記憶

覚えていること
忘れてしまったこと

覚えていたかったこと
忘れてしまいたかったこと

なにを覚えていて
なにを覚えていないのか
なにを忘れ
なにを忘れていないのか

大事なことだから覚えていて
大事でないから忘れたというのか
いや違う
覚えているかどうかは
大事かどうかとは関係ない

僕の記憶は僕自身だけれど
それが正確かどうかは甚だ疑わしい

些細なことまで覚えていたり
はっきりとしていなかったり
情景を覚えていたり
覚えていなかったり

味とか
匂いとか
触れた感じとか
声とか
音とか
色とか
光とか
動きとか
思い出そうとして
思い出せることと
思い出せないことと

したことが経験として記憶に残り
なにかが思い出として記憶に残る
いい経験は次の経験につながり
よかったことは一生の思い出になる

そして幸いなことに
どんなに辛いことも記憶から消えてゆき
生きていくためなのかどうか
悲しみや 痛みは 忘れ去られる

時の流れのなかでは
感情さえも歪んでしまい
好き嫌いまでもが変わり
だから 記憶は あてにならない

なんであんなことをしてしまったんだろうという
してしまったことの後悔と
あのときああしていればという
しなかったことへの後悔が
それしかなかったのだと思うことで
あれでよかったのだに変わる

すべてを覚えているわけではない
すべてを忘れるわけでもない

記憶をあたため
いいことは覚えていよう
記憶を鍛え
いやなことは忘れよう

君を想い続けるために
君に許されるために

One thought on “記憶

  1. shinichi Post author

    (sk)

    第251作
    Memory

    Richard Restak
    http://www.kushima.org/?p=24494
    から何らかの刺激を受けて

    **

    On a very basic level, you are what you remember — your very identity depends on all of the events, people and places you can recall. Improving your memory will help you develop a quicker, more accurate retrieval of information that will increase your intelligence.

    Reply

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