイン150色なのか その辺は人によって違うけれど ファーバーカステル120色のほうが色の乗りがいいとか ホルベインのパステルトーンは外せないとか いろいろ好みはあるけれど うーん 悩ましい

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転居

向原町 239番地にあった公孫樹や梔子や紫陽花は  コンクリートのなかに消えた 目黒本町 6丁目を流れていたどぶ川は  暗渠になって姿を消した 本羽田 3丁目にポツンと建っていた家は  建ち並んだ家々のなかに埋もれてしまった 隼町 13番地にあった広い空は  ビルで区切られてしまった 両国 4丁目にあった下町の空気は  ツンとすましたよそ行きの空気になり 萩山町 1丁目にあった景色は  石も木も水も そして土までも失い 東大井 4丁目にあった慎ましさは  豪華さにとって代わられた 2734 Hampshire Road にあった壊れかけたビルは  不動産投資のおかげでピカピカになり 鍛冶町 190番地にあったはじめてのビルは  後から建ったビルの間に姿を変え Avenue Helvétique 2 にあった静けさは  街の賑わいに包まれてしまった 38 Vert Village にあった永遠の家は  隣人が見守ることになり 御影山手 1丁目にあった仮の館は  いつしかちゃんとした館に変わり 1619 Third Avenue にあった幻は  現実に置き換えられ 10 Liberty Street にあった夢は  本当の夢になってしまった そう みんな幻 みんな夢 昨日のことも 明日のことも

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綺麗

君が綺麗なのは 君を大好きだから いや 違う 君のことが大好きでなくても 君は綺麗だ

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朝日新聞

一部を加工しています

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人が作った道を歩いて 斜面を登り 人が植えた梅の木に 花が咲いているのを見る 思惑にはまっている なんだか そんな感じがする そして考えた 人が書いた安らぎを与える本を読み  なんともいえない絶望を感じるのも 人が作った元気を与える曲を聴き  元気とは関係のない寂しさを感じるのも 思惑どおりなのかもしれない 僕は 人の思惑から自由でない

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百花繚乱

CMYK (シアン マゼンタ イエロー キープレート) で表される色の数は C: 0〜100% M: 0〜100% Y: 0〜100% K: 0〜100% の組み合わせで1億以上 それなのに 画面の上の色や 街にあるれている色は せいぜい千くらい 不思議なことに みんな同じ色を使いたがる 学校教育のせいなのか 人もみんな同じように行動する しかも みんな 同じになりたがる ひとりひとりがそれぞれの人生を送ればいいのだけれど 違うことがいけない社会では 誰も他人と違うことをしようとしない 人が魅力的なのは 他の人と違うところ なのに みんな 人の真似をする 人のようになろうとする そして 違うものや 個性的な人を はじきだしてしまう 他の人と同じになろうなんて考えてはいけない 他の人と同じなんてつまらない みんなが同じ世の中なんて なんの魅力もない 自分らしい姿で 自分らしいことをする 自分らしい考えで 自分らしく振舞う みんながそうやっているほうが みんなが言われるままにしているより ずっといい

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レジリエンス

人として レジリエンスが大事だなって つくづく思う 心の復元力 回復する力 立ち直る力 苦境を脱する力 困難を克服する力 想定外の出来事に冷静に対応する力 戦争になろうが 災害が起きようが どんな変化にも対応できるしなやかさや 新しい環境や多様な状況に立ち向かう強さがあれば どうにか生きていける 会社にもレジリエンスがあって 競合企業が画期的な新製品を出した時に レジリエンスがない会社はつぶれ レジリエンスのある会社は痛手を負わない 社会にもレジリエンスがあって 干ばつが来ても ほぼ無傷で済んでしまう農家と ちょっとした干ばつで農場が劣化してしまう農家がある 中期金利が上昇しても 成長が鈍らない社会と ちょっとした金利上昇で すべてが壊れてしまう社会とがある 地球には レジリエンスがあるから 温暖化だなんだ言っても心配はないのだけれど そこで暮らす人間にとっては温暖化は大きな問題で それで 大事なのはレジリエンス 今日起きることは 昨日起きたこととは違う 明日起きることも 今日起きたことと違う そんな感じでいろんなことが起きるけれど レジリエンスで笑って切り抜けて 楽しむ そう なにがあっても君が笑っていて なにがあっても君が君らしく生きている それが望みといえば望みだ

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Resilience

Resilience, in the context of the earth’s ecosystems, is defined as the capacity to absorb a shock, reorganize, and continue to function as before. This basic ability is often taken for granted by the global economy, and yet evidence is mounting that crucial ecosystems are in decline. Without a rethinking of how we use the earth’s resources and the development of an approach based on resilience, many of those declines may be irreversible.

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誰かのことを想う

動物のことを想う 動物のためを想う 人間に支配されがちな動物のためを想う 自分に利益をもたらさない動物のことを想う 尊重する 思いやりを持つ 奴隷扱いされている動物のことを想う 奴隷扱いされるために捕獲される動物のことを想う 奴隷扱いされるために産みおとされる動物のことを想う 自分の選択で たくさんの動物を 苦しみと犠牲から解放することができると知る 植物のことを想う 植物のためを想う 人間に支配されがちな植物のためを想う 自分に利益をもたらさない植物のことを想う 尊重する 思いやりを持つ 奴隷扱いされている植物のことを想う 奴隷扱いされるために植えられる植物のことを想う 奴隷扱いされるために交配される植物のことを想う 自分の選択で たくさんの植物を 苦しみと犠牲から解放することができると知る 人のことを想う 人のためを想う 他人に支配されがちな人のためを想う 自分に利益をもたらさない人のことを想う 尊重する 思いやりを持つ 奴隷扱いされている人のことを想う 奴隷扱いされるために教育される人のことを想う 奴隷扱いされるために産みおとされる人のことを想う 自分の選択で たくさんの人を 苦しみと犠牲から解放することができると知る そういうことのためにも まず 君のことを想う そう 君のためを想う

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寒い夜の夢

寒い夜に 目を閉じて 海岸に飛ぶ 暖かい風が吹き 波の音が聞こえる 君が ただの海岸を 幸せな海岸にする ぼんやりとした太陽を まばゆいばかりの太陽にする 怠惰な風が 気持ちよく吹いて インディゴブルーが 君を包む 肌が触れる 匂いが混じる

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みんなが知っていること

みんなが知らないことを知っても 誰にも理解されないけれど みんなが知っていることを知るより ずっといい だって みんなが知っていることを知るのは なんにも知らないのと同じだから 誰かにわかってもらえたと思っても ただの錯覚かもしれないのだから ぬけぬけと自分の夢に溺れれば それはそれで幸せではないか 世界と断ち切れたところで ひたすら見えないものを紡ぐ そして 出来上がりに満足する 誰もいいと言わない出来上がりは 静かなひかりのなかで輝いている ああ なんてきれいなんだろう

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中抜き

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おかしくなったのは

心地よい春風が吹いているのに 暖房に慣れた体が 寒いと言っている きっと 爽やかな秋風が吹いても 冷房に慣れた体は 暑いと言うのだろう 老人施設にいる人は 科学技術のおかげで 一年中同じ温度のなかで 快適にすごす 常夏の島にいる人は 異常気象のせいで 寒波に見舞われ 寒さに震えている 自然の摂理から遠いところにいて 考えも行動も狂ってしまった 自然の摂理から離れて暮らしていたら 人は人でなくなってしまった 環境がおかしくなったのではない 人がおかしくなったのだ 周りがおかしいのではない 僕がおかしいのだ

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倫理と論理

この地球上には人が78億人も住んでいて その半分以上の じつに44億人が アジアに住んでいる 中国に13億数千万人 インドに13億数千万人 日本には1億2千万人 台湾には千数百万人 こういう数字は 正確ではないにしても まあそんなものだろうと思う キリスト教の信者が24億人 イスラム教の信者が19億人 ヒンズー教の信者が12億人 仏教の信者が5億人 日本には神道の信者が8千数百万人 仏教の信者が8千数百万人 こういう数字を見ると なんだかなぁと思う キリスト教徒として数えられている知り合いは そのほとんどが日曜に教会に行かないし そもそも僕は神道の信者でも仏教の信者でもない 世界中の中国人やインド人がいったい何人いるのか そんな数は想像もつかないけれど 世界中の白人より多いのは確かなこと 3.3億人のアメリカ人が 世界をコントロールする時代は終わっても キリスト教の倫理が世界を覆い 白人の論理がまかり通っている AIが持たされる倫理はキリスト教の倫理だし 世界の政治を支配するのは白人の論理で 中国人の倫理とか インド人の論理は なかなか見えてこない 19世紀のイギリスの時代が終わり 20世紀のアメリカの時代が終われば 民主主義や人権がすたれて もっと住みやすくなるのだろうか いや 次に来るのはきっと ディストピアよりもっと住みにくい 不思議な世の中なのだろう 東条英機のように死ぬことができなければ 新しい世に殺されて 近衛文麿のように死ぬことができれば 新しい世を見ずにすむ ディストピアの倫理はAIの倫理なのか ディストピアの論理はビッグデータの論理なのか いずれにしても ディストピアが現れるまで生きていないことを 心から幸いだと思う

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Michael Sandel

Even the most conscientious companies cannot be expected to figure out the common good by themselves, without engaging in robust public discussion about the purposes of technology, about the ethical dilemmas that technology raises and about how we should address those ethical challenges. The tech industry cannot answer those questions by itself. Only a sustained lively public debate about the ethical implications of technology can address those questions. The most responsible technology companies will be those that welcome and encourage a broader public debate about how technology, rather than being disempowering, can be a force for the common good.

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Pascal Molenberghs

The left and right lateral orbitofrontal cortex was more active for shooting innocent civilians compared to shooting soldiers.

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Maximilien de Robespierre

Est-ce dans les mots de république ou de monarchie que réside la solution du grand problème social ? Sont-ce les définitions inventées par les diplomates pour classer les diverses formes de gouvernement qui font le bonheur et le malheur des nations, ou la combinaison des lois et des institutions qui en constituent la véritable nature ?

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Moral Machine

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言葉は虚ろ

自由、自由と声高に叫び、 なにかを訴え続ける人たちがいる その人たちは自由という言葉で いったいなにを訴えたいたいのだろう  自由でない国の権力者たちが  自由を訴えるって  おかしくはないか? 法の支配という言葉を使って 隣の国の専断的な国家権力の支配を 批判する人たちがいる  統治される人々だけでなく  統治する権力者たちも  法によって拘束されなければならないのが  法の支配だと知って  法の支配という言葉を使っているのだろうか? 国際スタンダードに従えと 言う人たちがいる  この国の国際スタンダードは  隣の国の国際スタンダードとは違う  どの国にも通じる国際スタンダードがあると  本気で思っているのだろうか 文化が違い 価値観が違い 善悪の判断が違う時 私たちは戸惑う この国の自由は 隣の国の自由とは違う この国の法の支配は 隣の国の法の支配とは違う この国の国際スタンダードは 隣の国の国際スタンダードとは違う そう 言葉は虚ろ 何を言っても通じはしない

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百草園

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低い木の枝

花瓶のなかに生けられているのは 高い木の枝ではない 下草でもない 低い木の枝 森のなかで 隙間を埋めるためにあるような 低い木が 花瓶のなかで何かを主張する 小枝や葉がそぎ取られ 長い一本の枝と 先のほうに残った2枚の葉 そして2個の黒い実 森のなかでは 目に留まることのないものが 部屋のなかで 見るものを くぎ付けにする 社会のなかで 平凡と思われている人のひとりひとりに 喜びや悲しみがあることを思い出させるような 花瓶のなかの低い木の枝 枝と葉と実を見ているのか 考えているだけなのか なにかの思いにとらわれて 人がひとり 動けずにいる

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アクリル

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心でものを見る

心で見ることのできる君が 僕を好きと思う 心で見ることのできる君が 僕を嫌いと思う 君に好かれた僕は 自信に溢れ 君に嫌われた僕は 途方に暮れる 心で見ることのできる君が 僕をいいと思う 心で見ることのできる君が 僕をいやだと思う 君がいいと思った僕は 輝いている 君がいやだと思った僕は 沈んでいる 君に嫌われた僕も 君がいやだと思った僕も どこかに消えてしまえ

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それでいいよね

僕よりもずっと大きなハンディを抱えている人たちが 僕よりもずっと頑張っているのを見ると 心から恥ずかしくなる でもというか だからというか がんばらないでいい境遇に感謝して がんばらないでいい毎日を生きる 優しく生きる それでいいよね

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誰のせいでもない

コロナ禍のせいで  普通の暮らしができないとか  普段の仕事ができないとか  延期とか  中止とか  会えない人に会えないとか  したいことができないとか  行きたいところに行けないとか  いろいろなことを言う まさに禍だ でも その一方 コロナ禍のおかげで  学校のオンライン化が進み  テレワークがひろがり  生産者からの直接購入が増え  消費形態が変わり  eコマースが拡大し  消費者の利便が増し  オンライン診療が増え  医療へのアクセスがよくなり  分散型エネルギーへのシフトが加速し  平常時にも災害時にも利用できるサービスが増えた などという こんなことはみんな コロナ禍があろうがなかろうが いずれは起きること コロナ禍が変化を加速したというけれど コロナ禍がなければ変われないとは なんとも情けない コロナ禍の前にも変化はあった コロナ禍の後にも変化はある 変化の時代には 変化のせいで悪くなる人がいる一方 変化のおかげで良くなる人もいる 戦争のせいで財産を失った人がいると 戦争のおかげで財産を増やした人もいる 変化のない時代はない どんな時代でも うまくやる人はうまくやり うまくやれない人はうまくやれない うまくいかないことを 変化のせいにしたり 時代のせいにしたり 社会のせいにしたり 他人のせいにしたりするのは やめよう 変化は 誰のせいでもない

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別世界

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった も 国境を抜けると海が見えてきた も それまでとは違う別世界に入る感じがして いい なにかが待っている感じ もう戻れない感じ 生きていることはすべて 一方通行 戻ることはないし 同じことは二度と起こらない 別世界で何をするか 思いは広がる

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荘厳

科学技術の進歩のおかげで 私たちの活動範囲は大きく拡がった 遠いところで教育を受けたり働いたり 食べたり飲んだり遊んだりする 科学技術の進歩のおかげで 私たちの情報は大きく交錯するようになった 知りたい情報を正しいと信じ 知りたくない情報を間違っていると決めつける 科学技術の進歩のおかげで 多くの病気が治るようになった 私たちの寿命は大きく伸びて 死ぬ年を超えても生きている 科学技術の進歩のおかげで 世界中の人たちが食べられるようになった 自然のものばかりでなく養殖ものを食べ 農業産品ばかりでなく工業製品を食べる 科学技術の進歩のおかげで 生態系は破壊された 動植物が死に絶えるなか 人だけが生きようとしている 人ひとりが死ぬ前には あらゆるものが荘厳される 人類が死に絶えるときにも あらゆるものが荘厳されなければならない その時 私たちは 皆 自然の一部だと感じる そう 私たちは特別ではないと感じる 自然の一部だと感じる

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らしさ

完璧にしようとしても 完璧なんてない 完成させようとしても 完成することはない 永遠を夢見ても 終わりがやって来る 完璧でない君が 誰よりも愛しい

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狡い人といると 狡くなる 純な人といると 純になる 狡くなりたければ 狡い人と一緒にいればいい 純になりたければ 純な人と一緒にいればいい でも 純な人は あまりいない 君は 馬鹿なくらい 純だ

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予定調和

相手の俳優がどう演じても それとは関係なく台本通りに演じる俳優 コード進行から外れることなく 頑なにルールを守ろうとするミュージシャン ありとあらゆる制約に縛られ 何事もなく終えることに腐心する放送ディレクター 党が決めたことだからと 自分の考えとは違うことをする政治家 予定調和には こころがない 予定調和には 明日を良くする力がない

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ウイルスと富裕層

ウイルスは 宿主なしでは 生きていけない 富裕層は 貧困層なしでは 生きていけない

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雪が降る 雪が汚いものを隠す きれいなものも隠す 雪が色を奪う 音も奪う 雪化粧した景色を 静けさが包む 雪に覆われた夢を 暖かさが包む

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色はない

光がなければ色はないという 光に色はないともいう 人は ある波長の電磁波を色と感じる たとえば700nmの波長の波なら赤と感じ 550nmの波長の波なら緑と感じる 人が感じることのできない波を 鳥が感じる 鳥が感じることのできない波を 人が感じる 君が感じることのできない波を 僕が感じる 僕が感じることのできない波を 君が感じる 光はない あるのは波だけ 色もない 色を感じるだけ ものに色がなければ ものは見えない 見えないものを あるとはいえない 起きている時に 夢を追いかけ 寝ている時に 幻を追いかける あるはずのないものを 追いかける

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保守的な人々

雨の日は雨合羽で自転車に乗り 風が吹けばコーヒー屋に入り 雪や夏の暑さはクーラーの部屋で凌ぎ 健康食品で体を守り 慾深く 褒章を気にし いつも大声で話し 変化を嫌い 群をなし 他人を気にし 他人に惑わされ 他人と同じものを食べ 他人と同じものを着て 他人と同じように暮らし それなのに他人の言うことを聞かず でも 酔っぱらって迷惑をかけることなどなく 賭け事はせず 風俗に興味を持たず 消極的で 視野が狭く 人間も狭く 政治的には革新で 経済的には堅実で 近所づきあいはよく 挨拶は欠かさず 皆で歌を歌い 皆で山を歩き 正しく 常識的で 健康的で 真面目な そういう者に 私はならない 絶対にならない

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水の色

私たちは波に囲まれている 寄せては返す海の波 風が作り出す草の波 地面を伝わる地震の波 空気を震わせて伝わる音 そして電磁波 電磁波は研究しつくされ 波長の長いほうから短いほうに つまり 周波数の低いほうから高いほうに 電波 光 X線 ガンマ線 と分類されている 電波は 長波 中波 短波 マイクロ波 などに分類され 光は 赤外線 可視光線 紫外線 に分類され 可視光線には細かな名前が付き 赤外線に近いほうから 赤 橙 黄 緑 水色 青 紫 などいわれ みんなで わかったつもりになっている ものすごい量の波が 目の前を行き交っているらしい 私たちは そのほとんどに 気付くことがない 電波も X線も ガンマ線も 紫外線も 赤外線も 見えないし 感じることがない 一定の周波数の波だけが 可視光線と呼ばれ 眼で検知され 色として認識される 木の葉は赤色を吸収し 緑の光を反射するから 緑に見え 木の葉の色は緑ということになる 水は赤い光をほんの少し吸収するけれど 光を通しやすく反射させることはないので 赤い成分が取り除かれた光が つまり青い光が 認識される ただ 吸収される赤い光はわずかなので 少量の水は無色透明に見え 水深が数メートルある所なら 大量の水は青に見える 空の色の反射も無視できない 青い空の下では海も湖も青 夕焼けが反射すれば 水は赤く染まる 目の前の水は透明だし 海や湖の水は青く見える 絵の具の水色は薄い青 心の中の水色はどこまでもきれいだ 君に段だら縞の水の色を 見せてあげたい 時々刻々変わる段だら縞を 一緒に見ていたい

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見えない景色

知っていること 知らないこと 知っているつもりのこと 知っているかどうかわからないこと 知っていると思っていても 本当に知っているのかどうかと聞かれれば わからないと答えるしかない 見ているもの 見ていないもの 見えるもの 見えないもの 見えないものが あるのかどうか 見えないものが あったとしても あるかどうかは わからない 見えないもの 触れることのできないもの 目の前を通り過ぎるもの 空からやってくるもの からだを通り過ぎてゆくもの どこからくるのか わからないもの 地中を通り過ぎるもの 目の前の景色は もしかしたら 見ているものとは だいぶ違うのかもしれない 見ていない景色は なんなのか 思い込みが なくなれば 見ることができるのか 見たら なにかが変わるのか 見たいような 見たくないような 開けてはいけないものを 開けてしまったり 見てはいけないものを 見てしまったら なにかが起きる なにが起きるかは わからないけれど きっと なにかが起きる

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四季

春 山笑う 夏 山滴る 秋 山粧う 冬 山眠る 春 水湧く 夏 水轟く 秋 水行く 冬 水凍る 春 君歌う 夏 君弾む 秋 君感じる 冬 君安らぐ 春 遥う 夏 逍う 秋 漂う 冬 無に帰する

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行きたいところ

行きたいところに 行くために 灯りを探し 進路を決める 灯りがなければ 進路はみつからない 灯りが多すぎても 進路は決められない どの灯りを頼るのか どの灯りを信じるのか 胸に手を当て 自分に問いかける どこに向かっているのか 誰も知らない 僕がどこに行き着くのか 気にする人はいない 胸に手を当て 自分だけを拠り所にするしかない 多くの灯りのなかから 自分に合った灯りをみつけ 無理をせず かといって怠惰にもならず ゆっくりと 自分らしく進む 自分を通すわけでもなく 相手に合わせるわけでもない 男らしいとか 女らしいとかでなく 誰かのようにでなく 自分らしく そう 自分らしい進路を 君と進む

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変わった人

ガリレオも ニュートンも ラヴォアジエも 変わった人だったようだし ダーウィンも アインシュタインも ハイゼンベルクも 変わった人だった 釈迦も キリストも モハメッドも 変わった人だったに違いないし 文鮮明も 李洪志も 麻原彰晃も 変わった人だった トルストイも ディキンソンも 森鴎外も 変わった人だったというし 谷崎潤一郎も 太宰治も サリンジャーも 変わった人だった 変わった人がいなければ なにも生まれないのかもしれない でも 普通の人がいなければ すべてが成り立たない 変わった人は 人に影響を与え 時に騙し 偉大だといわれる 普通の人は 変わった人に影響され 時に騙され 目立つことなく生きる 変わった人がどんなに偉大でも 普通の人の偉大さには かなわない 普通の人のほうが ずっとずっといい

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フェードアウト

だんたんとぼやけてゆく はっきりしなくなる だんだんと見えなくなる いつしか消えてゆく 記憶はいつも曖昧で 実際より綺麗になったり 実際より汚くなったり それでもひとつだけ はっきりしているのは 実際とは違うということ 悲しい記憶はとどまらず 忘れるから生きていける つらい記憶もとどまらず なにからなにまで忘れてしまう 楽しい記憶もとどまらず うまいということだけが残る 味の記憶のように 情景だけが残る 匂いの記憶のように よかったということだけが残る 触れた記憶のように 覚えていたくても 覚えていることはできない 記憶が現実と混じって 別の記憶を作り出しているんじゃないか そう思って 記憶をたどっていったら どの記憶にも現実味がない 現実は ほんとうにあったのだろうか 過去の現実はすべてフェードアウトして 記憶のなかから消えてゆく 今という現実もやがてフェードアウトして 記憶のなかから消えてゆくのだろう 記憶から消えた現実は どこにもない 消えた現実は 現実ではない

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反ニュートリノ

粒子があると反粒子があるという 粒子と反粒子は 質量や寿命などの性質が同じで 電荷のプラスとマイナスだけが反対 そんなことを信じろという 粒子が反粒子と衝突して 質量がエネルギーに変換され 粒子と反粒子が消えるが対消滅 逆に エネルギーが質量に変換され 粒子と反粒子が生成まれるのが対生成 そんなことらしい 粒子から作られるのが物質で 反粒子から作られるのが反物質 エレクトロンの反粒子はポジトロン プロトンの反粒子はアンチプロトン 水素はプロトンとエレクトロンからできていて 反水素はポジトロンとアンチプロトンからできている そんなことを鵜呑みにすれば いい生徒といわれ なんだかなあと思えば ろくでなしといわれる 宇宙は138億年前のビッグバンで誕生したという 宇宙には始まりも終わりもないという人もいる 愛に始まりと終わりがあるように 生命に始まりと終わりがあるように 宇宙にはきっと始まりと終わりがあって すべては たくさんの愛の始まりと終わりからできていて そして すべては たくさんの生命の始まりと終わりからできていて だから すべては たくさんの宇宙の始まりと終わりからできている そう 宇宙はきっとひとつではない 私たちが知っている宇宙は 138億年前に生まれた そして 私たちが知らない宇宙が 今日生まれていてもおかしくはない 私たちの想像は限られていて 宇宙のどこかに 人のような生命体がいると期待する そんな確率は限りなくゼロに近いのに 多くの人たちが同じことを期待している そして 多くの人たちが同じことを信じている 宇宙が138億年前に生まれたと信じている 反物質なんていうものを信じている 科学を信じている人のなかには 宗教を否定する人が多いが 知ることができないことを 信じているということでは 科学も宗教も同じだ ニュートリノが何なのかわからないのに ニュートリノと反ニュートリノのことを まじめな顔で話す人は 神のことを どれだけ知っているのだろう 僕は神を信じない 僕は科学も信じない 愛も信じない 永遠も信じない そして正直なところ なんにもわからないけれど でも僕は 君が好き とってもとっても 君が好き

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企業城下町

紫の山から湧き出た水が 川になって流れてきて 沖に島に向かうようにして 海に流れ出ていった 山にも川にも海にも 神が宿っていたという でもそれは あまりにも昔のことなので ほんとうことは 誰にもわからない 川の水と広がる野に惹かれ 化学企業がやってきた 企業が工場を作ったおかげで 村は町になる 企業の発展が町の発展だったから 企業がなにをしても 誰も企業を悪く言わない そして 経済的にも社会的にも 企業が町の中心になっていった 企業のなかの偉そうなヤツのせいで 海は水銀に汚染され 海で泳ぐ魚が壊れ その魚を食べた人たちが壊れてしまった 偉そうなヤツは市長になり 企業は過去を消し 立派な公園や駅を作った 僕はそんな町に 山の方からバスで入った 空気は重く 町は変な臭いに包まれていた 工場の前の道は場違いなくらいきれいで 工場のカメラが通行人を監視している 海まで歩いて行く 道は普通の道になり 海岸の傾斜地にへばりついている漁師の家と 沖に浮かぶ小さな漁船が なにも終わっていないと言っている 僕はここに来たことを心から悔やみ 神社に寄った 早く出て行けと 神社は言った

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一緒

絵の前で立ち止まり からだを向ける 絵を見ているのか 絵ではない何かを見ているのか わからない 声を聞いていたのだろうか もしかしたら ただ そこにいたかっただけ なのかもしれない 山が見える丘の上で 遠くを見る 山を見ているのか 山ではない何かを見ているのか 身動きひとつしない 匂いを嗅いでいたのだろうか もしかしたら ただ そこにいたかっただけ なのかもしれない 隣に君がいる 君を感じる もしかしたら ただ 一緒にいたかっただけ なのかもしれない

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僕は無を知らない 見たこともないし 感じたこともない ゼロは無ではない マイナスからプラスへの通過点は ゼロではあっても無ではない 瞬間も無ではない それがどんなに短い時間でも 瞬間は無とはいえない 真空も無ではない 真空という空間の広がりは 無とは違う 時間も空間もないところに 無があるという でも僕は 無を想像できない ないものは見えない 感じることもない でも君はいる 見える 感じる 君がいると きっと無は見えない 君がいるから たぶん無は感じない そう 君がいるところに 無はない

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生命

針の切っ先に立っていたジミー・ペイジは いつのまにかベンチに腰かけている あれほど気難しかったジェフ・ベックは 笑顔を振りまくショーマンになっている カッコよかった人たちが カッコ悪くなったのではない ただ年をとっただけ 時間が経っただけなのだ いったいどれだけの生き物が この地球上にいるのだろう 想像もつかない数の生命のなかの たったひとつの生命に いったいどんな意味があるのだろう 何億年に亘る生き物の営みのなかで 何十年しか存在しないひとつの生命など ないも同然ではないか 戦争に駆り出されて失う生命も 安逸をむさぼって生き延びる生命も 短い生命には変わりない 一人の生命は 地球よりも重いとかいうけれど 一人の生命は 地球の生命に比べるべくもない ベンチで休んでいるジミー・ペイジも 指が動かなくなったジェフ・ベックも 走れなくなったヨハン・クライフのように カッコいい 私たちは誰もが ノーボディー 何者でもないし 誰の記憶にも残らない ジンギス・カンが何を考えていたのか 誰にもわからない ジンギス・カンの墓がどこにあるのか 誰も知らない 膨大な数の生命のなかで 一つの生命の存在は とても小さい それなのに たったひとつの君の生命は とても大きい びっくりするくらい 大きい

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その布は 得も言えない色をしている 近くで見ても 遠くから見ても 同じ色をしていて 純粋で 誇り高い 明るいところでも その色は光に負けず 暗いところでも その色は影に負けない ところが布の持ち主が現れて ここに違う色がついている あそこにも違う色がついていると 言う たとえ染みがついていたとしても その布が 美しいことには変わりがない その布の色が 染みに侵されることはない 全体を見ずに染みがついていると言われても 布はいつものように 今日も同じ色をして 純粋に 誇り高く 輝いている

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北欧

アイスランド には セッタ レダスト(Þetta reddast)という言葉がある 大丈夫 なんとかなる たぶん うまくいく そんな感じ 計画したところで 火山が爆発すればそれまで 細かいことを考えすぎずに なんとかなると信じる ノルウェー には クーシェリ(koselig)という言葉がある 心地よい 幸せな気分になる そんな瞬間のすべて 暖炉の前でホットワインを飲みながら 好きな人と談笑する ふわふわのクッションに身を任せ うつらうつらする デンマーク には ヒュッゲ(Hygge)という言葉がある 温かで心地よい空気 温かで心地よい天気 うららかな春の日に 草の上に寝転んだり 小春日和の秋の日に 落ち葉の上を歩いたり スウェーデン には ラーゴム(Lagom)という言葉がある 多すぎず少なすぎず ちょうどいい感じ 程々に働き 程々に稼ぎ 程々の家に住み 程々に楽しむ フィンランド には シス(SISU)という言葉がある 困難に立ち向かう勇敢さ 逆境を乗り越える力 静寂のなかで 謙虚に考える 失敗を受け入れ チャンスと捉える 日本 には なるようになる という言葉がある なるようになるし なるようにしかならない 時の流れに身をまかせ 君とすごす 考えすぎることなく 君を想う

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分断

社会はいつも2つに分かれる 都市に住む人たちと 地方に住む人たち 富裕層と 貧困層 老人と 若者 保守と リベラル 2つのグループは 違うところに住み 違うものを食べ 違う情報に触れ 交うことなど 考えられない 境界には 線が引かれ つながりは 断ち切られ 格差が大きくても 見て見ないふり 忙しい人々は 優しくなく 信じることのできる人は いない 助ける人は鈍感で 助けられる人を傷つける 理不尽さは 説明されず 思考は停まったまま 僕はどこにいるのか あちらなのか こちらなのか 内なのか 外なのか いや 僕は どこにもいない 部外者よりも 部外者で 外人よりも 外人の 孤立している 僕がいる

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雲の上の風呂

山の上で 朝の冷たい空気のなか 湯に浸かる 見上げると月がうっすらと見え その下を雲が流れている 声を出そうとする 声にならない 考えようとする 考えられない 君のことを思う 君は隣にいる

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色名

ひとつの色の色域は広い 他の色の色域も広いだから色域は重なり合う 書物に材料や薪の数まで記されていたからといって 色が一定になるわけではない 深紫や浅紫という色は 紫草の根を何度も繰り返し染めることで得られる 『延喜式』には   深紫を染め出すのに 織物二反に 紫草 18kg を使い   浅紫を染め出すのに 織物二反に 紫草 3kg を使う そう書いてある   媒染剤には 赤みを出すため椿の灰を使い   染液は 青みを抑えるために 60℃ に加熱しながら染める そうも書いてある だからといって その通りにやれば 同じ色が出るわけではない 深紫を出そうとして滅紫が出てしまったり 浅紫を出すはずが半色が出てしまったりなどということが よくあったに違いない 媒染剤として 椿の灰の代わりに明礬を使えば 色合いは違うものになるだろうし 時が経てば色の標準は変わるだろうし 絶対的な色は なかったに違いない ある本には 深紫は黒紫と同じ色だと書いてあり 別の本には 黒紫は深紫に比べてより黒いと書いてある 深紫と黒紫が同じかどうか もう誰にもわからない 色名は自由に使われ その割には皆が色名から同じような色を想像してきた そうはいっても 色名が使われるなかで 色は変わり続け 時には違う色になってしまった 人もまた時とともに変わる 変わるのは色だけではない

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「共感」と「つながり」

メディアから「共感」とか「つながり」といった言葉が溢れ出し 安っぽい「共感」と嘘っぽい「つながり」が僕たちを覆う みんなが同じことを感じているという気持ちの悪さに息をつめ 知らない人同士がつながっているという不気味さにおののく 「共感」や「つながり」が嫌だという声は雑音として無視され 異質さをまとうことが まるで悪いことのように感じられる アルゴリズムが支配する人工的な社会になってしまったら リストから抜け落ちている価値には意味がなくなってしまった 広告代理店が企業とともに演出した「共感」を持つことなく テレビ局が政府とともに作り出した「つながり」を拒んだとしても 「共感」と「つながり」は音も立てずに忍び寄って来て すぐ隣から「共感しよう」「つながろう」と私たちを誘う 「共感するのは嫌だ」と立ち上がって言う 「そんなことを言うお前は 仲間ではない」と 暗闇が僕を見つめる 「つながるのは嫌だ」と大きな声で叫ぶ 「つながらない者は 敵とみなす」といって 銃口が僕に向く 非協力的で共感しない糸が縦横の模様を織りなし つながりたくないという罪が深い海の底に広がる どんな罰が与えられるのだろうと怯えて君に聞いたら 「罰なんて こないでしょ」と君が言った

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至福の時間

人に言えば笑われてしまいそうな企てがある 知らない国をあてもなく旅する 草と木のなかに程々の家を建てる 世界でいちばん美しい本を作る たぶん僕はそんな企てをどれも実行しない あてもなく旅したりはしない 程々の家を建てたりはしない 美しい本を作ったりはしない あてもなく旅したりはしないのに 僕は旅の始まりをどこにしようか思いあぐねている 行きもしないのに ビザの心配をしている 程々の家を建てたりはしないのに 僕は程々の家を建てる場所を探している 建てもしないのに 電気や水道の心配をしている 美しい本を作ったりはしないのに 僕は本のなかに散りばめる素材を集めている 作りもしないのに インクの色の心配をしている そんな企てのために どれだけの時間を費やしたことだろう 旅の始まりにぴったりだと思える場所は数百は下らない 家を建てるのにいいだろうなと思った場所は数千は下らない 本のなかに散りばめるために集めた素材は数万は下らない 僕はそんなことで無駄な時間をすごす でもそれは眠りたくない時間で 至福の時間で 横にはいつも君がいる

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寄生

がん細胞は 宿主に寄生する以外に 生き残ることはできない でも がん細胞は自分勝手で 宿主の都合など 考えたりしない そして がん細胞は 宿主の免疫機能を凌駕する でもなにか変だ がん細胞は 宿主を破壊すれば 己も消滅する それなのに がん細胞は 共存の道を探ろうともせず ひたすら増殖を続ける 自分のしていることが 自分の破滅になることを 知ろうとはしない 人間は 地球の上以外に 生きる場所を持たない でも 人間は自分勝手で 地球の都合など 考えたりしない そして 人間は 地球の免疫機能を凌駕する でもなにか変だ 人間は 地球を破壊すれば 己も消滅する それなのに 人間は 共存の道を探ろうともせず ひたすら環境の破壊を続ける 自分のしていることが 自分の破滅になることを 知ろうとはしない

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運命

人が増えれば死ぬ そういうふうにできている 人口が急激に増えれば  地震が発生したり  川が氾濫したり  山が噴火したり  感染症にかかる人が増えたり  地域紛争が起こったりして 人が多く死ぬ そんなものだと考えればいい 悲しいけれど人は死ぬ 個体としての人は死ぬ それは間違いのないことだ 人間は増え続け 食糧需要が増え続け 草原や森林が減り続け 耕作地が増え続け 農業生産は増え続け 飽食によりゴミの山が増え続けた 必要とするエネルギーも増え続け 土壌は劣化し続け 自然環境は破壊され続け 自然環境の恩恵は失われ続け 自然の関わり方を抜本的に変えなければと言われ続け 自然環境を良くできないのが常態化してしまった 人間の活動のせいで 100万種の動植物が 絶滅危機に追いやられていて 最後には いつか きっと 人間という種も絶滅する 地球もいつかなくなる でもそれよりずっと早く 人間はいなくなる

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細菌

微生物にある種の薬剤を添加すれば 薬剤に抵抗する微生物が現れてくる 抗菌薬の不適切な使用や乱用により 耐性菌が生き残り選択され出現する 同じように 消毒薬を間違って使っているうちに それまでなかった耐性菌が出現する 細菌は生きにくい環境に置かれると そばの物の表面に付着して増殖する そして 凝集してバイオフィルムを作り出し 消毒薬に抵抗する細菌になってゆく 消毒薬はコロナウイルスに効かない 水及び石鹸よる洗浄のほうが有効だ それなのに 食堂やスーパーマーケットの入口で ジャバジャバと消毒薬を振りかける 鶏の成長のために抗生物質を乱用し 抗生物質の効かない細菌を創り出す 知らないうちに そういう細菌が人に入り込むことで 多くの人が食中毒に感染してしまう 細菌は人の思惑を超えて生きている 人がしたことは必ず人に返ってくる

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奴隷

ハリエット・ジェイコブズの 『ある奴隷少女に起こった出来事』を読んで アメリカの奴隷制度は酷いとか アメリカの白人の黒人への差別はは酷いとか ブラック・ライヴズ・マターとか いろんなことが言えるのだけれど そして確かに酷いことではあるのだけれど 19世紀の半ばといえば日本はまだ江戸時代で 罪人の妻子は上がり者という奴婢になって 希望する者に引き取られたなんていうことを読むと あれっアメリカも日本も変わりないじゃないかって そんなふうに思えてしまう 庄屋喜兵衛が租税を免れるため隠田をして 磔で家財没収で家族は上がり者になったとか 庄屋文五左衛門は悪政に憤り騒動を煽動して 獄門で家財没収で家族は上がり者になったとか そうでなくても奴という身分刑があって 人別帳から除き個人に下げ渡し奴婢にして 新吉原などで娼婦として働かせただとか 幕府は人身売買を禁じていたのだが 年貢上納のための娘の身売りは認めていて 遊女奉公をさせられた少女は多かったとか 借金の前借りをして年季奉公に出され 丁稚や女中や芸娼妓としてこき使われたとか その苛酷さはアメリカの黒人奴隷と変わらない 奴隷制度が廃止されたあとのアメリカで 黒人への差別がずっと続いていたように 明治になっても人身売買は続いていて 児童を中国人に売ることが禁止されたり 娼妓解放のお触れが何度も出されたりしたが 古い慣行はなくなることなく続けられていた 製糸工場では何も知らない少女たちが わずかの借金の前借りで奴隷状態に置かれ 牢獄のような寄宿舎での生活を強制され 逃げれば残虐なリンチが加えられた 戦争に負けて人身売買は廃止されたが 売春関連のビジネスは今でも続いている アメリカの黒人差別が今でも続いているように 日本の人身売買は今でも続いているのだ 韓国で徴用工や慰安婦のことが問題になるけれど 酷い目にあったのは朝鮮の人たちばかりではない 徴用工も慰安婦も その大半も日本人だったのだ みんなで忘れるために目を瞑っているうちに 黒い歴史は白い歴史になり 黒い企業は白い企業になり 悪い人たちは良い人たちになる 歴史はすべて変えられて 日本には人身売買はなかったことになる Harriet Jacobs の Incidents in the Life of a Slave Girl のような本が出て 日本人が日本人にしてきたことをみんなが読んで これからは酷いことをなくそうと思わない限り 悪いことはまたやってくる 経済はきっと悪くなる それでも人身売買のようなことが はびこるるようにしてはならない 風俗嬢は いなくならなければいけない 人材派遣事業は なくならなければならない

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何千年も前には15年くらいしか生きられなかった私たちが 何百年か前には30年も生きられるようになり 何十年か前には60年を超え 何十年か先には120年以上生きる人が多く出てくるという 私たちは昔も今もそれほど違わない それなのに 生きる年数は長くなるばかり 生物学的にも生理学的にも進化はないから 一人ひとりの体は悲鳴を上げる 私たちの歴史を俯瞰して見てみれば 苦難や困難や悲しみといった荒波の連続で 荒波を乗り越えるために宗教が発明され 科学技術がそれに続いた 科学技術が進歩したといっても 一人ひとりが強くなったわけではない 病気が治るものになり生活が快適になると 人間は限りなく もろくなってしまった ひたすら進歩してきた科学技術が 私たちに刃を向けている 思惑を超えてしまった科学技術は もう私たちの味方ではない 私たちの味方は私たちだけ 私たちの敵も私たちだけ 森の中で暮らしていた頃と そんな事情は変わっていない

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しない

手術で臓器をとってしまえば やり直しがきかない 日常生活のなかでも 取り返しのつかないことがある だから 多くの場合 しないという選択が とても大事になってくる する しない の判断はむずかしい 真珠湾攻撃をしなかったら とか 日英同盟を守っていれば とか そんなたらればには なんの意味もない 仕上げに余計なものを入れて 料理を台無しにしたりとか 最後に余計な色を加えて 絵を壊してしまうとか やり過ぎてしまうことは多い できるけれど しないほうがいいとか やったことがないから できないとか なにかが足らないから しないとか やり方を知らないから できないとか 状況が整っていないから しないとか その時その時で理由はいろいろあるけれど しないと決めたほうがいいという状況は 意外と多くやってくる しないのは 決して悪いことではない しないことの良さが わかれば 程々に 丁度良く やっていくことができる 原子力発電所を作らない 原爆を落とさない しないのがいいということは多い はじめにしたほうがいいと思ったことでも 途中で しないほうがいいと思ったら ためらわずに意見を変える 意見を変えるのは悪いことではない 一度の人生のなかで ありとあらゆる過ちを犯し 何をしないかを知ってゆく 悪いことをしない 悪いことをしたいと思わない そんなことを知ってゆく 何をするかを知るのも大事だが 何をしないかを知るのはもっと大事だ そんなことを思い知る

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文字にできない

あたりまえのように なんでもかんでも文字にするのは よくない 時の流れが速く 変化が激しいから 文字にしても なにもかもが変わってしまって あっという間に 意味がなくなってしまう 文字にしたことに縛られていたら 変化に付いていけない だから 大事なことは文字にしない そのかわりに 文字にできないことを 大事にする 人の気持ちとか 希望とか 美しさとか 愛とか 夢とかを 大事にする そう なんでもかんでも文字にすればいいと思ったら 大間違いだ たとえば愛は 文字にした途端に 嘘になる たとえば夢は 文字にした途端に 消えてしまう そして なんでもかんでも文字にできると思っては いけない 誰かのために言葉にできないことを 文字にしてはならない 文字は残ってしまうことがある だから 文字にしないという選択肢を いつもとっておかなければならない

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孤独ではない

人に会うのが面倒くさい 人との関係が煩わしい 周りに合わせるなんていやだ だから ひとりがいい 周りに興味がない 他人に興味がない 人間に興味がない だから ひとりですごす 振り回されたくない 流されたくない 自分に正直でいたい だから ひとりで考える 好きなように暮らす プライベートのことは話したくない 自分のペースを守りたい だから ひとりを大事にする 干渉されたくない 優しい気持ちでいたい 傷つけられるのも傷つけるのもいやだ だから ひとりは嫌じゃない 自分ひとりで遊ぶ 自分だけで楽しむ 夢や幻を見る だから ひとりは嫌じゃない 自由に 思いつきで 好きなように 感じるままに そんなことを考えていたら 孤独という言葉が浮かんできた でも僕は孤独ではない 君はいま 眠っているけれど そばに君を感じるから ひとりでも ひとりではない

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恋愛と結婚

まず恋愛してから 恋人と結婚するというのが いいというのなら まず見合いしてから 見合い相手と恋愛をするというのも いいではないか まず結婚してから 結婚相手と恋愛をするというのも いいかもしれない なんといっても昔は まず結婚してから 結婚以外で恋愛をするしかなかたのだから 恋愛は自分のため 結婚も自分のため というけれど 相手のために結婚する人がいて 家族のために結婚する人もいて 他人のために結婚するなんていう人もいた 恋愛は今の幸せのため 結婚は将来の幸せのため というけれど 将来の幸せのための恋愛もあるし 今の幸せのための結婚もある 恋愛で 嫌な事があったら 別れればいいというけれど 結婚していたって 嫌な事があったら 別れればいい 結婚したら 嫌な事があっても 乗り越えなければならないというけれど 恋愛中だって 嫌な事があっても 乗り越えなければならないのは一緒だ 恋愛だろうと結婚だろうと うまく行くときはうまく行き うまく行かないときはうまく行かない お互いがお互いを好きで お互いがお互いを尊重して 一緒にいれば それでいい 君がいれば それでいい

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知る

知ることなしに幸せはないという でも知るのが不幸せなときもある たとえば幸せを知るのは不幸せで だから幸せは知らないほうがいいという 幸せなのだと知ることは 幸せでなくなるのを知ることではないか 幸せはいつまでも続かないから 今日の幸せは明日の不幸せなのではないか 知るというのはダメになることだという たとえば 幸せを知れば幸せはダメになる 知るというのは消えてしまうことともいう たとえば 幸せを知れば幸せは消えてしまう 幸せだけではない 知ればすべてがダメになり 知ればすべてが消えてしまう だから 何も知らないほうがいい だったら 知らなければいいじゃないか いやいや 知らないわけにはいかない 知るのがダメになることだとしても 知るのが消えてしまうことだとしても やっぱり知るほうがいい 知らないより知るほうがいい

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違う

日本は福祉国家だから 人々の生活は安定しているという でも実際には 不安定な生活が普通にある 立場の弱い人たちは 誰にも頼れず孤立して 自助という言葉をあてがわれ なにもできず つらい気持ちでいる 自分にできることは 自分でするのが自助だ 自分の責任なんだから なんとかするのが あたりまえ そんなことを言われても 仕事さえ見つからず 自分とは関係ない株価の上昇を ぼうっと見ている 近くに住んでいる人たちや 血の繋がっている人たちは 共助という言葉をあてがわれ なにもわからず とまどっている 地域の責任を感じて 共倒れするまで支え合えというのか 家族を大事にして 死ぬまで助け合えというのか 溢れるチャンスの泥沼のなかで 自助は言うほど簡単ではない 昔ながらのしがらみの外にいれば 共助はあてにならない ほんとうに困った人のためには 公助があるから安心というが 責任を口にしてもカネのない国に なにを期待すればいいというのか   日本は法治国家だから 人々は法の支配のもとにあるという でも実際にあるのは世間国家で 世間のために 法は軽視される 世間が納得しているのなら 違法であっても罰することはなく 世間が納得しなければ どんなことをしてでも罰してしまう なぜそんなことを考えるのか なぜそんなことを言うのか そんなことを聞かれても 答えることはできない なぜそんなことをするのか なぜ大切なものを大切にしないのか そんなふうに問い詰められても 説明はできない どうすることもできないのは しないだけじゃないか しないのも する気がないからじゃないか そう 私は なにもできないでいる 卑怯なくらい なにもせずにいる 法律の詳細を知ったところで 弱い人は救われない 法律を信じていれば ひどい目にあってしまう 決まりごとの大半は 理不尽なものだけれど それに従わなければ 面倒なことが起きる 法律についての考え方は 人によって違う 決まりごとへの向き合い方も 人によって違う 法律を守るかどうかは 自分で決める 決まりごとに従うかどうかも 自分で決める 恋愛や結婚もいろいろで 人の数ほどの かたちがあって どのかたちがいいのかなんて 誰にも言えはしない 恋愛も別離も いい悪いの問題ではないし 結婚も離婚も いい悪いで片付いたりしない こうあるべきとか こういうものとか 言う人がいたら 言わせておこう それは その人にとってのこと 私にとっては そうではない 大事なことはたくさんあるのかもしれない でも 私にとっては 君だ

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影 陰 蔭 翳

虚子の  もの置けばそこに生れぬ秋の蔭 という句がやたら気になる 影 陰 蔭 翳 のなかから なぜお蔭様の蔭を使ったのだろう なにか意味があるのだろうか 陰翳礼讃 が 陰影礼讃 だと 印象はずいぶん変わる 日蔭茶屋 が 日陰茶屋 だと 客の入りに影響しそうだ 影を慕いて が 翳を慕いて だと なんだか慕いたくない気分だし 青春の光と影 が 青春の光と陰 だと ちょっと違うんじゃないかと思う  もの置けばそこに生れぬ秋の蔭 でなくて  箸置けばそこに生れぬ秋の蔭  ペン置けばそこに生れぬ秋の蔭 だったらどうだろう それでも蔭を使っただろうか そしてなによりも なぜ  もの置けばそこに生れる秋の蔭 でなくて  もの置けばそこに生れぬ秋の蔭 なのか  生れる でいいじゃないか 陽の光が いや 日のひかりが長くなり 柔らかくなってきたせいで この句が気にかかる それだけのことなのだけれど でも やっぱり気になる 秋の日ざしから生まれた感じの蔭が とても気になる

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錯覚

なにかを集中して考えていると それだけが重要に思えて 間違いを犯してしまったり 大切なものを失ったりする 大切な人が歪み 大事なものが歪み 感覚が歪み 錯覚に落ちる 現実と非現実の境界線がぼやけると 鮮やかな赤が 侘び寂びの色に溶け 真っ白な磁器が 土色の陶器になり 長い時間の変化が 未来を過去にする 朽ち果てた神社を修繕し赤く塗って 建てられた頃の神社に戻してしまおう 焼き色の残る陶器を箱にしまって 透き通るような白い磁器を飾ってみよう 教科書のなかにはない美しさのなかに 木と草と水の美しさのなかに いつか住む 程々の家という錯覚のなかに住む

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誰の知識

インターネットで検索をすると アルゴリズムだかなにかに誘導されて 偶然なのか必然なのか 誰かが載せた情報にたどり着く なぜそこにたどり着いたのかもわからずに 目に入った情報を信じてしまえば 誘導する情報に騙され 金儲けの情報に足をすくわれる 文字や数字は編集されていて 画像や映像は加工されていて どの情報も手垢とシミだらけ どこかに無垢な情報はないものか 検索を続けていたら もっともらしい情報が嘲笑う 人間だって手垢とシミだらけじゃないか 無垢な人なんてどこにもいないじゃないか 正しいか間違っているかもわからない 不完全な情報や不確かな情報から どんな判断をしたとしても それが正しいわけがない 自分ひとりの知識だと思っていても その知識はじつは誰かの知識で 理解した気になってはいても 理解がなにかも理解していない 本を買えば本を読んだつもり 映画館に入れば映画を見たつもり 旅行に行けば景色を眺めたつもり つもりがないのは つもりじゃない 他人から得た考えと自分の経験が重なって 自分の考えができあがったというけれど 自分の経験のほとんどは他人との経験で 自分の考えは結局は他人の考えでしかない 自分のものと思っている知識も 他人の知識の断片のコピーばかり この人の知識もあの人の知識も 他人の知識の断片のコピーばかり 自分の知識は自分の知識 他人の知識も自分の知識 本のなかの知識も自分の知識 社会の知識も自分の知識 他人の知識がなくて 本のなかの知識もなくて 社会の知識もなかったら 自分だけの知識はとても小さい 知的所有権とかいいながら 知を自分のものにして 社会の知を独り占めして カネを稼いでいる人がいる 自分 自分と言わないで 自分だけを頼りにしないで 自分は全体の一部なのだと 謙虚になってみよう そんなことを考えていたら 人間が植物に見えてきた 人間が種として生き延びるためには ひとりひとりはどうでもいいのだ そう思った途端 自分 自分と言いたくなった 人間の種なんかどうでもいい 僕は僕でやっていく 人間全部のために生きたりしない 自分のためだけに生きる 人間全部のことなんか思わない 君のことだけを思う

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なにもわかっていない

わかっていると  わかっている わかっていないと わかっている わかっていないと わかっていない わかっていると  わかっていない 知っていることを 知っている 知らないことを  知っている 知らないことを  知らない 知っていることを 知らない 知らないのに   知ってるつもりの無知 知らないことを  知らないままでいる無知 知ったことを   知らないという無知 知ったことから  生じる無知 知っているのに  がっかりしてしまう 知らないのに   知ったかぶりをする 知らないのに   知っていると信じる 知っているのに  知らないふりをする わかっていると  君が言う わかっていないと 僕が言う わかっていないと 君が言う わかっていると  僕が言う

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願い

私たちには願いがある 願いはいつも優しく 美しい でも 願いは時に 思い込みと組み合わさって 危険なものになり 悲劇を生む 清らかな 願いはなぜか 不確かさと結びついて あいまいなものになり 汚れてしまう 願いは いつも届くとは限らない いつも叶うとは限らない いつも通じるとは限らない でも それでも 私たちは願う 心をこめて 命をかけて

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痛いのは嫌だ

法律・法令・規則・決まりなどに従い 守るのが遵守・順守で 公用文や教科書では遵守と表記し 新聞やテレビでは順守と表記する 法律・法令・規則などに従わず 守らないのを違反といって 規律違反 服務違反 交通違反 守秘義務違反 どんな違反も 侵せば代償を払うことになる 法律や法規に適っていて 反していないのを適法といい 一方 法律や法規に背いたり 反したりするのを違法という その他にも 合法 非合法 不法 とか よくわからない 不当 順当 正当 妥当 とか 法律をかいくぐって悪事を働く脱法とか いろいろな言葉があって使い分けられている モルヒネ や オキシコドン フェンタニル や タペンタドール メサドン や ペチジン といった オピオイドは 医療用麻薬なので合法とされ ヘロイン や コカイン MDMA や LSD といった麻薬や 覚せい剤 大麻 向精神薬は 不正薬物なので違法とされる 同じ麻薬なのに 医療用麻薬だと合法で 不正薬物だと違法という 変なことになっている まあそれはいいとして 法律による規制のない薬物は合法ドラッグと呼ばれ 合成カンナビノイドが入っている合法ハーブとともに 規制の網にかからない 合法ドラッグが脱法ドラッグと呼ばれても 合法ハーブが危険ハーブと呼ばれても 法に触れないものはいくらでもあって お香だバスソルトだといって売っている 注意しろとか自粛しろとか言われても 買いたい人は なにをしても買う 禁止薬物とは違う構造や作用を持っている薬物は 簡単に作られ身近で売られる セックスを止めろと言われても 止める人がいないのと同じで 合法ドラッグが危険だと言われても 止める人は ほとんどいない 痛みに耐えられなければ買うだろうし 気持ちが良くなるのなら買うだろう アルコールが違法でも 飲む人は飲む タバコが違法でも 吸う人は吸う 個人が決めることにまで 国が決めることはない 痛みに耐えきれない人にまで 楽になるなとは言えないだろう 遵守 違反 適法 違法 不当 不法 合法 非合法 順当 正当 妥当 脱法 なにがなんだか わからない 医療用麻薬でも 不正薬物でも 脱法ドラッグでも なんでもいいから 病気になったら とにかく痛みを止めてほしい 痛いのは嫌だ

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樹木の 根から上の方に伸びて枝を出す太い部分を 幹という 幹は 大きく広がった枝とその先の葉を支えていて どっしりしている 風が どんなに葉を揺らし 枝を揺らしたとしても しっかり立っている 人が そばに来て寄りかかっても 文句ひとつ言わない 僕は 幹のようになりたい なれないのは わかっているけれど

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聡明さは 愛の最大の敵 聡明な人に 愛は似合わない はたしてそうだろうか 聡明さは 愛の味方ではないのか 不完全なのは いけないことか 不完全だから 成長する もし完全なら 生きてはいない そう 不完全だから 愛する 不完全さを 喜ぶ 宇宙は不完全 僕も不完全 だから 不完全さを 愛する 花を摘んではいけない 花を摘めば 花は死ぬ 愛も消える 愛しているなら 摘んではいけない 愛は感謝するもの 所有するものではない 生きるのは 愛するため 愛するのは 生きるため 木の葉が風にそよぐ 枝が揺れる 幹は揺れない 樹皮も揺れない 根は揺れを感じているのか 根を包む土は 愛を知っている いろいろな葉がある 健康な葉 病気で弱っている葉 美しい葉 美しくない葉 大きな葉 小さな葉 どの葉も 風を感じる どの葉も 悩む どの葉も 喜ぶ どの葉も 愛する そして 死ぬ

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科学と技術

18世紀から19世紀にかけての産業の変革は 人々の生活や考え方を大きく変えた  綿織物の生産過程が変わり  機械工業や製鉄業が変わり  蒸気機関よって動力源が変わり  蒸気船や鉄道で交通が変わった それに伴う社会構造の変革をまとめて 産業革命と呼んでいる 20世紀になると科学と技術がもっと近づき 技術のための科学と 科学を応用した技術とが 社会を豊かにしていった 人々の生活は向上したが 戦争はどんどん悲惨になってゆき 第一次世界大戦では 化学が大きな役割を果たし 毒ガス兵器が登場し 第二次世界大戦では 物理が大きな役割を果たし レーダーや原爆が登場した 化学や物理が 多くの人の命を奪っても 科学や技術への信仰は止まず 電化製品や自動車やコンピュータによって 科学の信者は世界中で増えていった 科学や技術が医療に入り込み 人の寿命はどんどん伸びる 科学や技術は農業にも入り込み 品種改良は限りなく続く 21世紀になると科学と技術は離れていって 科学ではないデータサイエンスと 科学の要らないAIと 科学の見えないブロックチェーンが 社会を大きく変えている 科学を知らない人たちに 遺伝子が弄ばれ 科学を無視する人たちに 地球環境が破壊される 自分の専門分野にしか 興味を持たない専門家は 他の専門分野のことを なにも知らない なにもコントロールできない政府と 儲からないことはなにもしない企業と カネがないために遅れていく大学と 収入のことが頭から離れない個人には なにも変えることができない 科学でも技術でもないものが 社会を変えていく 不気味としか 言いようがない

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専門分化

女性と男性という二つの性がある そして当然のように 女性と男性を巡る競争がある 女性が女性と 男性が男性と 女性が男性と 競い 時に争い 勝ったり負けたりする 勝った女性も 勝った男性も いつかは負ける 争わない人が勝つこともない 二つの性を巡る勝者は どこにもいない それなのに 多くの人たちが 勝ったと思っている 仕事が細分化され 高度で複雑になって 専門分化が進んでゆく 誰も彼もが専門家になり 競い合い 争って そしていつか 誰もが役立たずになる でも多くの人たちが 自分はいつまでも役に立つと思っている 老人施設には かつて美しかった女性と かつて逞しかった男性と かつて知識豊かだった専門家が 静かに暮らしている 自分が美しかったことを糧にする人 自分が美しかったことを忘れてしまった人 自分が逞しかったことを誇る人 自分が逞しかったことを恥じる人 自分の知識にすがる人 自分の知識に別れを告げた人 愛を忘れた人 愛に裏切られた人 愛と決別した人 愛にしがみつく人 愛を続けようとする人 愛を続けていると思う人 愛の思い出に生きる人 愛ってなに という人 愛に生きる人 いろんな人がいて みんな似て見えるけど じつは みんな違う

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君のことを いいと思う 君をしっかり繋ぎ止めておかなくちゃって思う 自分を愛し 君のことをきちんと愛する 君と一緒にいるのは なによりも大切 君がいて 僕が生きている 君はきっと どこにも行かない

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直感

側頭葉内側の奥にある扁桃体という脳の領域から 腹側被蓋野にドーパミン放出の信号が出される 放出の信号を出すかどうかの扁桃体の判断は 小さい頃の刷り込みによるのだという 顔やからだの好みのタイプは 赤ん坊のときに決まるという 声 匂い 口調 雰囲気 たたずまい そんな好みも 刷り込まれているのだという 直感で いいと思う人がいたら それは 刷り込みに合っていたから 運命の人だと思ったら 刷り込まれたタイプだったということ 感情を読みとったり 痛みを和らげたりする オキトシン 感情を落ち着け 意欲を向上させる セロトニン お金や地位や権力は 幸せを生まない セロトニンとドーパミンとオキシトシンが 幸せを生む 直感を信じるというのは 神経伝達物質やホルモンの働きを信じること たぶん理に適っているのだ

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監視ツール

従業員が使っているPCを監視するツールがあって  キーボードのどのキーを押したか  スクリーン上のどんな文字をコピーしたか  スクリーンに何が映し出されていたか  どんなファイルが作られ使われ削除されたか  ファイルがどこからダウンロードされたか  ファイルがどこに送られたか  ファイルがどこに保存されたか  どんな外部ストレージが使われたか  プリンターにどんなものが印刷されたか  誰が誰に対してどのようなEメールを送ったか  どのウェブサイトのどのページを閲覧したか  どのようなキーワードで検索をしたか  どんなアプリケーションを いつ どのくらい使ったか  どんなチャットをしていたか  その他 システムイベントのログなど 操作履歴のすべて記録されている 従業員がしていたことのすべてが 管理者から見えてしまう そんなツールが あたりまえのように使われている おかしいと思う人は少ない 情報漏えい対策とか 労務管理なんていうもっともらしい理由で 会社に監視され 安全な社会を守るため 犯罪防止のためとかいって 国に監視され 子どもを危険から守るための安全対策とか 子どもが非行に走るのを防ぐためといって 親に監視される 監視されるのは いやだ

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サッカー

サッカーはゲームだ  人生も同じ  ゲームだ ゲームにはルールがある ルールは守らなければならない ルールを知らなければ ゲームには勝てない  社会のルールも知らなければ  生きていけない ルールは変わる 新しいルールがいいとは限らない でも どんなルールも 守らなければならない  どんなに悪い法律も  守らなければならない   ゲームには審判がいる 審判がいつも正しいとは限らない でも どんな理不尽な判定でも 従うしかない  どんなに理不尽な上司でも  従うしかない ゲームだから 楽しまなくてはならないし ゲームだから 負けてばかりはいられない  人生も楽しんで  負けないようにしなければ サッカーの試合は 引き分けでない限り どちらかが勝ち どちらかが負ける  みんなが勝つということはないし  みんなが負けるということもない どんなにいい準備をしても いいゲームができるわけではないし どんなに頑張っても 勝てるわけではない  準備をしても報われなかったり  頑張ってもダメなことは 普通にある どんなにいい選手を集めても 強いチームを作れるわけではないし どんなに強いチームを作っても いつも勝つわけではない  優秀な人が集まったからといって  いい結果が出るとは限らない どんなにいい試合をしても 負けは負け どんなに悪い試合をしても 勝ちは勝ち  いい製品が売れるわけではないし  いいサービスが喜ばれるとは限らない 高い年俸の選手がいて 低い年俸の選手がいる でも どんな年俸の選手にも 必ず終わりが来る  高収入の人にも低収入の人にも  終わりが来る たかがサッカーというけれど  たかが人生ともいえて だから サッカーはゲーム  人生もゲームだ

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自由

常識や既成概念を覆さないと 理解できないものがある 子どもの頃の気持ちになれば 存在するものも 存在するという概念も 存在するという感覚も 思想も 思考も 感情さえも ない 執着するものなど なにひとつ ない 自分という存在も ない 概念にとらわれず 周りで起きることも 目に見えるものも そのまま受け止めれば 悲しいとか つらいという 自分を苦しめる感情から 解放されるという 外部の衝撃から力を受けとった石は 外部の衝撃が止んでからも動き続ける 水という制約の中で生きている魚は 水という制約から離れれば自由ではない 人間が自由になるというのも 意思によるものではない そもそも人間のなかには 自由な意志なんてない 私たちが生きていくなかで 選んできたと思っていることも あとから考えてみると 何も選んでこなかったと気付く 理性を信じ 直感を信じて 不自由な社会のなかで 自由になりたいと思っている僕には 自由が違って見えている 教科書に書いてある自由や 押し付けられた自由には 興味がない 僕は 僕だけの自由が欲しい 君は 欲しくない?

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モスク

遠い国の古い街の川沿いの空き地に 壮大な庭の建設が進められていた 設計を終えたばかりの建築家は 実際の建設には興味が持てず 美しいモスクを思い浮かべ 夢想を書き残そうとして 紙の上に線を引き 色を付け加えた 計算しつくされているのに 大胆さは失われず 均整がとれているのに 神聖さが保たれ 洗練されているのに 人間の暖かさを放つ 誰も思いついたことのなかった 実現不可能に思えるデザイン そのデザインを見た人たちは ひとり残らず畏怖に襲われた 建築業者はモスクの建設を 王様に願い出るよう促した 裕福な外国人が遠くからやって来て デザインを高値で買いたいと言った 泥棒はデザインを盗むために 建築家の家の下にトンネルを掘った 建築家は書斎に閉じこもり 三日三晩 熟慮を重ねた モスクが野蛮人たちに囲まれて 壊されてしまうのを想像した 冒涜され崩壊していく建物は 埃のなかでぼんやりしていた 建築家はデザインを庭に持ち出し 火を付けて焼いた この話を伝え聞いた王様は 建築家を王宮に呼び出して 私と一緒にモスクを作ろうと 真剣な顔で静かに言った 作ったものはいつかは壊れる 完璧なものでなくてもいい 完成できなくてもいい モスクを作る夢を見よう 王様は建築家の目をのぞき込み 三年かけて設計してくれと言った そのあと私が責任を持って 三年かけて作り上げる 出来上がったら二人して 三年かけて美を楽しもう 壊れるようなことがあったなら 三年かけて修復すればいい 建築家は家に帰って考えた 永遠でなくてもいい 完璧でなくてもいい 完成できなくてもいい なんて素敵な考えだ なんて素敵な王様だ そう思ったら 手が自然に動き出した 数千枚におよぶ緻密なデザインが 曲線と直線とを決め 曲面と平面とを決め 光と色とを決め 材料と材質とを決め 作業の準備と手順を決め 業者と職人を決め 検査とメインテナンスのことを決めた 王様はお金を惜しみなく出し 建築家は指示を出し続け そろそろ出来上がろうかという時に 王様が突然 工事の中止命令を出した モスクに呼び出された建築家が 恐るおそるやって来る 満面に笑みを浮かべた王様が 建築家を迎え入れる モスクのなかには 別世界が広がり 数限りない光が 交錯している 静寂が光と影を 際立たせている 王様は微笑み 建築家は涙する 建築家の想像は 裏切られ モスクは壊されずに 今に伝わる 建築家が涙した あの日の輝きはないけれど 私たちはそこに足を踏み入れ 建築家に感謝する 王様にも感謝する 壊さなかった人たちにも 守ってきた人たちにも 感謝する モスクに感謝したあとで あれっと思う僕がいる 僕は宗教を信じていない モスクに入る資格がない 入りなさいとモスクが言う なんでもいい とにかく入れ そんなふうに言う 僕は入る 光を感じる 色を感じる いないはずの神を感じる いつものように君を感じる

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気宇

美しいものがあったら まずは見る 触れたいとも思う でもあえて よく見ないで 触れないで 心で感じてみる 美しいものを 心で感じる すべてを受け入れる 許す 忘れてしまう すべてはゲームだ ゲームだから負けない ゲームだから楽しむ ゲームだから終わりまでやりきる 生きる 死ぬのだから生きる 死ぬまで生きる 鈍感になる どうせ大したことはないのだから 気にすることはない 街に出る PC のスクリーンを見てないで 人のいる街に出る 愛する なにも期待しないで ただ愛する 自然に従う 本能に従う 哲学を持たない 理想を持たない 夢を信じる 自分を信じる 感謝する ありがとうを伝える 君に伝える

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流れ

川の流れが 海に出て終わるように 時の流れも いつかは終わる 時の流れが 終わる時の感じは 空気のなかに ふわっと消えるのか 空の上に 昇って行って消えるのか 川の流れは 海に出ずに終わることもある 砂漠のなかに消えて行ったり 田んぼの水になったり 飲み水になったりして 海に出ずに消える 時の流れも 途中で終わってしまうことがある 最後まで行かずに 終わったり 終わらされたり 無念だったり 悲しかったり 時の流れが 終わる時の感じが 暖かかったらいい 笑顔だったらいい 終わる時は 君のことを思って ひとりだけで微笑む それがいい

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思っていること

長崎市長が 若い世代に  新型コロナウイルス感染症 地球温暖化 核兵器の問題に  共通するのは  地球に住む私たちみんなが 当事者だということです と語りかけた 市長という立場と被爆があった日の平和宣言ということが そう言わせたのだと思う でも問題はそんなことばかりではない 科学技術ひとつとっても 原爆を生んだ75年前とは比べものにならない 問題の大きさや複雑さも比べものにならない 新型コロナの後ろに隠れてしまったグローバルな経済格差 地球温暖化の一つの原因でもある持続可能な開発 核兵器より怖い ビッグデータ   IoT   AI   ブロックチェーン 遺伝子をもてあそぶ人たちが儲けの種にする医学や農業 そういったものは わからないだけに怖い 感染症 温暖化 核兵器 といったものを心配しているうちに 21世紀的な目に見えないものに酷い目にあってしまう 民主主義や人権・人道に気を取られているうちに あっという間に時代から取り残されてしまう 時代遅れの惨めさがこの国を覆う 官僚の言葉が軽くなり 政治家の言葉が軽くなり 医者の言葉まで軽くなったせいで 広島市長や長崎市長がなにを言っても軽く受け取られ 言葉に込めた思いは空に舞う 大勢の人に語りかける偉いはずの人が まるで演技の下手な役者みたいに 与えられた台詞を棒読みする 言葉の意味を考えることもせず 他人への気持ちを持つこともなく ただ型どおりの発言を繰り返す なんて空疎で 情けないんだろう でも情けないのは 誰も同じ ほぼすべての人たちが なにも考えずに 有名になった教授のしたことを 人を救うものだといって褒め称える 無条件で 何も知らないで 素晴らしいと思っている あの人は悪いことをしたのではないか 人間として してはいけないことなのではないか 倫理的に考えて誤った行為なのではないか そういうことを言う人はほとんどいない 思ってはいるけれど 僕も言わない 思っていることを言わないこの雰囲気は 日本特有のものなのか それとも緊急時のものなのか いや そんなことはどうでもいい 言ってしまえばいいのだ 思っていることを言ってしまえばいい 言葉の意味を考えて 他人のことを思いやって どんなことでも言ってしまおう 思っていることは言ってしまおう 誰にでも言ってしまおう

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ホルモン

激しいセックスをする ドーパミンが分泌される やる気が出る 彩のあるものを食べる バランスのある栄養が摂れる からだが整う 午前中に日の光を浴びる セロトニンが分泌される こころが整う 緑のなかを歩く 心が癒される 感情が静まる やさしく抱き合う オキシトシンが分泌される 満ち足りた気分になる 暗く静かなところで眠る 程々の家の夢を見る 君と同じ夢を見る

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培養肉

動物の幹細胞を培養してできた肉を クリーンミートなどと呼んで いいイメージだけを先行させて それがいいのかは考えさせない 培養でできた肉は 生きてはいない 生きていないから 殺すこともない 殺さないのだから 残酷ではない はたして本当に そうだろうか 痛みを知らない動物は 危険が近づいても気付かない 苦しみのない動物は 他人に共感することもない 痛みや苦しみのない世界を 無限の残酷さが包む 自然でないものを受け入れてはいけないと 私の直感が言っている 自然でないものを食べ続ければ どんな動物も病気になる 危険のない世界は 自然ではない 高度な衛生管理が可能だとか 地球環境への負荷が低いとか そんなことを言いつのっても 不自然な培養肉がいいわけはない フランスには Comité consultatif national d’éthique (CCNE) という国の倫理諮問委員会があって 培養肉を許したりしない 人工の幹細胞に疑問を持たない日本では 金儲けが いちばんだから 培養肉がいけないなんて 誰も口にしない 金持ちたちは 本当の肉を食べ 貧乏な人たちは 培養肉を食べる 金持ちたちは みんな生き延びて 貧乏な人たちは 死に絶える 君が培養肉を食べることのないようにと 祈る

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肉食

私たちは肉を食べることに どこかうしろめたさを感じ 肉食の喜びを素直に表現することを ためらってきた 肉食が不道徳と思う聖職者たちは 菜食を掲げ 殺生を悪として戒めた僧侶たちは 肉食を禁じた 天武天皇の「肉食禁止令の詔」に  牛は田畑を耕すから  馬は人を乗せて働くから  犬は番犬となるから  鶏は時を知らせるから  猿は人間に似ているから  農耕期には食べてはいけない と書いてある 今 世界を見渡すと 肉の大量消費に抗議するという 政治的な菜食主義者がいる 穀物や野菜や果物のほうがいいという 積極的ベジタリアンもいる 肉を食べるという行為が 殺人や苦しみや利己主義につながる気がして というか もっと単純に 肉を食べるのは 道徳的に間違っていると感じて それで 悪としたのか 肉食は悪 菜食は善 肉食の擁護者は醜い 菜食の擁護者は美しい そんな考えが正しいのか 食べるために生き物を殺すのは 仕方がないのだといって 死ぬ苦しみが小さいように殺すとか 死にゆくものに感謝の祈りを捧げるとか そんな気休めで ごまかしてゆくのか 工業畜産という現実から 目をそらせていて いいのか 肉食はやっぱり 悪ではないのか そう言いながらも 君が肉をおいしそうに食べるのを見て 僕も肉が好きだと言った 小さな声で言った

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上から目線

ノーベル賞を授与する人たち 勲章を授与する人たち そんな人たちの持つ権威 権威という 上から目線 レストランを格付けするミシュラン 企業を格付けするムーディーズ そんな格付けする会社の非公開の基準 非公開の基準という 上から目線 上から目線たちは みんな 身近な話より大きな話を好む 大きな話はいつも虚ろで それなのに危険な力を持つ 上から目線たちは なぜか おだてられ 持ち上げられて 自分たちのことを錯覚し 錯覚はいつか 現実になってしまう 上から目線たちは 良識を振りかざし 同じ行動をとらない人たちを批判する 個人的な嗜好を犯罪に仕立てあげ 自由な行動を抑圧する 官庁や軍で働いていたり 学校や党に属していれば 上から目線が身に付いて ものを平らに見れなくなる 何にも作らず 富も生まず もっともらしい話を作るだけの 上から目線は手に負えないけれど ひとつのことに気がついた なにも知らないから 上から目線なのだ だから他人を馬鹿にするのだ だから他人を批判するのだ だから他人を否定するのだ でも 気にすることはない 上から目線は いつか覆される 自分たちの現実がわからないまま いつか すべてを失う

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感情

エモーションは 情動 で 情の動き フィーリングは 感情 で 情を感じること でも そんなこととは関係なく 私たちは喜び 怒り 哀しみ 楽しむ そして 嫌悪し 驚き 恐れる 喜びを感じたときに もっと喜びがほしくなる人と それで満足だと思う人がいる 悲しんだり怒ったりしたときに それを抑えようとする人と それを爆発させてしまう人がいる 人の感情は今も昔も変わらない そう言いながらも ひとりひとりの反応が違うことは 認めざるをえない 他人の感情が いつもわかるわけではない 時代の流れについていけない人 不適応な人 違和感を感じている人 そんな人の感情は うまくやっている人にはわからない 慎重さ 用心深さ 丁寧さ といった長所が 考えすぎ 先延ばし 心配性 といった短所に置き換えられる する前に考えてしまったり した後に考え続けたり 完璧を追えば 自分を追い詰める 完璧なんて目指さず 不完全さを美しく感じ 未完成を恥じず 永遠を信じない 生に執着せず 押しのけて生き残ろうなんて思わず 不利になっても譲らず 適当なところで投げ出す そうすれば 冷静という感情が うっとりという感情を知り ワクワクという感情は ムラムラという感情に変わる そして 畏れという感情は 怒りという感情を知り 驚きという感情が 楽しみという感情に変わる 感情のない機械は間違わないけれど 感情で動く人間の間違いは愛しい 変わり続ける君の感情は 悲しみとか怒りとかもあって いつもいいわけではないけれど 愛しい

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なにかが変わった

価値観が変わった 大切だと思っていたことが 大切ではないと気付いた 気にしていなかったことが とても大切だとわかった ではどうしたいのか なにを描きたいか 程々の家に住み 程々の椅子に座って 目の前の風景を眺める 風を感じる 空気を肌で感じる 草の匂いを嗅ぐ 水の音を聞く 空を見上げる 朝の空を 昼の空を 夕方の空を 夜の空を そして 君を感じる

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AIと人権

「NECグループ AIと人権に関するポリシー」と その実践に向けた取り組み を読んだ 関連したページ も読んで思った NEC は素晴らしい と そして思った NEC はヒポクリットだ と AI とはなにかとか 社会への AI の影響ということを よくわかっている NEC という会社が AI と人権という問題に取り組み ウェブページに AIと人権に関するポリシー や 実践に向けた取り組み を発表するのは とても素晴らしいと思う NEC のイメージアップになるだけでなく 他の会社へのいい影響もあるし いいことずくめのように思われる そう NEC は素晴らしい でも NEC は大きな会社だから 担当している部署が なにか を書いていても 全社でそれがどれだけ尊重されているかというと 「?」だ 顔認証ひとつとっても プライバシーを侵害しない顔認証システムなんて ありえないわけだし パーソナルデータの利用や活用も 人権を侵害しないパーソナルデータの利用や活用は ありえない だとすると このポリシーや取り組みは いったいなんなのかということになる そんなことは言わずにひたすら前に進んでいる ファーウェイのほうが すっきりしていてよっぽどいいじゃないか そう NEC はヒポクリットだ AI も確かに問題だけど IoT となるともっと問題で カメラやセンサーがありとあらゆるところにあって その数が人の数よりはるかに多いという現実の前では IoT と人権ということは もう誰も話すことができない ブロックチェーンはもっと問題で 誰が いつ どこにいたのかが すべて記録されていて わかってしまうという現状の前で ブロックチェーンと人権ということはは もう誰も話せない ビッグデータと人権を話すこととなると もうそんなことを考える人もいない これはかなり危ない状況だ NEC のデジタルトラスト推進本部で 「NECグループ AIと人権に関するポリシー」と その実践に向けた取り組み を書いた人たちは どれだけ真剣なのだろう 本気なのだろうか NEC の最先端の技術者から 10年は遅れている感じの文章を書いた人たちは いったいなにを思っているのか

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テレビ

テレビがつまらない どのチャンネルもつまらない そんなわけで仕方なく 外国の番組にチャンネルを合わせたりする テレビ局で働いている人たちは 家にも ろくに帰れないくらい忙しい 過重労働が蓄積して 病んでしまっている 病んだ人たちが集まって みんな 朦朧としていて なぜか テンションは高くて でも やっぱり眠そうで そんな状態で作る番組が おもしろいわけはない でも それよりも なによりも テレビの番組がおもしろくないのは それが作り手が作りたい番組で 僕が見たい番組ではないからだ スポンサーがお金を払いたくなる番組は 好感度が高く 視聴率が高いような 要するに見ても見なくてもいい あたりさわりのない番組なのだ テレビから 垂れ流される番組を見せられて 洗脳されるのと インターネットの中から 選び取ったページを見て 考えるのと どっちを選ぶかといえば 僕はインターネットを選ぶ どんなこともビジネスとしてしか 考えられない人たちがいて そんな人たちにとっては テレビもインターネットも 儲けるための道具でしかなくて どちらのほうが 売り上げにつながるかとか どちらのほうが 人を操りやすいかとか そんなろくでもないことが重要で そんな人たちが集まって作るのだから テレビ番組も インターネットのコンテンツも おもしろくない インターネットよりテレビのほうが 人を操るのが簡単だったのは もう 昔の話でしかない 集団で騙されていた人たちが いま ひとりひとり騙されている IoT のセンサーが街中にあって AIや ブロックチェーンは どんどん進化して ますます見えなくなっていて ビッグデータの分析で わからないはずのことが わかってしまっていて どこにいても 何をしても 私たちは操られている 権力者たちや金持ちたちに 騙されている それにしても テレビはつまらない テレビを喜んで見ている人は まるで異星人だ そう言いながら僕は 今日もテレビを見ている バカ面をして 口をあけて テレビを見ている

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公共の福祉

日本国憲法の第13条に   すべて国民は、個人として尊重される。   生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、   公共の福祉に反しない限り、   立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。 と書いてある これをそのまま読めば   公共の福祉に反しない限り   生命に対する個人の権利が尊重され   公共の福祉に反しない限り   自由に対する個人の権利が尊重され   公共の福祉に反しない限り   幸福追求に対する個人の権利が尊重される となり 言い換えれば   公共の福祉に反すれば   生命に対する個人の権利は尊重されず   公共の福祉に反すれば   自由に対する個人の権利は尊重されず   公共の福祉に反すれば   幸福追求に対する個人の権利は尊重されない となる 日本国憲法の第12条にも 第22条にも 第29条にも 公共の福祉という言葉が出てくる 日本では   ハンセン病患者を隔離するのも   電源開発のために村を水の底に沈めるのも   鉄道の敷設のために人を立ち退かせるのも みんな公共の福祉だった 政府が   人々の生活の安全を守るために何かを制限するのも   人々の生活を豊かにするために何かを制限するのも   人々を幸福にするために何かを制限するのも みんな公共の福祉なのだ 私たちは   公共の福祉のために人間としての自由を失い   公共の福祉のために人間としての権利を失い   公共の福祉のために人間としての機会を失い それでもへらへらと生きている 私たちの最大の敵は もしかしたら 公共の福祉かもしれない いや 私たちの最大の敵は 憲法ではないのか 国ではないのか

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青い鳥

自分に合った仕事を見つけようとして いろいろな仕事を試したり 見つける努力をしても 自分に合った仕事が見つかるとは限らない   もっといい仕事があると思って仕事をしていたら せっかくの仕事も身に付かず 自分に合った仕事かもしれないのに それに気づくこともできない   自分に合った仕事は 身近にあるのかもしれない 自分に合った仕事なんて ないのかもしれない   好きになった仕事が 自分に合った仕事だと そう気づけばいいだけのことだと 誰かがそう言った     自分に合った相手を見つけようとして いろいろな相手を試したり 見つける努力をしても 自分に合った相手が見つかるとは限らない   もっといい相手がいると思っていたら せっかくの相手のよさにも目が行かず 自分に合った相手かもしれないのに それに気づくこともできない   好きになった相手が 自分に合う相手だと そう思っていたら 君に出会った   君を思い続けていたら 君が僕に合っているって 僕が君に合っているって それしかなくなった

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仕事

夢のなかで上司から お前の仕事はアウトリーチだ と言われた僕は 思わず両手を前に伸ばした 夢のなかの上司は叫ぶ 人員整理はできたのかと 僕の仕事はアウトリーチ 人員整理はうまくない 夢のなかで上司から お前の仕事はディベロップメントだ と言われた僕は ゴルフ場の開発を思い浮かべた 夢のなかの上司は叫ぶ 予算削減はできたのかと 僕の仕事はディベロップメント 予算削減はうまくない 夢のなかの僕は 窮地に立たされる でもいつか夢は醒め 職場も上司も消えている 働いていた頃の僕は 窮地に立たされた時に いったいどうしていたのだろう どうしてこんな夢を見るのだろう

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変革的テクノロジー

IoT AI ブロックチェーンの3つを 変革的テクノロジーと呼ぶ人たちがいて その変革的テクノロジーが 生活のあらゆる側面を変えようとしているという 変革的テクノロジーを導入すれば 無駄のないビジネスプロセスが構築でき 革新的な製品を開発することができ 業務を自動化することができ コストを最小限に抑えることができる なるほど IoTは データを収集し共有するデバイスが ネットワークに接続されることで いろいろな状況を検知できるようにする AIは アルゴリズムとデータさえ用意すれば 認識・推論・創造といったことを 人間にはできない速さと正確さでする ブロックチェーンは 時間や場所の情報を含むデータデータの集合体で データの改変がすべて記録されているため データの改ざんができない なるほど なるほど 変革的テクノロジーは 政策決定 予算管理 文書管理 会議の運営 統計データの管理などの 官僚制に基づく組織的活動に使われ 開発途上地域の持続可能な開発のための 財政的・人的な開発協力活動に使われ 災害や紛争などによる緊急時の迅速な対応を含む 人道援助を中心とした人道的活動に使われ 難民、移民、種族的・宗教的少数者、戦争や暴力の被害者など 弱い立場に置かれた人々に寄りそった支援活動に使われる なるほど なるほど なるほど でも そんなことは どうでもいい 君が元気で調子よくすごしている それだけでいい そう 変革的テクノロジーなんて知りたくもない

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時間

しなかったことの後悔は したことの後悔より つらい でもいつも現在にいれば 過去はない 過去がなければ 後悔はない 経験したことのない暗室は 一度経験した暗室より こわい でもいつも現在にいれば 未来はわからない 未来がわからなければ なにもこわくない 過去は 何もない今を見せ 未来は ない可能性を見せる 夢に満ちた目ざめと 記憶に縛られた未来に 何を望んだらいいのだろう 懐かしさのない過去を振り返っても 今は望んでいたようなものでないし 希望のない未来を覗いてみても 今望んでいるようにはなっていない 過去が失敗したすべてなら 未来の失敗も想像できる それでも僕は君を見る 知っている君とすごす 知っているはずの君だけど まだ知らない君とすごす 知っている君と何を話し まだ知らない君に何を話すのか それは楽しみではないか

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