思考の自由がない場所

思うことも考えることも必要のないところでは
アメリカでもイギリスでも日本でも
人は 本を読まなくなってきているという
本を読むことに喜びを感じる人も 少なくなってきている
子どもたちも もう本を読まない
ゲームやアニメに比べて
楽しくないのだという

思うことも考えることも必要のないところでは
本は必要とされない
学校では先生が言ったことを覚え
そのままテスト用紙に書けばいいし
勤め先では上司が望むことを察し
それに沿って仕事をすればいい
思ったり考えたりする必要がないのだから
なにも考えない
思うことも考えることもない人に 本はいらない

思うことも考えることも必要のないところで
よく読まれている本をめくる
確かに情景は浮かんでくる
書く技巧には素晴らしいものがある
でも心が見えてこない
怒りも 苦しみも 悲しみも 喜びも ない
あるのは情景だけ
なにがどうしたかは書いてあるけれど
なにを思っているか 考えているかは 書いてない

思うことも考えることも必要のないところから
僕は出てゆく
共感も 繋がりも 必要ないから
僕は自然のなかに行く
自然のなかでは思わなくては生きてゆけない
自然のなかでは考えなくては生きてゆけない
そしてうまくいけば
僕は僕を取り戻すことができる
君はどうする?
一緒に行く?

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