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  1. shinichi Post author

    人口減少していく日本

    国土技術研究センター(JICE)

    https://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary05

    日本の人口は約1億2800万人ですが、子どもの人口が減っていて、高齢者の人口が増えています。これから日本や世界の人口はどのようになっていくのでしょうか。調べてみましょう。

     

    日本の人口は、明治時代から100年間で3倍になった

    日本の人口は、平成22年10月1日に行った国勢調査の結果によると、約1億2806万人です。いまから約400年前の江戸時代の初め(1600年ころ)は約1200万人でしたが、江戸時代のなかごろから明治時代になるまでは人口はずっと3000万人くらいだったと推定されています。

    明治時代の人口推計によると、1873年(明治6年)の日本の人口は3340万人だったそうです。江戸時代が終わった明治維新(1868年)から100年後の1967年(昭和42年)には、日本の人口はついに1億人をこえました。日本の人口は100年間で3倍になったのです。

    国立社会保障・人口問題研究所が2006年(平成18年)12月に、「日本の将来推計人口」という報告書を発表しました。これは、2005(平成17)年10月に実施した国勢調査の集計結果をもとにして、日本の将来人口を予想したものです。

    将来の人口を予想するためには、生まれる子どもの数(「出生数」といいます)や年齢別の死んでしまう人口(「死亡数」といいます)などを予想します。ところが、出生数や死亡数が多くなるのか、少なくなるのか予想することはとても難しいのです。そこで、出生数や死亡数が一番大きい予想と一番小さい予想をして、日本の将来人口を予想します。

    今から40年後の2050年、つまり2000年生まれの子どもが50歳になるころには、日本の人口は1億人くらいにまで減っていると予想されています。

     

    日本では子どもの数が減って、高齢者が増えている

    日本の人口をもう少しくわしく見てみましょう。0歳~14歳までの子どもの人口と65歳以上の高齢者の人口を比べると、子どもの人口が減り続け、高齢者の人口が増え続けているのがわかります。1997年から子どもの人口よりも高齢者の人口の方が多くなりました。

    全人口のなかの0~14歳の人口、15~64歳の人口、65歳以上の人口の割合を見ても、65歳以上の高齢者の人口が増えていることがよくわかります。

    子どもの数が減って、高齢者がどんどん増えると、日本はどうなるでしょうか。子どもの数が減るということは、将来、大人になって働く人口が減るということです。少ない大人の力で多くの高齢者の生活を支えなければなりません。高齢者の人たちが病院にかかる費用やケアプラザなどの福祉ふくし施設しせつを作ったりするお金も必要になります。

    そうしたお金をだれが払はらえばよいでしょうか。高齢者が自分で払はらうためには、たくさん貯金を持っていなければなりません。国や市町村が払はらうためには、働いている大人から税金を集めないとお金が足りません。とてもむずかしい問題です。

    「人口ピラミッド」というグラフがあります。年齢別の男・女の数や人口が何人いるかを示す資料で、年齢の低い順に下から横棒ぼうグラフを重ねていくと、二等辺三角形のような形になります。この形が、エジプトのピラミッドに似ているので「人口ピラミッド」と呼よびます。

    日本の「人口ピラミッド」を見てみましょう。

    ●1950年(昭和25年)の人口ピラミッド
    2010年に60歳になった人たちが生まれた年、つまり、今の小学生や中学生のおじいさん、おばあさんの年代の人たちが生まれたころです。戦争(第2次世界大戦)が1945年に終わって平和な時代になって、子どもが多く生まれました。子どもの人口が多く、高齢者の人口が少ない、きれいな三角形のピラミッドの形をしています。

    ●1970年(昭和45年)の人口ピラミッド
    2010年に40歳になる人たちが生まれた年、つまり、今の小学生や中学生のお父さん、お母さんの年代の人たちが生まれたころです。20歳くらいのところでグラフが横に突つき出ていますが、ここが、1950年ころに生まれた、今のおじいさん、おばあさんの年代の人たちが大人になったころです。

    その子どもたちがお父さん、お母さんということです。10歳くらいの子どもの数が少なくなっていますが、お父さん、お母さんが生まれたころは、生まれた子どもの数が再び増えました。ピラミッドの形が少しくずれてきました。

    ●2000年(平成12年)の人口ピラミッド
    2010年に小学4年生になる子どもが生まれた年です。このとき、今のお父さん、お母さんの年代の人たちは30歳くらい、今のおじいさん、おばあさんの年代の人たちは50歳くらいになっています。お父さん、お母さんの年代の人たちが生まれたあとは、生まれる子どもの数が毎年減っています。

    全体的に子どもの数が少なくなってきて、人口ピラミッドの形がお寺にある「釣鐘」のような形になってきました。

    ●2020年の人口ピラミッドの予想
    ここからは将来どうなるかという予想です。2010年に小学4年生だった子どもが20歳になるころです。1970年生まれのお父さん、お母さんは50歳、1950年生まれのおじいさん、おばあさんは70歳になります。子どもの数よりも高齢者の数の方が多くなっています。

    ●2050年の人口ピラミッドの予想
    2010年に小学4年生だった子どもは50歳、1970年生まれのお父さん、お母さんは80歳、1950年生まれのおじいさん、おばあさんは100歳になります。子どもの数よりも高齢者の数の方がずっと多くなっています。

    人口ピラミッドの形が「つぼ」や「花びん」のような形になってきました。

     

    世界ではアジアやアフリカの国々の人口が増えていく

    世界の総人口は約67億5000万人と言われています。正確な統計がない国もあるので、本当はもっと多いのではないかとも言われています。

    日本の人口は2008年には世界で第10位ですが、これから日本の人口は減っていくのに対してアジアやアフリカの国々の人口が増えていきます。現在は中国が世界で1番人口の多い国ですが、インドが中国を抜いて第1位になると予想されています。

     

    日本は世界のなかでも高齢化が速く進んでいる

    0~14歳の人口、15~64歳の人口、65歳以上の人口の割合を世界の国々と比べてみましょう。日本は世界のなかでも0~14歳の子どもの割合が少なく、65歳以上の高齢者の割合が高い国です。

    全人口に占しめる65歳以上人口の割合のことを「高齢化率」と言います。世界の国々と比べてみると日本は23.1%と世界でも高い高齢化率の国で、「超高齢社会」と言われています。

    ・「高齢化社会」とは・・・高齢化率が7~14%のことを言います。

    ・「高齢社会」とは・・・・高齢化率が14~21%のことを言います。

    ・「超高齢社会」とは・・・高齢化率が21%以上のことを言います。

    高齢化率が25%ということは、人口の4人に1人が65歳以上ということです。日本は、それに近い状態になっているということです。

    日本は世界でも例のない速さで高齢化率が上がっています。内閣府ないかくふの「平成23年版高齢社会白書」によると、高齢化率が7%から14%になるまでにかかった年数(「倍化年数」と言います)は、フランスが115年、スウェーデンが85年、ドイツが40年、イギリスが47年であるのに対し、日本は1970年に7%をこえると、24年後の1994年には14%になりました。

    また、将来の高齢化率の予想ですが、日本は40年後の2050年には高齢化率が40%になると予想されています。

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